2012年3月28日水曜日

糸の長さと重さの換算

mあたりの重さがわかれば、長さを重さに換算できる。 重さがわかれば、長さもわかるはず。


つまり、こんな時のためにやり方を整理しておきたいと感じていました。

長さから重さが知りたいケース←糸を重さで買う場合、換算はできないと何g必要かわからない。
店員さんやネット通販ページで換算してくれる場合もありますが、できたほうがいい。

重さから長さが知りたいケース←買ってしまったが、番手がわからないので、長さもわからない。
使いたいけど、足りるかどうかわからない。



結局、大別すると3つのやり方になりました。

① 番手換算をする。
どの本にも説明が載っているもっとも基本的な方法。
番手の理屈がわかれば、換算できる。ただし、撚りがきついか甘いかで長さは変わるはず。


② 回転計の付いた「綛かけ機」に巻き取り、長さを実測する。
綛揚げ回数を数え、綛の大きさとで長さを算出する。残糸など手元の糸をはかるのにも、もっとも確実な方法。ただし、時間と手間はかかります。
この「綛かけ機」まだ販売しています。回転計付きで約35,000円。海外でも同様のものがあるようです。


③ 10m切って重さを量る
中細程度の糸では、1~2gが測れるかなり感度の良い秤が必要。

③’ ウールは5gの長さを測り、20倍して100gあたりの長さを計算。
細い糸は1gの長さを測り、100倍して100gあたりの長さを計算。
上皿天秤があれば、かなりの精度でできそう。皿が小さいと糸が載りきらない場合がある。

③’’ 30gを測り、長さを測る
サンプル量が増えれば、精度が上がると思ったのですが、
番手によっては、かなりの長さとなり、測るときに、糸を引っ張りすぎたり、ゆるすぎたりで、意外と誤差がでる。

③’’’ McMorran Yarn Balance を使ってはかる。
プラスチックのボックスでできた糸専用の吊下げ天秤式の秤。
海外では手紡ぎをする人に利用されているようす。先端に測りたい糸をかけ、糸を少しずつ切って天秤が釣り合うようにするらしい。糸を秤から降ろして長さを測る。換算表(?)もついているらしい。とても便利そう。
お使いの方は、コメントをいただけませんか?


どの方法で量っていますか? お勧めはありますか?


セールの糸とか使わず、きちんと番手と長さ表示のある糸を買えば、全然問題ないのに。
買ってしまった糸から選ぶのは、本当に大変。

あげく、念には念を入れての場合、20~30%の余分を見る必要があるという。。。。。


参考書籍;
「手織り」基礎から応用まで 土肥悦子著 
「織物」用具と使い方 
ウィービング ノート  岸田幸吉著
Leaning to weave    Deborah Chandler 著


2012年3月24日土曜日

緯糸の長さの計算と縮み

緯糸の太さの目安ができたので、糸量の算出です。

手順としては、作る大きさを決め、緯糸の前に経糸の計算ですが、今回は、箱の中に残っていたウール梳毛2/10に決めたので、糸量に見合うそれなりの大きさです。



さて、問題は緯糸。7~8割程度織り終わった段階での糸不足は、まさに「帯に短し、たすきに長し」。嫌な思い出が何回もあります。



緯糸の必要な長さの算出のしかたの復習をしてみようと、本棚から、20年以上前の本を取り出してみました。基本的な整経長、糸の必要量の計算式はどの本も同じ。でも、

「計画寸法、できあがり丈、織り上り丈、仕上り丈」「織り幅、筬幅、筬通し幅」「ゆるみ、織り縮、ちぢみ」・・・・言葉がそれぞれ違い、同じ事の様で、なんだか違う。

それぞれ本の公式とおり、あてはめて計算すればよいのでしょうが、微妙な違いが気になります。


以前は、しょせん誤差があるのだからと、おおざっぱを決め込んでいました。
が、やっぱり計算できたほうがいい。自分なりに理解はしておきたい。



どうやら微妙な違いは3つの縮みのとらえ方

今更かもしれませんが、

① 織り縮み 経糸と緯糸が交差することでうねる分量。
経糸は、「織り縮み」。緯糸は、「ゆるみ」と書かれている。   
英語では、「Take up」 直訳すると「吸収する。縮める。」「織ると取られてしまう長さ」という語感ですね。
約10% 組織や糸の太さで異なります。

② 縮み   筬に通した幅と同じ幅に織れていても、機からおろすと縮む分量。        
計算より経糸本数は少し多めにすると書かれている場合もあるようです。
英語では、「Draw in」 「引き込む。」という意味。洋裁では、「水につけたら幅が引いた(=狭くなった)」と言ったりします。縦方向に縮んだ場合には使わないような気がします。
約3~10% 糸の撚り、性質や組織で異なります。

③ 収縮  糸の縮み。湯通し、水通ししたときの糸自体の縮み。
日本では、織る大きさを決める前に加えるか、Ⅰで一緒に見込むようです。
英語では「Shrinkage」は糸の収縮。約5~10%。素材によって異なります。
縮絨は「Millimg」。


結局、10cm角のサンプルを試織して、密度や収縮率、糸量を算出するのが最も確かという事のようです。


これから織るサマー&ウインターのブランケットの縮みの予想をたてると

「Take up」>細番手で柄糸もやわらかいので、平均的な10%
「Draw in」>幅が広いので、5%
「Shrinkage」>縦は、ウールの通常で10% 緯は、手紡ぎウール単糸なので15%

これで、緯糸長さを算出、糸を決めることにします。



参考書籍; Leaning to Weave  ;  Deborah Chandler 著
        Weaving  A Handbook of the Fiber Arts ;  Shirley E. Held      







 







2012年3月10日土曜日

サマー&ウインターの試織

サマー&ウインターを織ってみることにしました。

「6枚以上の綜絖で一番楽しい織り方は、サマー&ウインター」という記述をあちらこちらで見かけたので、まずは、4枚で試してみることにしました。

組織と糸番手のバランスを確かめたいので、柄は、Handweaver's  Pattern Book からチョイス。

試織の規格  縦、緯地糸 ; 梳毛ウール1/10  筬;60目/10cm 

サマー&ウインターの織の基本として、
1.組織としては、この経糸と緯糸が作る地組織の平織の間に、柄糸が織り込まれる。
2.平織は、スクエア規格(つまり縦横が同じ密度)に設定すること。
3.柄糸は、地糸の2倍前後が太さの目安。

この柄糸のみを変更し、何タイプか試織し、地組織の糸は、変更しません。


織り上げて、湯通し(簡単な縮絨)した見本


 ①編み物用 並太 紫糸;

機上では、ふっくらとしたいい感じ。
アクリル混の糸のため、
湯通しをしたら、ぺちゃんこに。

使えない




②用途不明 ロービング状 極太 シルバーグレー糸;

明らかに太すぎ。
縦緯の地糸が平織になる左の白い四角に締まりがない。
ただし、グレー糸の風合いは出ました。




③ハンドスパンウール 2/3程度;

ちょうど良いバランス。
湯通しをしたら、ふっくらとボリュームアップ。
さすが、ウール100%






④編み物用 段染めモール糸とモヘアの撚糸;

重くて編み物には不向き。縦糸には使えず、これ単独の緯糸だと安定しない困った糸。
この織り方なら、糸の表情や風合いが生かせそう。

ただし、縦と緯地糸は番手アップして、密度の調整が必要。



まとめとして
緯の柄糸には、通常の織や編みでは扱いにくい太い糸が使えそう。また、最近流行の多色の変化のある編み糸も使えそうです。

サマー&ウインターは、この織り方の特徴でもある単純な柄構成に少し変化のある柄糸を組み合わせるのがよさそうです。