2012年8月29日水曜日

THE BIG BOOK OF WEAVING  もう少し詳しく

このブログを参考にして、「THE BIG BOOK OF WEAVING」を購入された方がいるというので、あわてて少し書くことにします。


さて、この本は大きくは3つの構成です。
A ; 初心者のための手織りの準備の仕方(整経から織初めまで と 基礎知識)
B ; 織り方付作品集
C ; 道具とAの補足説明。少し高度な技術の紹介


Bの部分が気に入りました。
ハーフドレル、レップ、スウェディシュレース、HVテクニックなど、作品作りを通して伝統的な技法も学べるようになっています。色や柄は、現代的に新しくデザインされていて、インテリアアイテム以外のショールやバックなどもあり・・・・・今すぐ作って使えそう。

糸について素材や番手は書かれていますが、メーカーや色番の指定はありません。計画や準備の注意点、使用筬、縦緯の密度、縞割など説明があります。

基本的な作品から難しいものまで順番になっているようです。
4枚から12枚綜絖の作品まで約40点掲載されています。
かなり経糸の高密度もあり、綜絖6枚以上はカウンターバランスでは難しいでしょうし・・・・ジャックルームでどこまで織れるのか・・・・難易度別の☆☆☆欲しい感じかもしれません。

仮筬で通す本数が多い。仮筬をしながら綾を移す。モンクスベルトの柄を経糸で出す。など新しいやり方(たぶん)が所々に見られるようです。


Aでは、カウンターバランスを用いて、織始めるまでの手順を順番に説明しています。カウンターバランスは、タイアップも簡単なので入門用の織機なのでしょう。
北欧織機=カウンターマーチ(天秤式)と思って購入すると期待外れになるかもしれません
Cで、マーチのタイアップの説明は少々あります。


最後に、この本は、スウェーデン ストックフォルムの「HV skola-Handarbetets Vanner」という織物学校のインストラクターの方々が書かれた本です。

初めに出版されたオリジナル版は、THE BIG BOOK (日本語に訳すと大全集かな?)にふさわしく、スウェーデンの手織りの技法説明、歴史など幅広く載っているようです。
この本は新しい感覚を取り入れ、入門者むけに大幅に改訂された英訳版です。


内容は、作品つくりながら・・・もっとじっくり読むつもり・・・です。









2012年8月28日火曜日

平織#1 コットリンのハンドタオル

縦緯が同じ密度の基本の平織です。



経糸は、長さ3.5m 幅58cm。トラディショナルの方法(スウェーデン式)で機にかけました。
広い幅を効率よく準備できるように考えられている とあらためて実感。

日本には、いろいろなやり方があり、織機の特性も違うので、単純には比較できませんが、
・ワープビーム(ちきり)には、経糸を切らずにつける。
・クロスビーム(織りつけ布)には、経糸を上下に分けて手前で結ぶので、ほどきやすくロスが少ない。
などなど、細かなことかもしれませんが良さがあります。
今までもこのやり方のつもりでしたが、いつの間にか自己流になり、経糸がゆるんでいたようです。


織進むと、右端の打込みがあまくなってきました。織始めるまえに、織機はネジをしめ直したので、整経の最初か最後の張りがゆるかったようです。調整せずにもう少し織り進むことにします。

いつもは家族に手伝ってもらうのですが、重しをかけて一人で巻き取る方法も試しました。2kg程度では明らかに重量不足でした。

巻きがゆるいとこんな感じか・・・と思いながら織ることになりました。

この2点、次回再挑戦です。




2012年8月24日金曜日

やり直し初心者


やり直し初心者の最初の目標は、

1.トラディショナルと呼ばれるビーミング(機がけ)を手順よく、上手にできるようになる。
2.織かげんを確かめながら、織機を調整をする。
3.耳、幅、打込みを安定させ織るスピードをアップする。


最初は 平織のハンドタオル#1

北欧の織のマニュアルでは、最初の課題は綿の平織のハンドタオル。計算してみました。
サイズ ; 45×60cm 3枚
織り幅 ; 58cm (縮みやヘムを加えると幅はかなり広い。これで本当に最初の練習?)
整経長 ; 330cm
 筬   ; 80本/10cm
総本数 ; 470本 (レピート調整して6本追加)


使用する糸は、

本に書いてあるのは、綿糸 8/20、10/2。加工なしで染めた糸を探しました。
国内では、8/20は、販売しているところが見当たらず、10/2は、シルケット加工の染糸。16/2の染糸はあるのですが、平織の経密度は120本/10cm。ビーミングの練習には、少し細くて密。
スウェーデンのコットリン22/2を使うことにしました。


ビーミングのポイント

何となく簡単とか、やりやすいという感覚(思い込み?)で省略したりツギハギしたりで行っていたようなので、トラディショナルの方法でに変更です。広幅長尺、縦密度多め、綿/・麻糸、約100本/10cm以上を普通に・・・が目標。

1.仮筬をする。
2.綜絖を上げ、左右に補助バーを使う。
3.正解した経糸を織機に付けるとき、切らない、結びつけない。
4.櫛を使わず、しっかりと巻く。

部分部分はやったことがあるので、後は 「数をこなすこと」 かもしれない。丁寧に確認しながら、黙々とまずは10本をめやすに。巻きます。

2012年8月22日水曜日

4冊、選びました

1冊の本に出あって、もう一度 独学で手織りをやり直してみよう と思ってから、かなり手間取りました。織機、糸、織の準備、参考書籍などなど。。。。


選んだ書籍は、4冊になりました。

.[Learning to Weave]  Deborah Chandler 著
この本は、初心者向けの本です。「織機の使い方と織りの準備」と「組織と生かし方」に大きく分けられるように思います。

「組織と生かし方」は、基本組織から始まり、それぞれに適した糸や色使い、用途などの考え方が書かれています。この部分を参考に進めたいと思っています。ジャックルーム用に説明されている織り方もあり、そこは他の本で補うことにします。

「織機の使い方と織りの準備」で、著者はジャックルームを使用して説明しています。筬と綜絖を通してから経糸を巻く(前から後ろ)のは、北欧の織機では、綜絖が固定されていないためすっきりとは仕上がりません。


.[Learning to Warp your Loom]  Joanne Hall 著
「織機の使い方と織りの準備」のための入門書です。トラディショナル(伝統的)と呼ばれるやり方で、無理なくきっちりとビーミング(経糸を巻くこと)ができるので納得しました。急がばまわれです。


.[THE BIG BOOK OF WEAVING]  Laila Lundell 著
主に作品のぺージから、スウェーデンの織と色使いなどを参考にします。


.[A HANDWEAVER'S PATTERN BOOK]  Marguerite Porter Davison 著
初版は1944年。織組織がグループ別に豊富に掲載されているので参考にします。


2012年8月17日金曜日

糸と経密度 SETT CHART

この糸は、どのくらいの経密度で織ったらいいのか?といつも迷います。

ほとんどの本の説明には、「ものさしに糸を巻いてみて、本数を数えると密度がわかります」と書いてあります。どの程度の詰め加減で巻いたらいいのか?糸が細くなると1~2本の差が見極められません。織の組織点との関係も理解できていないと無理のようです。
スウェーデンのマニュアル本には、お教室で先生や先輩から教えてもらうか、作品集を参考にして試作して決めるとあります。

それにしても、「織始めて、経糸を切って、筬を変えて、筬通して、縛って、調整して織始める。」筬を変更する手間は、かなりのもの。経本数の少ない試作でも2度3度となると、ちょっとうんざり。 


SETT CHART( セット・チャート)とは、「この番手の糸はどの程度の密度で織ると良いか」を表にしたものです。また、同じ糸でも組織によって適した密度が違うので、平織と綾織の場合が載っています。厳密には、同素材で同番手の糸でもメーカーによって収縮率も異なりますから、「あくまでも目安」ですね。

昭和51年に発売された土肥悦子著「基礎から応用まで 手織り(絶版)」にも経験から割り出された表が載っていました。鯨尺なので、換算には苦労しました。

日本は尺でも確か2種類あり、アメリカはインチで、スウェーデンはセンチです。達人は、スウェーデンの作品集にしたがってアメリカの織機(筬)で織ると換算の誤差を感じる(!?)という話です。1インチ=2.54cmが、1インチあたり何本=10㎝あたり何本と素直に置き換わらないことに関係するようです。
 

織機(筬)の原産国のセットチャートがあると便利ということになりますが、インチの国、米国のみのようです。日本で一般的に使われている番手とは食い違う点があります。

密度は、織る人により微妙な好みがあります。数多く作品を作るうちに自分のチャートが出来上がるのでしょう。ここまでできると、「免許皆伝」なのでしょう。


掲載されている本は、下記の3冊。著者により、チャートの内容は異なります。
「Leaning To Weave」 Deborah Chandler著 Sett Chart(インチのみ ジャックルーム主体)
「Learning to Warp Your Loom」 Joanne Hall著 Warp Sett Chart(インチ/センチ併記)
「Tying Up The Countermarch Loom」 Joanne Hall著 Warp Sett Chart(インチ/センチ併記)

2012年8月10日金曜日

80/3 麻のストール 仕上り



透かすと、コントラストが効いていて、すっきりとした仕上りです。ストールよりもカーテンの方が綺麗かもしれません。



この色で、シンプルに織り上げると、少し物足りない。


茶とグレーの経糸のテイクアップ(織縮み)の差を、バーでビームの下の横木に結んでテンションを調整しましたが、十分には引っ張りきれなかったようです。
1.5mほど織ったところで調整が難しくなり、経糸を切りました。


これはやっぱり、ダブルビーム(2重ビーム)が必要な織物。








糸は、株式会社シラカワ ラミー80/3<アラン>薄茶No.6、茶No.7  麻100% を使用。


80/3麻のストールはグログランのストライプを入れて

「評判いいですよ」の一言で、購入しました。80/3の麻100%。
衝動買いした糸をすぐに織始めるときは、考えも衝動的で。。。。計画性は希薄。

気楽にざっくりと粗く織り上げるつもりでした。が、打込みを安定させるのが苦手なので、打込めない組織⇒経混み(密度が多い)⇒グログラン(ウネ織)のストライプがあるガーゼ調 にすることにしました。
たぶん、織機とテクニック的な根競べになるとは思いつつ。。。。



写真を見たほうがわかりやすいですね。

こげ茶の経糸 480本10cm。グレーの経糸 60本/10cm。
こげ茶部分は、密度が混みすぎていて、さすがに口が開かない事があります。


その上、ウネ織になるので、グレー経よりもテイクアップ(織縮み)が多いので、バックビーム部分で、テンションを調節しながら織ることになります。


左写真;バックビームの上とワープビームに、それぞれバーを入れて調整しています。


この先、織り進むとさらに調節が必要になります。ワープビームで調整しているバーを下へ動かして、ペダルの横木に結びテンションを保つ方法が本で紹介されています。本当にうまくできるのでしょうか?


2012年8月7日火曜日

織機と外国語の思い出

今日は立秋。 夏休み明けは、思い出話から。


学生時代だったと思う。日本語を勉強しているアメリカ人の学生と話をした。彼は夏休みのアルバイトで英語の先生をしていたような記憶もある。

自己紹介で、織物が好きで、スカンジナビアの織機をもっているといった。

では、スカンジナビア語はできるのですね。織機の使い方や織り方はどうやって調べるのですか?なぜ英語の勉強をしているのですか?この後にスカンジナビア語を勉強するのですか?日本には、織機はないのですか?なぜ日本の織機を使わないのですか?

答えに窮した。言い訳めいた言葉ばかりが頭の中をめぐった。


この時の宿題に答えたくて、また織を始めた気もします。