2016年3月30日水曜日

バンド織りのデザインと織りあがりと

チェックやストライプの柄を考えるときには、まずは、色鉛筆などで描いてみましょう・・・・手織りの書籍でよく見かける説明です。スケッチと織りあがった布がならんで写っている写真があると、それだけで感心してしまいます。

が、実際にやってみると、スケッチが描けても、本数を決めて、色を選んで、織り始めるのは、簡単な作業とはいえず。悩むこともしばしば。やっとの思いで織り上げても「達成感の熱」がさめると、スケッチの方が、きれいで魅力的なことに気付いたりする・・・・・。
たぶん、手織を生業とする人やプロと称するデザイナーは、スケッチより、数倍も魅力的な布に仕上げる人たちなのだろうと思ったりする・・・・。

ふりかえって、先日のバンド織。

スケッチと比べればそれほど悪くないつもりだったのですが、バンドだけを2-3日見ていたら、なんだか落ちつかなくなりました。

写真うつりは、それほど悪くないようなのですが・・・。

どうやら原因は、アクセントとなる色の組合せが2つあるため。
中央のレッド+イエローに対して、サイドのレッド+ターコイズブルー。


ということで、織り直してみたのが、左の写真。

サンプル左は、ターコイズブルーを除いたバージョン。落ち着いた印象。落ち着きすぎかも・・・。

サンプル右は、最初のスケッチの華やかさは残したいと思い、ターコイズブルーを減らして、ワインを増やして、ブラウンに馴染ませてみました。

使っているのは同じ色。配列も大差ないのに、こんなにも印象が違うなんて・・・色彩は不思議。

さて、どれがお好きですか?



2016年3月22日火曜日

ローズパスのブロックダマスクのサンプル織

10枚綜絖5枚朱子のブロックダマスクが順調に織れたので、8枚ならもっと簡単と思って選んだローズパスのブロックダマスク。
ブロックの切り替え部分をすっきりとさせる組織の組合わせ方は、織ってみて、「なるほど」。改めて組織図をみると、納得です。でも、織物はどうやらここがスタートライン。

あまりに苦戦するので、注意点を書き出してみることにしました。
組織ばかりを気にして、楽しみ方を忘れてしまったのかもしれませんね。

1、ブロックごとにローズパスの綜絖通しの5本目が重なるのが手前か奥かが違うので、要注意。

2.糸色は、経糸と緯糸の濃度が近いと、ダイヤモンドの柄が単なる経ウキのように見えます。濃度差があると、織りやすいのですが、予定したプレイスマットには、はっきりしすぎて落ち着かない感じ。和風インテリでのアクセント使いのクッションなら良いかもしれませんが。

3、そして、ミミ。ローズパスは、綾織でした。ですから、ミミそのままでランナーやプレイスマットにするなら、綜絖を追加して、数本の平織ミミを付けるべきでした・・・・・。



日常に使えるモノを織ろうと、計画するには・・・組織や手順だけでなく、素材、色彩、ミミなど耐久性や仕上がり状態、などなどさまざまな知識が必要。技巧や技術の熟練とも違い、アート作品の創作とも違うようです。

何を確認してどんな手順でと・・・悩んでみても進まないので、結局、「急がば回れ」で、織ってみること。

サンプル織をしなかったので、贅沢なサンプル織になってしまった・・・ようです。

組織参考 書籍;「Warp and Weft」 P.63
M.Eriksson,G.Gestavsson,K.lovallius 著

2016年3月15日火曜日

バンド織りのデザインの織り上がり


先日描いたデザインを織ってみました。

「亀甲」のマス目を使ったデザイン画。デザイン画というより、スケッチのイメージを図に書き直した・・・というべきかもしれません。
整経順や本数など、織物をする「思考回路」には、やはりこの図がわかりやすい。仕上がりもはっきりイメージできるから、不思議。

偶然の組み合わせや成り行きにまかせて、織り上がりを楽しむのも悪くはないのですが、デザインが織り上がるとどうなるか・・・・仕上がり具合を楽しむのが好きなようです。

まずは、「亀甲」と「ダイヤ」を組み合わせて、描いた「リップ織」。

細糸は、ミシン糸を使用。太糸と細糸の組み合わせだけでなく、段数もわかります。


次は、6色を使用したタイプ。

タテのストライプにする部分の太さ、破線やボカシにする部分の経糸の並び順などが確実に検討できるのが何とも楽しい。



違う配色を作ったり、本数を変更したり・・・・何枚書いても、たぶん飽きないと思います。

それにしても、織るのに適した太さと色数の揃った糸がないのが、何とも残念。

2016年3月8日火曜日

バンド織りのデザインを描く

平織の紐を織る「Band Heddle/バンド織りの綜絖」が届きましたので、もう少し織ってみることにしました。

前回、織ったのは半年ほど前の2015年6月。
「織ってみる」に興味があって、残り糸を並べて、織ってみました。
実は、デザインはあまり考えずに、いきなり、制作。(写真右)


今回は、ストライプの色や太さなど、デザインを描いて、検討して、段取りよくすすめたいのです。

経糸のみが表面に出るので、緯糸は見えません。
Rep/リップ織の感覚でデザインをしたくなるのですが、どうも勝手が違う。
経糸の総本数は50本程度。1本1本配列のしかたで、線になったり、破線の表現ができたり・・・。
使える本数も少ないのでスケッチから、いきなり整経するのは、むつかしい。

さて、織り上がりのイメージができて、経糸の本数もわかるデザイン画の描き方は・・・?

悩んだ末に、いつもの方眼紙に「亀甲」を描いて、色鉛筆で彩色。(写真左下)
緯糸の太さが異なるRepは、「亀甲」の長さをかえれば、仕上がりのイメージと緯糸使いもわかります。(写真下)



これは、「良い方法を考えた!私が最初で、オリジナルだ!」と思っても、たぶん、バンド織の本には、詳しく説明が載っているのだろうと思います。織物は、手から手へと長い長い年月を伝えられてきている技術ですから。
ん? 紙に描くから、紙の発明以降・・・・かな?



2016年3月4日金曜日

オーバーショットのようなパターン

知人でリジットという卓上機の達人は、最近、ステックを使ってオーバーショットの柄を織っているのだそうです。そんな話を思い出しながら、歩いていると、東京駅近くの昔からある手芸店の改装セールの箱のなかに、ちょっと変わったモノを発見。

オーバーショットの柄のように見えるのですが、刺繍の図案のようにも見えます。
よく見ると、パターンの台紙の端に、「佐賀錦・・・」とあります。

「佐賀錦」といえば、細く切った金糸をつかって、お城で奥方様やお姫様方が織っているという時代劇のシーンが思い出されます。この程度の知識で本当に申し訳ないことです。

Wikipediaには、
佐賀錦(さがにしき)は、肥前国鹿島藩(現在の佐賀県鹿島市周辺)の御殿女中に受け継がれた織物。 ... 織機ではなく、織り台という縦46センチ・横32センチ程度(用の一回り大きなものもある)の小さな台に経紙と呼ばれる経糸を掛け・・

趣味で、袋地など織っている方もいて、教えてくれるお教室もあるようです。
毎日見ていると、確かに日本の柄です。やはり、オーバーショットとは趣が違います。それに、オーバーショットの柄には、必ずあるハーフトーン/影がない・・・・。でも、オーバーショットに魅力を感じる人が多いのと、関係があるのかもしれません。

雰囲気作りに、金糸を入れて撮影してみましたが、これは、丸く巻きつけた金糸・・・・経紙とは違います。すみません。
金糸を使わなくても・・・ちょっと布にしてみたくなります。