2012年6月8日金曜日

ドレルという織り方の名前は聞いたことがあります

ドレル
ダマスクプーリーとも呼ぶ
drall=ドラル?織機の部品と思い込んでいました。が、ドレルと読んで納得。


あのハーフドレル、ドロップドレル、ヤムトランドレル、ダラードレル。。。。。。
スウェーデン織物に、次々と出てくる あのドレルですね。

ハーフとかヤムトランとかは、地名や柄の種類のようですね。地域や歴史までとなるとスウェーデン語の原本?か スウェーデン織の先生方にお任せします。


手元にある本「Manual of Swedish Handweaving 」のドレルの説明を日本語に直訳すると「経出しと緯出しで構成される織り方」(?)になります。簡潔に言えば「朱子組織の昼夜柄の織物」



混乱しないように注釈しますと、

私の使っている昼夜柄という言葉は、生地の裏と表がネガポジの関係になっていることで、織り方まで限定しているものではありません。

表裏が異なる綾織(3/1とか)、朱子織、サマー&ウインターなど裏面の組織と表面の組織を入れ替えて柄を作る場合と、2重織りで裏表をネガポジにする場合などのすべてを指しています。

リバーシブル使いとか言ったりもするようですが、リバーシブルは「表にのみ柄、裏は無地」という場合もあり得ますからあまり適切とは思えません。



さて、話をドレルに戻しますと、

綜絖が1枚づつ独立して動くカウンターマーチ式やジャッキアップ式の織機がある現代では、「組織を裏表して四角またはストライプの柄を織り出しました」でしかありません。が、滑車5個に綜絖をそれぞれ2枚づつ吊下げる簡単なやり方で柄を織り出す。よく思いついたものです。

1番の綜絖が上がれば10番が必ず下がる。2番が上がれば9番が下がる。3番が上がれば8番が下がる。4番が下がれば7番が上がる。5番があがれば6番が下がる。上がり下がりの組み合わせは変えられない。必ず上がるか下がることが条件。

1から5番までを上がるグループ(朱子表)、6から10番までを下がるグループ(朱子裏)と考えると、表と裏の組織を組み合わせる方法で柄が織り出せる。テーブルクロスに織りの柄がつく。


でも、本に載っているテーブルリネンの写真は何という事もない「サテン(朱子)地を裏表した四角の柄」


こどものおどりの帯


日本の職人さんも思いつきました。


4枚綜絖のろくろを一組追加して8枚にしたのでしょう。


繻子地の大きな市松柄の帯--赤の正絹の繻子地(経糸)と金銀糸の緯出し(繻子裏)の組合わせ--です。

この華やかさも4枚綜絖では織り得なかった技術への挑戦から生まれたのでしょう。


先人たちが積み上げてきた知恵はすばらしい。





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