さて、私が織りたいのは、SUMMER & WINTER。この英語名も復元したアメリカ人の思いを感じる名前です。フィンランドに同じ組織があるのですが、起源ははっきりしないとのことです。これが織りたくて、私は、カウンターマーチをのせました。
「サマーアンドウインター 織り」をネットで検索すると、「昼夜織り」という解答がでてきます。つまり、手織では、同じ織り方の同じ組織で名前が2つあるということになります。
織物生産に関する『織物組織意匠法』田島弥一著では、昼夜織は、「表裏両面が同じ組織となるもので、朱子、綾等がある。」とあります。手織の昼夜織は、経二重緯一重組織にででてきます。経一重緯二重の場合もあるようですが、「表裏両面が同じ組織になる」という点は全てに共通しています。
「昼夜」という言葉で思い出すのは、昼夜帯、昼夜柄・・・特定の組織の名前ではなく、裏と表がネガポジで両面使える布のことを呼んだ名前だったように思います。「このストールは昼夜だから、薄い色の方も表にできて、二通りに使えるのよ・・・」とか。
着物が洋服にとって代わり、「昼夜」は、「リバーシブル」という言葉になり、そして、「昼夜」は手織りをする人が必ず習う組織の名前「昼夜織り」として健在。そして、さらに「サマーアンドウインター織り」という名前でも呼ばれるようになったのは、海外で同じ織り方の同じ組織があったから?と思ったのですが。
経糸を準備して、綜絖通しを始めれば、日本の 昼夜織り/サマーアンドウインター織り と 海外のSUMMER & WINTER との違いは、一目瞭然。組織も違うし、杼の数も違う。海外のはタビーの地組織があり、緯糸に太い糸と細い糸を使うのでオーバーショットに近い。
緯の柄糸だけを見れば、SUMMER & WINTERは、3対1で動いています。手織りの昼夜織りの組織に慣れた人には、「経一重緯二重の昼夜織りの踏み木の本数をへらすためにやりくりした織り方だ。」と見えるかもしれません。それで、サマーアンドウインター織りは昼夜織り・・・工夫上手の日本人なら、ありえそうなことのように思えるのですが
。(イラストを入れるとわかりやすいですね。)日本の組織にお詳しい方は、昼夜織りがサマーアンドウインターと呼ばれるに至った本当の経緯をご存知のことと思います。
米書では、経二重緯一重、経一重緯二重のどちらの昼夜織りも、綜絖通しが順通しのため、綾織で登場します。SUMMER & WINTERは、SUMMER & WINTER独自の通し順。地綜絖と柄綜絖がきちんとわかれているので、ブロックでの柄構成がしやすく、多綜絖のためにあるような組織。
海外の書籍が簡単に入手でき、海外の手織のブログなども日常的に見ることができます。昼夜織りがサマーアンドウインター織りとも呼ばれた時代は、もうすぐ終わりになるでしょう。
織り方の説明に書かれている特殊なタイアップと踏み木順で、本当に織れるのでしょうか。準備をして、まずは、試し織り。手と足の動かし方からです。
残り糸を集めたら、北欧風の色彩なので、色マスにしてみました。ストレートに色彩が出てきます。
オーバーショットを織るのが退屈だと感じ始めたら・・・是非お試しを。
※読み比べができず双方の主旨がわからなくなるので、掲載文を訂正するのはやめてください。具体的な意見のある方は、手織りを学んだのは、米国式、北欧式、日本式のいづれなのかと経歴などのプロフィールを書き添えてください。投稿は簡潔にお願いします。