2017年3月24日金曜日

憧れのハニコム Gagnefkrus

スウェーデンの織をするなら、いつかは、これを・・・と。
のんびりとあこがれる年代は、とっくに過ぎ去り、人生のゴールが見えてきていることを忘れてはいけませんでした。

花嫁のドレス地とか、ブラウス地とか、この組織のいろいろな評判はあちらこちらで見かけます。でも、Gagnefkrusーー正しい発音がわからないのが、なんとも悔しい。

参考にしている書籍「Manual of Swedish Handweaving」のハニコム(メガネ織り)の章 42ページにあるので、ハニコムの一種ということは、わかるのですが、独学の「歯がゆさ」を痛感。

さて、この本にあるドラフトの綜絖通しはショートドラフトで書かれています。部分的に経糸ドラフトに書き直してあります。ショートドラフトをよく見ると、方眼が半分のところがあり・・・?古い本なので、印刷がずれたのか?と思ったのですが、書き直してみると、なるほど「半分」で順番が揃いました。

本文の説明を読むと、「補助の止める経糸で結ばれる最初のブロックは経糸30本。6本は・・・・交互に通す2つのつなぐ経は3と4の綜絖・・・」と訳のむつかしさ?文章で説明する難解さ?もかなりなもので、組織図を指さしながら教えてもらえたら・・・と思うのは、いつものこと。

何とか経糸ドラフトを書き上げて、レピートのブロックを確認して、次は、踏み木順。3mm方眼紙に書いてみたら、長さは95cm。これで1レピート??

で、柄の構成を考えて本番に入る前に、じっくりとサンプル織をして、解明してみようかを思います。単純なハニコムでも、組織図から織上がりをイメージするのは、むつかしいですよね。そう思いませんか?


参考書籍;Manual of Swedish Handweaving  著;Ulla Cyrus-Zetterstrom
P.42 図73.Gagnefkrus

2017年3月14日火曜日

草木で染めた色、色、色

気分転換に、庭の梅の木で染められないかと思い立ち、もうすぐ一年。

草木での染色には、大陸から伝わった染材も少なくないと思われます。でも、気候や土壌が違えば、水も違う。同じ種でも育つ草木は微妙に違う。ですから、日本には日本の色ということに。

主に染め方を習ったのですが、発色のよい美しい色は贅沢品。藍染は庶民の色。と、素直に思えてきます。

日本特有の色の表現には、自然や景色の色彩と染め付けた色彩の2種類があり、イコールにならないところが苦心と面白味なのでしょう。

単に「染まった!」「色がきれい!」というだけで終わってしまうのは、もったいない。

そろそろ、織物にしようと思いながら。

藍生葉、藍茎、アリザリン、インド藍、ウメ枝、ウメ葉、カリヤス、ガンビア、ゲンンノウショウコ、コブナクサ、コチニール、サクラ花芽、サクラ葉、紫根、セイタカアワダチソウ、西洋アカネ、タマネギ、バラ枝、バラ葉、ハルジョオン、ビワ、ヒメジョオン、シュロ、ベニハナ、ベニハナ黄水、ヤマモモ、ラックダイなど 約30種。媒染材と抽出方法の違いで、色数は使った草木の3~5倍に。
あと、ログウッド、スオウ、ヤグルマなどが加わる予定。

作品をイメージして、色を染めて追加して。そんな長い工程を始めます。

2017年3月7日火曜日

手織のリズム

童話や昔話に登場する「トントンパタリ、トンパタリ。」は、緯糸を打ち込むときの音。トントンパタリという音にあこがれて、手織りを始める人もいると聞きます。

「緯糸を入れ、足を代えながら同時に筬をひいてトントンと打ち込み・・・」手織りの基本;土肥悦子著にあります。ホームスパンテクニック;森由美子著にも、「筬を引いて打ち込んだ直後に足を踏みかえる・・・」
着物はもちろんウールを織るときも、筬を引くのと踏みかえの「手と足」の微妙なタイミングとリズムが日本の手織りの意識では大切なのだろうと思えてきます。

日本語では、主語が省略されることが多いためか、「その人の手織りのしかた」というよりも、「常識的な手織りの決めごと」のように周知されてしまうことが多いように思えます。「他のやり方は受け入れない。」「できないから先に進めない。」と思い込んでしまうと、何事もつまらない・・・。

さて、わたしの場合。海外の柄織りや組織にばかり興味があったので、織るときのリズム・・・?考えたこともありませんでした。「開口して、緯糸を入れて、閉じて、打って。この糸でこの組織なら、踏みかえてもう一度打ち込む?どうする?」という程度。リズムよりも、密度ばかり気になっていたようです。

でも、昨年の5月始まった隣家の建て直しの工事中は、集中しようとしても織る気になれず・・・・。どうやら、材木を止めるために圧縮空気(?)で打ち付ける釘(?)の音が邪魔をしていたらしいのです。家を建てる「槌音」は、小説などでは心がわくわくする音として描かれていたりするのですが、現代のシュパッ、シュパッという音は、槌音というよりも銃の発射音? 威圧的でリズムもない? いやいや、織のリズムとあわないだけかもしれません。


工事も終わり、やっと7か月ぶりに織機の前にすわって、再開。

ずっと織りかけたままになっているのは、経糸緯糸ともにシルクの余り糸を組み合わせたクレープ組織。
ショールが2枚できるはずだったのですが、織りあげてから考えることに。

しかし、今度は、後方の家が建て替えですと・・・。

狭い住宅地で、手織りをしようと思うのがまちがいか?
それとも、現代の「機音;はたおと」と「槌音;つちおと」の心地よさを追求せよというミッションか?

2017年3月4日土曜日

梅の花が咲いて

「桜伐る馬鹿、梅伐らぬ馬鹿」などと言いながら、早春に伐った梅の枝で染めました。


最初は新芽を自己流で、
前回は枝と葉でウールを染めて色の違いを試し、
今回は、シルクのスカーフ。

草木で染めると、どうしても色褪せが早いと聞くと、染めた糸をあわせて織るよりも、スカーフなどを染めて、

「褪せては染め、褪せては染め・・・」

と繰り返すのも一興かと思ったり。

せっかくですから、1年間染め貯めた糸で、そろそろ織り始めたいと思います。


追伸;スカーフは、この梅の木を20年以上愛でていた叔母に送りました。私には感じることができないですが、梅の想いは届いたようです。


素材;シルクレーヨン 梅;1月末剪定枝
染色;アルカリ性抽出、アルミ媒染