2012年10月26日金曜日

綾織#2 千鳥格子の試織

秋のブーゲンビリアは、季節はずれ。
淡いピンク色の株を選んだつもりが、華やかなピンク。 

この色味を拝借して、千鳥格子のひざかけを織ってみることにしました。
残っていた染料と素地糸のウールで何とかなりそうです。

化学染料のウール染めはしたことがあるけれど・・・・さんざん手こずって、やっとサンプル織り。

が、気に入らない。

糸の太さがよく市販されている並太ぐらいだから?・・・・なんだかアクリル毛糸のようなツヤを感じます。

何とも高級感がない。
(左の写真は、赤みに写りました)


日本では、プラスティックカラーとか、蛍光色とか呼ばれたりしている色味が原因?
スウェーデンのウールの色見本(かなり古い)には鮮やかな色が豊富。安っぽい感じもしません。よく似た色もあり、「大きな違いはないのに・・・」と思っていました。
 
でも、この写真(下)をみてビックリ。明るい部分や影の色味が違う。 確か「色」は目に映る反射・・・ 

2012年10月19日金曜日

綾織#1 ほどき糸のスモールブランケット

編み物が好きだった母のために、昔々、父がニュージーランドのお土産に買ってきた糸です。
ずっとセーターでした。ほどいてマットにでもするつもりでしたが、暖かいひざかけになりそうなので、織り始めました。所々に糸が弱くなっている部分がにあり、ツギハギです。



素材に味があるので、できるだけシンプルに。
軽く仕上げたいので、規格は粗め。
番手は2/4前後。35本/10cm。織り幅105cm。
空気を入れてふんわりと織るのは、綿や麻とは大違い。
苦戦です。







両端は、「floating selvedge/フローティング サルベージ」 (←直訳すると「浮き耳」。和名をご存知の方は、教えてください。)
両端の各1本は、綜絖を通さず、その都度シャトルをくぐらせる方法です。綾織の場合、普通にそのまま織ると、経糸がはずれる段ができてしまいます。今までは気にしませんでしたが、今回は糸が太いので試してみました。
多少手間はかかりましたが、きれいに整いました。

長さ60cmの板杼も作ってみました。木肌が気に入ってヒノキにしましたが・・・厚みもありすぎ、で重い。

 
織上り 幅96cm 長さ126cm(フサ10㎝×両端込み) 
 
起毛仕上げにしたいのですが、海外では専門店に依頼するようです。
「毛立ての実(先のとがった松ぼっくりのような実)」も入手できないので、金ブラシでガリガリ?


2012年10月16日火曜日

平織 終了


平織、ひとまず終了です。

「仕上げは、お湯でマシンウォッシュ(洗濯機洗い?)せよ」と本には書いてあるのですが、手洗いにしました。

仕上げてみると、織り上がった時の印象と違います。たぶん、使うとまた印象は違ってくるのでしょう。

次は、綾織です。

2012年10月12日金曜日

平織#4 ログキャビンのランナー

先日のサンプルから素材と色の気に入ったクオリティーで、ランナーを織り上げました。
織上げ幅;50cm 織上げ長;270cm
ログキャビンと無地で格子柄にするは、海外の雑誌などでよく見かけます。
 

 
ライトブルーは、シルキーとかシルケット加工と呼ばれる光沢の加工をした綿糸です。
ホワイトは、未晒の綿糸を湯通しし、生成り色を残して使用しました。
 
 
 ログキャビン(log cabin :丸木小屋)は、濃色と淡色の組合わせで見せる柄なので、男っぽくごつい印象になりがち。

濃淡のバランスが大切なようです。コントラストがきつくなりすぎるとチラチラします。

単純な平織なので、使う糸にニュアンスが欲しい気がします。


今回は、「ナチュラルな生成り地に、光沢のあるライトブルーの糸が輝く」を狙ってみました。

この写真で、効果のほどは・・・わかりにくいですね。

2012年10月9日火曜日

平織#5 リング糸のひざかけ 

親戚の方へのプレゼントのひざかけを織りました。



使用した糸は、多色染めのループ糸。

所々にリングのような大きなループがある糸なので、仮筬ではなくラドル(粗筬)を試してみました。

金綜絖の場合は、綜絖子の目と相談が必要な大きさです。



ラドルは、自分で釘を打って手作り。経糸を入れた後、平ゴムをかけて止めます。

さて、ラドルをどこに取り付けるか?
整経長が短いので、バックビームの上に置きたいのですが、丸みと塗装のため滑って不安定。周辺を見まわして、上の横木にしました。(右の写真)

身長が165cmぐらいあれば普通にできるのでしょうが、 高下駄がほしい感じでした。


経緯糸;AHSループ 1/2.5 株式会社シラカワ
密度 ; 30本/10cm
織上サイズ;80cm×92cm
仕上りサイズ;70cm×110cm(フサ込み12cm×両端)
仕上りの重さ;185g
使用した糸の重さ;250g



※綜絖に引っかかりそうな糸の大きなツブを気にしすぎて、リング糸のひざかけと名付けてしまいました。
織りあがりも、この部分が効いていて普通のループ糸と一味違ったので、うっかり・・・・すみません。(10月10日追記)

2012年10月5日金曜日

ジャックルームの機仕掛けがあるはず


「仮筬がうまくいかなかった」と落葉松さんがおっしゃるので、仮筬通しをしている写真を掲載してみました。

仮筬のコツは、軽くテンションをかける(=糸を引っ張る)です。絡みそうな部分がなくなり、きちんと整列し、綾の順番も整います。

さて、私は、米国の「Learning to Warp your Loom 」で説明されているトラディショナルの方法の中から、 織機上で仮筬をするやり方を参考にしています。

手を動かしながら、このタイプの織機は、産業革命以前は道具というよりも立派な機械だったのでしょう・・とつくづく思いを馳せます。


その点、家庭用として発達したと言われるジャックルームなら、もう少し手軽にできる方法があるはずでは?と思いついたのが、まさにブラックホールの入口でした。

1.仮筬をすると、先にビーム(男巻)に巻いてから、綜絖通し→筬通し(後ろから前へ)となりますね。綜絖を左右に寄せて間を通して巻くと、全幅ができない。つまり、寄せた綜絖の分だけ巻ける幅は狭くなる。これは、おかしい。では、綜絖枠をはずす?

2.前から後ろのビーミング(筬通し→綜絖通し→結んでビームに巻く)なら、幅の問題は解決します。綜絖枠があるジャックには、適したやり方だと思います。
でも、このやり方は、モヘア、スラブ糸の場合は、糸に負担がかかりすぎるようですし、ネットには、巻取り時に経糸切れが多いと書いている人もいます。

3.ジャックでは、粗筬が標準装備されている場合もよくあり、粗筬を置くための部品も織機についてたりするらしい・・・綾返しの手間もなく、一番ジャックに適しているようですが、やり方はいろいろありそうで・・・はて? 日本式を参考にすれば、できるような気もします。 

4.でも、本場アメリカでのはどのようにしているのでしょうか?


実は、今まで和洋折衷のビーミングしていましたが、現地方式に変更して、至極快適、確実です。
織機を設計した人は、やり方を考えて設計しているはずから、お勧めもあるはず・・・もう少し、調べてみると


出版社INTERWEAVEのWEAVING TODAY SHOPでDVDを販売していました。

「Warping Your Loom」(←検索してください)
編集長のMadelyn Van der Hoogt さんが、デモテープでジャックルームを前にして「手織りは大好き。ただし、ビーミングを除いて・・・・でも 」と言っています。3タイプの機仕掛けのやり方が見られそうです。

DVDをご覧になったことがある方は、コメントを頂きたいです。

今の気分は、DVDとジャックが欲しいです。実際に試してみたくなる・・・・悪い癖です。

2012年10月4日木曜日

越前和紙で織られた洗顔クロス

美顔ケア、洗顔用品、ほとんど意識していません。でも、買ってしまいました。この洗顔クロス。


角質の除去、皮脂汚れの吸着、血行促進、敏感肌の方に、赤ちゃんに、いろいろ効用や使い方はあるようです。

和紙の糸と絹で織られた100%天然繊維。越前和紙で織られています。
細かくてしっかりして、硬いように見えるのですが、とてもやわやか。もったいなくて、使えない・・・

シャツや靴下など、いろいろあるようです。
詳しくは、「風雅すたいる」 http://www.fugastyle.jp  和紙繊維とは



さて、和紙と言えば、日本?中国?
手織りの世界では、スウェーデンの作品集でなぜか良く見かけます。ペーパーヤーンの間仕切り、テーブルランナー、マット・・・ 欧米のテキスタイルデザイナーで、紙糸を探しに来日する方もいるようです。

個人で手織りするのなら、和紙を切ってこよりにすれば織れます。と、アドバイスを頂きました。

お正月用に、和紙を使ったテーブルランナーやランチョンマットを織るのも素敵ですね。


2012年10月2日火曜日

カウンターマーチ(天秤式)織機のタイアップのマニュアル本


先日のログキャビンの試織は、経糸の配列の都合で6枚綜絖にしました。いいかげんに2枚追加したら、全部の綜絖の位置が8cmもさがり、あわてました。原因は、綜絖とペダルの重さの関係でした。

使ったことはないのですが、タイアップの簡単さという点では、1900年代にアメリカで卓上の趣味用の織機から発達したと言われるジャックルームの方が気軽に楽しめるような気がします。細番手、高密度など苦手な織もあるようです。

さて、カウンターマーチを購入した時の説明書よりも、もう少し詳しい書籍はないかと探してみました。納得できたのは洋書。あげく海外から取り寄せるしか手に入らない本!


「THE BIG BOOK OF WEAVIHG」  LAILA LUNDELL著 

8月29日のブログでも紹介しました。北欧の織機と手織りの入門書としては、比較的入手しやすい本です。カウンターマーチの詳しい説明を期待したいのですが・・・

織機や織り方などの基本は入門者向けにカウンターバランス式を用いて説明しています。カウンターマーチについては、構造とタイアップとそのポイントについて4ページ半の説明があります。自分でタイアップをかえたり調整しようとすると、もう少し実践的な手順や説明が欲しいような気がします。


「ウィービング・ノート」 岸田幸吉著  新技法シリーズ 美術出版社

水平式の構造とタイアップのやり方について、わかりやすいイラスト入りで2ページの説明があります。綜絖の重さととペダルの重さが関係することやタイアップの確認の仕方が書いてあります。
タイアップは、従来のルームコードを使ってのやり方です。現在は、改訂版になっているかもしれません。



基本的な織機の準備や仕組みはわかっている人向けに、カウンターマーチのタイアップに絞って実際に即した具体的な説明書を、と思うとこの本です。


「Tying Up The Countermarch Loom」 Joanne Hall著

海外では、説明書のない中古の織機を購入した場合などに役立っているようです。
スウェーデンの床置き型手織り機の水平天秤式と垂直天秤式の基本的な構造の説明から始まり、使用する用具類、綜絖の準備、適した位置にセットする方法が具体的にかかれています。システムコードについても、それぞれの長さや通し方とつるし方、ピンの使い方もイラスト入りでわかりやすく、丁寧に書かれています。

さて、説明書通りにコードもつなぎ終わり、一番気になることは、これで良いのかという事。ロックピンを外してバランスをみて、ペダルを踏んでみて・・・チェックすべき点は?直し方は?という疑問に答えてくれます。
全部の綜絖が沈んだ時、1枚だけが沈んでしまった時、許容範囲、アンバランスなタイアップのケースの対処方法などが載っています。

Warp Sett Chart(経糸の番手と標準密度の表) と Sleying Reeds(筬密度の表)もついています。

34ページの小冊子ですが、自分で織機を確実に調整して、頭を織物に集中させたい方にはお勧めです。図も豊富に入っていますが、やはり読まないと詳細は伝わってこないようです。

和訳でほしい1冊と思いますが、先生に直接教えてもらうのが一番確実、近道です・・・よね。


 Glimara-USAへ直接注文になります。