2012年7月10日火曜日

夏休みにします

たまたま所有してしまった織機の疑問も解け、カウンターマーチ取り付けのメドもたち、自分で自分にお疲れ様。


 今年前半に心に残ったことば


大島紬は、世界で最も複雑なテキスタイルのひとつだ。そして、衰退へと歩みつつある。(中略)製作工程ではスペシャリストを必要とし、いかなるスペシャリストも一人で作りあげることはできない。
tugumi  ( 2012.6.5.Blog; Dyeing the Earth, Weaving the Universe  原文;英語)



過去を勉強しないで、いきなりテキスタイルデザインなんて言うものだから、裂地をいじめることがテキスタイルデザインだと思ってしまう。そうじゃなくて、大切にすることが21世紀の作業になってくる。
三宅 一生 (2012.1.2.東北へ伝統と未来をつなぐ旅 NHK)



もう負けかなと思うこともあります。状況を変えられていないのは事実ですから。けれども、ファッションにはなお、人を前向きにさせて何か新しいことに挑戦させるきっかけになる力があると信じています。
川久保 玲 (2012.1.7.朝日新聞)



クリエィティブな人というのは、先人たちが残してくれたものに感謝したいと思っているはずだ。僕が使っている言葉も数学も僕が発明したわけではない。同じ人類の先人たちが作ってくれたものなんだ。そう思って僕は歩いてきた。
スティーブ・ジョブズ (ウォルター・アイザックソン著、井口耕二訳)




では、よい夏を

Happy Weaving.







2012年7月6日金曜日

織機の調整でコットリンの平織

織機の下ラムの穴をあける場所を最終確認したくて、平織をしています。

残しておいたドレルの縦糸を巻きなおして、織り始めました。
高さが多少足りないので、ペダルを全て吊ると10本めは上ラムやペダルに当たりますが、何とかなりそうです。


試し織りしているのは、コットリン22/2。

今回の平織は、90本/10cm。 所々に、2本引き揃えをつくり、懐かしい表情を出してみました。和装のコート地などで見かけた記憶があるのですが。。。綜絖通し間違い?にも見えます。
アメリカの本を参考にした経密度ですが、もう少し混ませたい感じです。

前回のドレル(朱子織)は、120本/10cm。組織の性格上、緯糸本数も多く地厚になりました。
スウェーデンの本を参考にした縦密度です。組織の特性とは言え、オーバークォリィー感はぬぐえない。


組織によって、経密度が違うのは、いわば、あたりまえ。
それにしても、アメリカとスウェーデンで、密度感がどうしてこんなにも違うのでしょうか?

左;平織 右;ドレル(朱子織)

使っているコットリンは、30年前のmark社の糸。少し手紡ぎ感があります。
先日、国内の貿易会社から届いたコットリンの見本は、綿糸のようにムラがなくてきれい。
昨日見たBockensの糸は、単糸は若干スラブがかっているけれどしっかりした撚り合わせ。


コットリンの番手は、22/2で各社共通です。
麻番手は、麻1ポンドから300ヤードの長さの糸を紡いだ太さが1番手です。メーカーによって太さに違いはないはずです。でも、海外のフォーラムでは、同じ番手でも長さや太さは絶対に異なると公言している先生もいます。同じ工場でも紡績機が違えば、仕上りは違うという話も聞いたことがあります。


ここまで来たら、各社織比べです。色糸のカラーラインも違いますしね。


先日、スウェーデンに問い合わせのメールをしました。
一社は、日本の輸入代理店を紹介してくれました。
もう一社は、直接注文はOK。今は夏の休暇中で8月6日までお休みというゴキゲン?のメールが届きました。

麻や綿の糸は、どうやら欲しい色糸を入手できそうです。


平織がおわったら、織機の改良をお願いして夏休みのつもりでしたが、製作所の都合で来月になりました。
この間、何か織る?夏休みする?

2012年7月3日火曜日

糸綜絖、私も作成中

綜絖枚数を増やすので、糸綜絖も増やすことにしました。

ポリエステル製に進化しており、綿の糸綜絖は見かけなくなりました。追加分だけポリエステルは、しっくりしないので手作りします。糸は、網糸3号(株)シラカワで購入。 小さな段ボール箱に竹櫛をさして結びます。

昔々、綜絖枚数が増えると、何番が上がっているか見分けにくいので糸綜絖を染めたと聞いたことがあります。1番-赤、2番-オレンジ、3番-黄色・・・・・・。色落ちがして白の作品が淡い虹色になったという笑い話までありました。現在、海外では、ポリエステル製の色付が販売されているようです。

カラー綜絖も何本か作ることにしました。今は、中央から綜絖20本ごとにバーに色糸をつけていますが、目立たないのと滑りが悪いので、カラー綜絖に変更します。使用したいのは、カラーのレース編み糸。でも、手元に5番の古い刺繍糸があるので、これを使います。使わずに空綜絖になるような気がします。


網糸1綛220gで1142本 カラーは各色6本

「綜絖通しは中央から左へ、中央から右へと通せば、毎回、本数を数えなくて良い」という話も聞きますが、
左右の手の動きを入れ替えられない私には、無理。
中央から左へはできても、中央から右へは手が交差するし、速度は落ちる。リズムにのれない。次に通す糸を見ると体がよじれる。加えて、複雑な綜絖通し順になると、完璧に混乱。


海外のマニュアルに書いてあるように、毎回、中央から本数を数えて、右端から左へと通し始めます。

北欧の織機の綜絖は、上下にバーを通して吊り下げているだけで枠はありません。ラム(招き棒)やペダルは最後にタイアップするのが手順ですが、私は、上ラムを下げて綜絖通しをしています。
中央まできた所で綜絖が足りなかった場合は、コードをほどいてラムをはずし、左側から繰り入れることになります。が、ラムを下げておくと左右にもずれず、適度な重さがかかり安定するので気に入っています。

カウンターマーチ式を写真で見ると、綜絖の上バーの中央部が上からのコードで結んであるように見える場合がますが、このコードは下ラムへ直行しています。ラムのタイアップも最後ですので、綜絖通しをしている時には関係ありません。

マニュアルによって、やり方や手順は多少違います。時代によっても違うようです。

綾返しを最後にしたり、シャフトピンを使わなかったり、私は伝統的なやり方が好きです。