2014年1月21日火曜日

オーバーショット#3 Johann Speck's Design No.33 織上り

年末から年始は、思い出と新しい年への期待が交錯する・・・・好きな季節。 始まってしまえば、あわただしい。


やっと落ち着く時間が少しできて、織り上げた Johann Speck's Design No.33。

織物で「円」のパターンは、伸びたり縮んだりしていない「きれいな正円」にするのは、難しい。織物の設計や規格をしている方々なら、誰もが知っている事で、できれば避けたい柄と教わりました。

織始めたときは、納得のいくスペックだったのですが、正円にしようとすると、打込みが予定より甘くなりました。機からおろした時を予想するとさらに甘くなりました。

先日、オールドのオーバーショットの布地を手にしたためか、もの足りなさがあります。

規格を直すべきか。。。組織を直すべきか。。。。美しいパターンにふさわしい質でありたいと。


使用組織;A HANDWEAVER'S PATTERN BOOK P.164
4枚綜絖 6本ペダル
筬;100本/10cm
使用糸;地糸 綿16/2 柄糸 ウール2/10
 サイズ;100×120cm

2014年1月10日金曜日

オールドのオーバーショットのカバー地

アメリカで織られた古いオーバーショットのカバー地。

洋書「OVERSHOT IS HOT」の前文に、「20世紀前半に織られたオーバーショット技法のベットカバー等の布地は、生成か白の地に濃い(通常は濃いネイビー)の緯糸一色で織られていた。」と書かれています。


本当に、その時代のものかどうかはわからないのですが、
柄の緯糸は、紺色のウール。撚り強めの単糸。黒光するほどの濃い紺色です。
地糸は、生成の単糸。ハリがあり麻か綿麻混のような表情をしています。

ウールの柄糸が擦り切れた個所もあり、所々にシミもあり。何回も洗って使ったようで、しっかりと目がつまっています。地はウールの紺が色移りして薄いブルーになったようです。

サイズは、180cm×260cm

生地幅から、機械で生産された品かと思ったのですが、中央にハギがあり、織幅は90cm程。よく見ると、徐々にずれていく・・・つまり、左右の布地の打込み(緯糸の密度)が同じではない。

しかし、堂々としています。織った人の想いや生活、手仕事の時代の空気が感じられます。



「藍と白」なら、日本の手織にも美しいものが数多くあります。
「工程が複雑で、技術が精緻で・・・・」作り方の説明や精度にばかり気をとられていたようです。

過去から積み上げてきた技法、そこから生まれた柄や個性。これらを受け継ぎ、新しい解釈を吹き込めないかとフッと思ったりします。