2013年2月22日金曜日

ダイレクトタイアップは無理なので

洋書「Leaning to Weave」 Deborah Chandler著 を見ながら、手織りの勉強をやり直しています。

以前も書いたように、この本は、ジャックルームユーザーをメインの対象としたアメリカの本です。
手織のエピソードやちょっとした疑問の答えが見つかることもあり、気に入っています。
この本でも組織の勉強は、平織から始まり、綾織では組織図、綾の種類や変化についてです。

困ったことに、1/3、2/2、3/1の綾を織比べるという課題があります。
普通にタイアップを考えると、ペダルが12本必要なことに気づきました。

ジャックルームならシングルタイアップができるので、ペダルを踏みかえて織比べ、組織と綜絖の関係を理解しましょういうことなのでしょう。
カウンターバランス(ろくろではない)織機で、同時にペダルを複数本踏むなんて考えたこともありませんでした。試してみましたが開口は安定しないし、ベンチから滑り落ちそうになる・・・・・・。


シングルタイアップ。
1950年?70年代? 海外では、Jack-type(ジャッキ式織機)のことを別名Single tie-up(シングルタイアップ)と呼んでいたようです。
普通の織機のようにペダル1本に複数枚の綜絖をタイアップでき、ペダル1本に綜絖1枚を結んでも1枚づつ独立して動き開口もきちんと揃う---シングルタイアップ。古い記憶で確かではありませんが。
初めて織機に向かった頃は、ろくろ式以外はめずらしく、このシステムの織機も噂に聞くだけで・・・あこがれ・・・でした。「シングルタイアップ」という言葉は、たぶんジャッキ式織機と一緒に輸入(?)され、使われていたように思うのですが・・・・・???

この本が出版された1990年代にはどちらも古い言葉となったようで、その織機は進化してジャックルーム(jack loom)と呼ばれ、「1本に1枚づつ」はダイレクトタイアップ(direct tie-up)。
なお、一般的に行われる「ペダル1本に複数枚の綜絖」をタイアップすることは、マルチタイアップ(multiple tie-up)という言葉が使われています。


さて、ダイレクトタイアップでこの課題をすると、
1/3の綾は・・・・・ペダルの順番は1、2、3、4。綜絖を1枚づつ順番に上げて緯糸を入れ織る。
2/2の綾は・・・・・ペダルを12、23、34,41と同時に2本づつ踏み、織る。
3/1の綾は・・・・・123,234,341,123と同時に3本づつ踏み、織る。

ペダルを同時に踏めると、4枚6本の場合、組合わせは何通りになるのでしょう?
いろいろな組織をランダムに入れておしゃれなマフラーが!作れるではありませんか。
趣味の世界から生まれた織機と実用と効率を求められた織機の違いなのでしょう。


我が家の織機では、タイアップを変更せずに織ろうとするとペダルは2本足りません。
「基本のツイル」はあきらめ、「その他のツイル」を織ることにします。





2013年2月13日水曜日

綾織#7 3~5枚綜絖 ワッフルウィーブのハンドタオル

綜絖を通し直して、通し直して、いろいろ織ってみました。全部で4種類+1

 

写真の上から順番に;
①4枚綜絖4本ペダル(上から3枚);裏と表のでかたが異なります。白とブルーの交差した部分を見るとわかります。 
②3枚綜絖3本ペダル;ワッフルウィーブの卵?織り糸の特徴がそのまま出ました。(あっ!真ん中に織りムラが・・・)
③5枚綜絖6本ペダル;組織図では完成度が高いのですが、5本ペダルとあまり違いはないようです。よく見ると立体感はありますね。
④5枚綜絖5本ペダル;5枚綜絖以上がワッフルらしいというのがうなずけます。
 
基本は、枚数=ペダル本数 と思っていましたが、+1本がよさそうです。
この様子だと、4枚5本ペダルを織っておけばよかった・・・・
 
使用したガラ紡は、綿番12番前後の手紡ぎ風双糸。
糸の表情がよくでているのは②3枚綜絖。薄手で使いやすそうです。
予想通りかどうかは、使ってみてのお楽しみ。
  

そして、オマケ。

左の写真は5枚綜絖5本ペダル。
織っていて、何か変とは思いつつ・・・裏を見たらタイアップが1本抜けていたので飛んでいました。
ワッフルっぽくないし、飛びが多いから細いモヘアでふんわりマフラー?
ごつい印象もあるので、マットにしても良さそうな組織です。
太い糸でバスマット・・・・糸は在庫があるかな?組織は若干ですが要修正。


組織参考;
Learning to Weave;  Deborah Chandler 著 
The best of Weaver's;Fabrics That Go Bump 

 

2013年2月6日水曜日

綾織#7 ガラ紡でワッフルウィーブ

箱の底に30年も眠っていた「ガラ紡」。綿の手紡ぎしたようなの糸。

「綿糸を紡績するときに落ちた短い繊維のワタを集めてひいた安価な糸」と聞いた記憶があります。ガラは、籾ガラ、抜けガラやガラクタの「ガラ」だと思っていましたが、ネットで検索すると「ガラガラと音をたてる特殊な紡績機を使用するため」とあります。

数年前、吸水性がよく、優れモノの台所フキンという話を聞きました。

手元の糸は、かなり毛羽っぽい感じ。お台所の引出しにある市販品のガラ紡のフキンとは何か違う。グラスを拭いたら毛羽が残りそうで、織っても使えないかも・・・・。

でも、ハンドタオルを織って使ってみたい衝動に駆られ・・・・・折しも、ワッフルウィーブはポイントツイルの綜絖通しなので、綾織の仲間。


ワッフルウィーブは調べてみると、3枚、4枚、5枚、6枚、7枚、8枚・・・・・7枚以上では、平織を入れ組織をしっかりさせるなど様々。

糸が太いので密度も粗くなる。なので、飛ぶ距離も長い。5枚ぐらいが限界のような気がします。
組織図とは印象の異なる織物。バランスがよさそうな4枚綜絖から初めてみます。

ワッフルウィーブ・・・・流行が始まってそろそろ20年。織ってみないと。


2013年2月1日金曜日

ラグ用の布切り糸作り

北欧の織の特徴でもある裂き織のマット。綿の布地を切って、組織はグースアイで織りたい。
切った布を飾り糸のように使って小さなバック地を織ったことがある程度。この織機を使っているなら、1回はマットを織らねば・・・・


Rag Rugというマット。実は「布は裂かずに切る」という事は知っていました。
その通り、正しく訳すと「ボロ布のラグ」。そして、使い込んだ綿100%の布がしなやかで織りやすいということも。

さて、タテに切るか?ヨコに切るか?バイアスに切るか?幅は?
端を切らずにつなげて長くするか?縫ってつなげるか?1本1本の端を重ねて織るか?

考えたことがありませんでした・・・・裂き織をしている方は多いので参考にさせていただけるチャンスも多いはずなのに・・・・


生地の棚から綿の余り布を出してきて、ついでにウール地のズボンもほどいて・・・

ポリエステルや麻、裏が白いプリント地は使わないことにしました。

THE BIG BOOK OF WEAVING の説明に従ってと思ったのですが、チェック生地の残布は、色の出方が、ウール地などは生地の張りが気になり、バイヤスに。

短いと織りにくいので縫い合わせ、長いテープにして、よじれてシワにならないように巻く。

年末から延々と作り続けました。


再生紙も、ペットボトルの再生ポリエステルも、再生すると「逆に高くなる」と聞きますが、ホントに手間暇がかかります。丁寧に糸を紡ぐという作業に似ている気がします。

バイアスにカットが多くなりました。織り上げて使い始めると毛羽っぽかったり強度に問題があったりするかもしれません。真直ぐにカットしたものも追加したいですね。

配色を考えると、まだまだ量も色も足りないのですが、生地を買うことになるのでしょうか?
新品の生地を切るのは、気が進まない・・でも、ほしい色のイメージは決まったし・・・・もう少し悩みます。

2月3日追記 ; 今日、少しお疲れのシーツを洗濯。アイロンをかけながら、このしなやかな生地を染めて織りたいと実感。しばらく糸を作りためることにします。