2014年4月25日金曜日

サマー&ウインター#1 Virginia Beauty 織上り

モチーフは、Virginia Beauty から。バージニアには思い出があるので。

経糸3色 チャコール、ワインレッド、ホワイト 
緯糸6色 チャコール、レンガ、ホワイト、イエロー、エメラルド、グリーン
柄の組織は、シングル、X’s、O’s と 経ウネような組織を各3色づつで、合計12段。打込みは、1cmあたり約20本。
しっかりとしたクオリティーに仕上がりました。


参考組織;The Shuttle-Craft Book of AmericanHand-Weaving
7枚綜絖 9本ぺダル 筬;100本/10cm
使用糸;経糸 綿16/2 緯糸 地糸 綿16/2 柄糸 ウール2/10  
 サイズ;43×182cm

2014年4月22日火曜日

サマー&ウインター#1 Virginia Beautyの配色

生成地に一色のオーバーショットが続きましたので、気分転換の配色サンプルのつもりが、カラフルが楽しくて・・・本気になりました。


経糸3色 チャコール、ワインレッド、ホワイト 
緯糸6色 チャコール、レンガ、ホワイト、イエロー、エメラルド、グリーン

色と組織を組合わせると表情さまざま。

本には、グランドのタビーは、同じ色か近い色というアドバイスがのっていますが、そうとも限らないようです。

写真左の柄部分は、プレーンな組織。
 
柄に組織をつけると凹凸感がでてきます。

写真右、左下、下は、バーズアイのような組織を入れました。
タビーの縦緯糸の色が違うと地紋が現れ、これも魅力的。
サマー&ウインターは、織り方も不思議。
織っている時も夢中にさせてくれたのですが、パターンも制約がなく、くっきりと表れて、レリーフ感も出せます。
織ることも織上りも魅力的で特別な可能性を秘めている織り方のようです。
 
巾なりの写真は、かなりの長さなので、これから撮影です。

2014年4月18日金曜日

サマー&ウインター;7枚綜絖のサンプル織 

2年前に織ったのは、右の写真。4枚綜絖のサマー&ウインター。
「A HANDWEAVER'S PATTERN BOOK」 P.89 から

パターンブックの組織図を見て、綜絖を通し、タイアップをして踏み木を踏みました。
パターンブックの写真の通り織れて満足しましたが、今見直せば、これは2ブロックパターンでした。
その時は、サマー&ウインターは、タビーの地組織があるのは、オーバーショットと同じですが、柄の緯糸が大きく浮かないことがわかりました。
あと、他の本の写真によると、柄部の組織が3種類作れるらしいこと。


今回、時間をかけて、説明をよく読んだり、新しく本を買い足したりして、わかったこと。
オーバーショットと違い、柄緯糸に規則的に経糸の〆が入るので、面の大きなパターンが作れる。通し順も規則的なので、ブロック構成で柄がつくりやすい。特殊なタイアップ・・・・など。柄も作りやすく、組織も論理的で織るものおもしろい織り方です。

お教室で先生がいてくだされば、説明ののち、柄を考えて、ポイントごとに間違いがないかとか、アドバイスとかいただける訳です。が、私の場合は、まずは既存のパターンを選んで、本の説明の意味を確認しながら織ることになります。オリジナルの柄は作らなくても、準備も組織の確認も・・・・なるほどと感心することばかり。


選んだのは、バージニア・ビュウティーの基本モチーフ。
5ブロックのパターンを選びましたので、綜絖は7枚。踏み木は、本来は12本ですが、織機には10本しかないので、スケルトンタイアップにしました。

サマー&ウインターとこのタイアップの組合せは・・・・絶妙。カウンターバランスでは無理で、マーチでしか織れない意外性を十分に楽しめます。

経糸を3行にしたので多色になりました。

サマー&ウインターのおもしろさは、間違いなく、4ブロック以上のパターンから。
カウンターマーチをお持ちの方は、是非お試しを!もちろん、ジャックルームでも同じように楽しめると思います。

2014年4月4日金曜日

書籍;世界の織機と織物

国立民族学博物館で2012年9月13日から11月27日まで開催された特別展「世界の織機と織物-織って!みて!織のからくり大発見」の関連書籍です。2013年3月29日初版発行。

編著および研究代表者は、吉本忍氏。国立民族学博物館教授。55の個人と団体が協力し、実行委員は共同研究「手織り機と織物の通文化的研究」の研究メンバー9名です。

この本と特別展では、「織物とは、経糸と緯糸を交差させ、機にかけて織った布。」という従来の一般的な概念ではなく、民俗学的な手仕事と道具の観点から織機と織物を取り上げています。

織物とは「張力をかけたタテ糸にヨコ糸を組み合わせたモノ」と定義し、「すべての織機は、張力をかけたタテ糸にヨコ糸を組み合わせるためにつかわれてきた仕掛け」としています。

織の始まりと考えられる足先に糸をかけたり、足で押えて織るのを「からだ機」や「足機」、背負い袋、背中あて、わらじなどを織る道具やゴザやムシロを織るむしろ機なども「織機」として分類し加え、近代の織機に至るまでを11種類に分類しています。

織機とみなす範囲や使われる素材を拡げた結果、あらたな織物の基本組織として「交叉織組織、からみ織組織、タテもじり織組織、ヨコもじり織組織、巻き織組織」の5種類を設定しています。

織機のからくりとして、タテ糸の張り、整経の方式、タテ糸を開口する道具、タテ糸とヨコ糸を捩り合わせる道具、杼、ヨコ糸を打込む道具など10項目が挙げられています。日常的に織機に向かっている人は、織機のそれぞれの部分の役目を再確認することができます。また、多くの方法や種類があることがわかります。

資料では、世界各地の始まりに近いと思われるものから近代の織機まで154点が掲載されています。それぞれの織機で織られた織物の写真も、モノクロですが、掲載されています。

「人類の文化遺産ともいえる手仕事のモノづくりの多くも放棄しつづけている。(中略)手仕事によるモノづくりを放棄しつづけていることは、人類がモノづくりをすることで日常的に培ってきた創意工夫能力を低下させ、自然災害でライフラインが途絶するというような非常時での生き延びる術をも放棄しつづけていることにほかならない。」として
「われわれは今こそ手仕事への回帰を真摯に実行に移すべきである。」と提言しています。


なぜ人は織を始めたのか?なぜ世界各地で多種多様な織機が発達したのか?
先人たちが工夫し伝えてきたこと。途切れてしまうこと・・・収集分類された多くの資料から学べることは、限りがないようです。

2014年4月1日火曜日

昼夜織りとサマーアンドウインター織りとSUMMER & WINTER

 さて、私が織りたいのは、SUMMER & WINTER。この英語名も復元したアメリカ人の思いを感じる名前です。フィンランドに同じ組織があるのですが、起源ははっきりしないとのことです。これが織りたくて、私は、カウンターマーチをのせました。

「サマーアンドウインター 織り」をネットで検索すると、「昼夜織り」という解答がでてきます。つまり、手織では、同じ織り方の同じ組織で名前が2つあるということになります。

織物生産に関する『織物組織意匠法』田島弥一著では、昼夜織は、「表裏両面が同じ組織となるもので、朱子、綾等がある。」とあります。手織の昼夜織は、経二重緯一重組織にででてきます。経一重緯二重の場合もあるようですが、「表裏両面が同じ組織になる」という点は全てに共通しています。

「昼夜」という言葉で思い出すのは、昼夜帯、昼夜柄・・・特定の組織の名前ではなく、裏と表がネガポジで両面使える布のことを呼んだ名前だったように思います。「このストールは昼夜だから、薄い色の方も表にできて、二通りに使えるのよ・・・」とか。

着物が洋服にとって代わり、「昼夜」は、「リバーシブル」という言葉になり、そして、「昼夜」は手織りをする人が必ず習う組織の名前「昼夜織り」として健在。そして、さらに「サマーアンドウインター織り」という名前でも呼ばれるようになったのは、海外で同じ織り方の同じ組織があったから?と思ったのですが。

経糸を準備して、綜絖通しを始めれば、日本の 昼夜織り/サマーアンドウインター織り と 海外のSUMMER & WINTER との違いは、一目瞭然。組織も違うし、杼の数も違う。海外のはタビーの地組織があり、緯糸に太い糸と細い糸を使うのでオーバーショットに近い。

緯の柄糸だけを見れば、SUMMER & WINTERは、3対1で動いています。手織りの昼夜織りの組織に慣れた人には、「経一重緯二重の昼夜織りの踏み木の本数をへらすためにやりくりした織り方だ。」と見えるかもしれません。それで、サマーアンドウインター織りは昼夜織り・・・工夫上手の日本人なら、ありえそうなことのように思えるのですが。(イラストを入れるとわかりやすいですね。)日本の組織にお詳しい方は、昼夜織りがサマーアンドウインターと呼ばれるに至った本当の経緯をご存知のことと思います。

米書では、経二重緯一重、経一重緯二重のどちらの昼夜織りも、綜絖通しが順通しのため、綾織で登場します。SUMMER & WINTERは、SUMMER & WINTER独自の通し順。地綜絖と柄綜絖がきちんとわかれているので、ブロックでの柄構成がしやすく、多綜絖のためにあるような組織。

海外の書籍が簡単に入手でき、海外の手織のブログなども日常的に見ることができます。昼夜織りがサマーアンドウインター織りとも呼ばれた時代は、もうすぐ終わりになるでしょう。

織り方の説明に書かれている特殊なタイアップと踏み木順で、本当に織れるのでしょうか。準備をして、まずは、試し織り。手と足の動かし方からです。
残り糸を集めたら、北欧風の色彩なので、色マスにしてみました。ストレートに色彩が出てきます。

オーバーショットを織るのが退屈だと感じ始めたら・・・是非お試しを。

 

   
※読み比べができず双方の主旨がわからなくなるので、掲載文を訂正するのはやめてください。具体的な意見のある方は、手織りを学んだのは、米国式、北欧式、日本式のいづれなのかと経歴などのプロフィールを書き添えてください。投稿は簡潔にお願いします。