2016年6月24日金曜日

黒の糸で #1 上着用の布地


モヘヤ、リング、スラブ、極細、変形モール、リングノット・・・・・

使い残しの意匠糸を次々に織りこんで、最初は、ショールにするつもりでした。

平織で、意匠糸を入れる部分は、綾織の変形で、緯糸が出るようにしました。

予想よりもハリがあるので服地にしてみようかと。サンプル織もしないで、いつも行きあたりばったりで情けない話。

ですので、黒の上着があれば便利かなという程度。


 ストレート(寸胴)のシルエットしか似合わない今日この頃。

直線断ちの魔女のようなコートも悪くはないのでしょうが、久しぶりにセットインスリーブの仕立てにしようかと思います。見返し用の無地も織りました。


糸飛び、グズグズ・・・と、笑えるような織物にしてみようかと織り始めたのですが、自然と規則正しく、きちんと織れてしまうのは、日頃の鍛練の賜物か?

縫いあがったら、笑えるような服地になるかもしれない・・・何事も最後まで。

黒い糸がなくなるまで、いろいろと織ってみようと思うのでした。


平織、綾織;意匠糸部分のみ
6枚綜絖、6本踏木
経糸、緯糸 共に残糸
サイズ;44×400cm(無地80㎝含む)

黒の糸で

美しい色を見ると心がなごむ効果があるとか。確かにきれいな色糸を組合わせて織るのは、楽しい。手織りの究極の楽しみ方のように思えます。

しかし、数年前に、もう手織りはしないからといただいた糸は、ほとんどが「黒糸」。

歳を取ると、黒は、見えにくい。間違いなく織れるだろうか・・・・。憂鬱な色彩・・・・・と、思い悩む。暗いのは、色だけではなさそう。

1箱の段ボールの中には、数玉程度の意匠糸があれやこれや。モヘヤ、リング、スラブ、極細、変形モール、リングノット・・・・・。

ファッションでは、あたりまえの色彩になっているのですが、何時間も見つめ続けて織るのは、やはり、気が進まない。

では、糸飛び、グズグズ・・・と、笑えるような織物にしてみようかと織り始めました。

板杼を使ってのんびりと、手織りを楽しもうと考えたのですが、40cmも織ると、シャトルを使えば早いだろう。テンプルを使えば、もっと早く織れるだろう。と、「効率よく」「速く」を一番に考える自分がいました。

そんなに速く織って、たくさん織って、どうするつもり?
どうして手織りをするの? 
糸の山があるから・・・?

グズグズ、ザクザク を狙ったつもりが、きちんと織れてしまう。
誰が見ても手織り・・・・そして、それなりにかっこよく は、
予想をはるかに越える難しさ。

黒い糸がなくなるまで、いろいろと織ってみようと思うのでした。

2016年6月22日水曜日

種をまき、苗を植える

藍は、彼岸に苗床に蒔いて、5月初旬に畑に移すというに、東北藍の種をいただいたのは、5月半ば過ぎ。

来年に蒔こうかと思ったのですが、藍の種は、収穫した翌年しか発芽しないというので、蒔くことにしました。海外の本にも、藍の種は、すぐに鮮度がなくなり、保存できないと書いてあります。種で保存できないなら、蒔くしかない。

そして、10日ほどして、双葉が出たのですが、ヒョロリとして、虚弱。

空を見上がれば、すでに、梅雨のあいまの日差しは、真夏。うっかりすると干からびてしまいそう。
案の定、本葉が出たのに、雨粒があたれば、倒れる・・・。

うっかりすると、2本3本と一緒に抜けてしまうなので、恐るおそる間引きするも、地植えは、どうすればようのやら・・・?

毎年、毎年、育てるのを身近に見て覚えたならば、花を咲かして種を取り、命をつないでいくのは、普通のことなのでしょうが、首をかしげることばかり。あらためて、絶滅しないのが不思議な気がしてきます。









左;6月12日
右;6月22日







ウメ、ハルジョオン、ヨモギ、ホウキクサ、・・・。手狭な住宅地のつもりが、よく見ればあちらこちらに、染材になる植物が目につきます。

ついでに、マリーゴールドの苗を衝動買い。が、よく本を読むと、煮るときは、屋外がお勧めと書いてありました。確かに、独特の臭いあり。


植物を育てようとすると、「今」を逃すと来年になる。
1年というサイクルに縛られているようにも思えるのですが、「来年こそは・・・」と、頭の中がいっぱいになるのは、幸せかもしれません。









2016年6月14日火曜日

玉ねぎで染める

集めたつもりはないのですが、

よく染まると聞いて、取っておいた玉ねぎの皮。
ナスの漬物に使おうと買ったらしい(?)ミョウバン。
そして、手織りは止めるからと、いただいた白の毛糸。

染めてみることにしました。

たった70gの皮なのですが、5リットルのバットは、ほぼ満杯。





時々、玉ねぎの匂い。
この状態から、美味しそうな匂いがするのは、不思議。おもわずスープ鍋を探したりして・・・・。

助剤のついでに、鉄媒染用の液も購入。手元にあるものを片づけるために、またモノか増えるという悪循環。罪悪感も少々。

さて、染めあがった糸。
左から、アルミ媒染、鉄媒染。一番右は、鉄媒染の残りと染液の残りを使用して染めてみました。

わたしの好きな「玉ねぎ色」より淡い色で、ちょっとがっかり。

2016年6月10日金曜日

やっぱり毛糸は一宮

椅子張りのこともあり、ウールの糸が気になる日々。毛織といえば、一宮。愛知県。
紳士服地など生産する毛織の産地と思うのですが、ほとんどが海外へ移転?したという話も聞き・・・・さて?

久しぶりに、半信半疑で手織用の糸を扱っている糸商へ電話をしてみました。30年ほど前の手織りの本の巻末に、よく住所や電話番号が載っていたこの商店は、今も健在のご様子。何とかお願いして、サンプルを送ってもらいました。

最近の手芸店や手織り手紡ぎショップなどで販売している糸サンプルは、標本のようにきれい過ぎて、個人的には、ちょっともの足りなさも感じていた今日この頃。

一部手書きで、糸がセロテープで貼ってあるだけなのですが、届いたサンプルは、大迫力。

紡毛糸、シャギー糸、スラブ糸、甘撚り糸、タムタムモヘヤ、リング糸、ループ糸、スコットランド、ラム紡毛、アンゴラ紡毛、梳毛糸、ローバーループ、ベルタス、ローバー、ラスター、メリノー、花モール、ネップ、アルパカ、スラブノットモヘヤ、シルクモール、ロービング、スラブノット、撚太ループ、手紡ぎ風・・・・・・

ヒツジの名前の付いた糸、獣毛、糸の形状も多種多様。やっぱり、流通している原毛の種類や紡績の技術など 産地ならでは ということですか。

そして、ほとんどが染める前の生成り糸。綛の状態ですから、数10グラムだけ購入したいといってもちょっと無理。特別サンプルとあるのは、売切れたらおしまいなのかしら?

織り上がったときの風合いや表情を確かめたいと思う糸は、数々。まだまだ手織りはこれからが本番のようです。