2012年12月26日水曜日

年末年始のお休みにします

綾織は年内には終了すると思っていましたが、あらためて種類の多いことに気づきました。
ポイントツイル(山通しの綾織)あたりから、欧米の特徴的な組織の織り柄が始まり、展開していくようです。
再スタートの手織りですから、じっくりと進めることにします。
 
 

 
今年後半に心に残ったことば


私がここにいるのは東洋で生まれ 運命が私を東と西の間に 投げ入れたからです

私にとっての東と西  西洋が男なら東洋は女性 

私は東と西を結婚させたい

バーナード・リーチ(1887~1979)
東と西との出会い 生誕125年 バーナード・リーチ展
2012.8.29-9.10 日本橋高島屋にて

 
 
 
どうぞ良い年をお迎えください。

2012年12月24日月曜日

モミの木に願いを


 
モミの木を織っていたら、「いつまでも緑であってほしい」と、思いました。
 
地球温暖化で、「雪もなくなり、枯れることがないように」と、1枚織りました。

 
そして、2011年3月・・・・目に映る木々の緑は何も変わっていない。
でも、見えないモノで違う世界になりました。

木々の声は聞こえますか?

今年は、星をひとつ かざりました。

Merry Christmas

 








2012年12月21日金曜日

チューブ織上り


年末も迫ってきます。急がないと・・・・

最初にチューブのサンプルを織ります。ペダルの踏み順とシャトルの方向を確認して・・・・上下同本数を整経したので、端で同じ動きになる2本があります。下の布になる1本を切り、はずします。

さて、製織開始。



まずは、緯糸を赤で上下別々に11cm程織り、上の緯糸を緑に変更。下はもう1cm織ってから、緑にかえます。緑は10cm織ります。(追記;仕上げてみたら、緯糸の赤は6cm、緑は5cmで良かったようです。)

さて、シャトルを1丁にして、チューブにします。

ペダルの踏みかえと筬打ちのリズムを気にしながら、ひたすら織ります。それなりに上手に、手早くなるようです。

消防車のホースもこのやり方で織られているとのこと。クロスビームに巻取りながら実感・・・そっくり。
引っ張ったり、こすったり、日光にさらされる用具は、丈夫で強度がある 天然繊維+織+加工 が多いようですね。

最後は、だんだん細くします。筬が使えないので、板杼に変えます。

織りあがりました。全長190cm。


胴体にペレットをつめ、口に舌をはさみこみ、目をつけて・・・・シッポはどうしよう?
早く年賀状用の撮影をしなくちゃ。
言い伝えによると、「アオダイショウ」は、守り神。
 
使用組織;二重織
仕上りサイズ;×190×5cm+三編み12cm+フサ20cm
使用糸;経糸 コットリン28/2(廃番) 緯糸 コットリン22/2
使用筬;35本/10cm 8本入れ
上布;G=グリンとR赤 縞経(GGGGGGGGRR)×7レピート+GGGGGGGG 計78本
下布;Y=イエロー 計77本





2012年12月18日火曜日

チューブが織りたい

急いでチューブ(筒)が織りたい。二重織の織り方でシャトルを1丁にして上下を交互にグルグルと織れば、筒になったはず。二重織は、海外でも日本でも一般的な織り方。

書籍を参考にして、二重織を組織図から理解するのは、私には難しすぎたし時間もない。理屈を思いだして、いきなり準備して・・・・・織ることにします。

 
それぞれ動きの違う経糸4本をイメージして、「2本で上の平織の布を、残りの2本で下の平織の布を織る」と考えると何とかなりそうです。

覚えていたことは・・・・経糸は上下二枚分だから2倍にしておかないと、できあがった織物の密度は半分になる。綜絖通しは「順通し」。上の平織は1、3の綜絖にを通し、下の平織は2、4の綜絖にを通す。

 
A.上の平織を織るとき、上の布の1をあげる。3をさげ、下の布を織るもさげる。緯糸を通す。
B.平織は交互なので、上のさげた3を今度はあげる。あげた1をさげ、下の布を織るはさげたまま。緯糸を通す。

C.下の平織を織るとき、上の布を織るをあげ、下の布用の2もあげる。4をさげる。緯糸を通す。
D.平織は交互なので、上の布を織るをあげたままで、下の布用のさげた4をあげる。あげた2を今度はさげる。緯糸を通す。

この順番だと、上の平織の緯糸を2段織ってから下のを2段織ることになり、チューブにできないし、緯糸の打込みが均等にならないので、A→C→B→Dの順番にしたい。が、上の平織を先に織ると下が見えないので、C⇒A⇒D⇒Bにする。緯糸はグルグルと上下を交互に通していく。これで何とか織れそうです。

 

シングルタイアップしたジャックルームでは、ペダルを何本か同時に踏むことにより自由に縦糸の組合わせをかえて織ることができるようです。綜絖を下げる必要もないですし・・・私も、一度ジャックで織ってみたいと思うのですが・・・・

私のは、カウンターバランスなので、綜絖バーとペダルをにらみながらタイアップして織り始めます。

ステックを使って経糸を数えて自由に柄を織ることを試したことがあります。手芸のような細かな仕事は、私には不向きでした。

2012年12月14日金曜日

綾織#5 8+2枚綜絖 オペラ色のマフラー

ブラックの経糸がマフラー1本分残りました。

年末は、華やかな夜の気分の色。

オペラという色は、確かピンク味がかったレッド。
この時期にブラックに誘われて合わせたくなる色彩。
赤が飛んでしまい、紫味になったり、白っぽくなったり・・・・素直に写真には写らない色でした。

 

ミミをアクセントにできないかと考えてミミ糸の色を選びました。

織始めたら、下手なので緯糸の返しが揃わず・・・

素朴な飾りブレードのような可愛いミミになりました。(本人も賛否両方を感じています。)


綿密に計画して織り始めたつもりなのに、予想もしていなかった効果に出会えたりするのは何とも面白い。


柄は、前作同様にペダル順をかえて作りました。編物のケーブル(なわ編み)のようにも見える柄です。






カシミアに似合いそうな柄です。
経糸と緯糸、どちらもやさしい色彩を選べば、新春から春先にかけて良さそうです。
 
  
 
ピンクに写っていますが、本当は、もっと赤味です。
 

使用組織;The weaver's Book of 8-Shaft Patterns P.22 #66 Carol Strickler 著
仕上りサイズ;28×130cm(フサ11cm×2)
使用糸;縦糸 アルパカ混 2/14//2
緯糸 ウール2/10//2
使用筬;60本/10cm 2本入れ
ミミ糸;ウール2/10//2 8本×2


2012年12月11日火曜日

綾織#4 8+2枚綜絖 ブラック&ホワイトのマフラー

織り進むと抜けるように切れてしまったアルパカ混の黒糸。ミミはウール糸を使い平織にして再度織ってみることにしました。


柄は、前作の8枚綜絖のタイアップでペダルの踏み順を変えて作ることにしました。

アナログ世代なので、
まず、組織図をペダルごとに細く切って、できそうな並び順の見当をつけ、
パソコンを使ってレピート展開。色々できました。

残念ながら、浮きや飛びが少ない組織ではっきりした柄は1/3の綾のみでした。




あとは、組合わせ方とバランスを考えて・・・

緯はミミとの関係から白のアルパカ混。
黒と白のコントラストに負けず素材の良さが見せられるとよいのですが・・・・

ミミがしっかりしたので、織は特に問題なく進みました。それにしてもデリケートな糸。




仕上げて、風合いが出たらそれなりに柔らかな表情になりました。



使用組織;The weaver's Book of 8-Shaft Patterns P.22 #66 Carol Strickler 著
仕上りサイズ;28×130cm(フサ10cm×2)
使用糸;アルパカ混 2/14//2
使用筬;60本/10cm 2本入れ
ミミ糸;ウール2/10//2
ミミ本数;10本×2




2012年12月1日土曜日

綾織#3 8+2枚綜絖のメンズマフラー


結局、糸を変更して織ることにしました。


濃い経糸の部分でのシャドー効果と薄い経糸部分での柄を見せる効果は欲しい・・・さて、緯糸はどうするか?

当初は、縦緯の糸は同色でモノトーンの予定でしたが、黒は染糸のチャコールになり、もの足りないし、何だか硬い印象。

少し青みのある不思議なグリーンを選びました。
これは、タフタの色。彼女のドレスの色?


問題のミミは、綜絖を2枚追加して平組織にしました。

緯糸2本を同口に入れている平織なので、正式名称は「さなだミミ」ではないか?と思います。バランスもよく安定してミミの役目を果たしてくれました。



あわせるなら、やっぱりブラックのコートです。
皮か、がっちりと目のつまった生地のコート。
手織りだなんて知らぬふりして、ダンディーにお願いします。
 
使用組織;The weaver's Book of 8-Shaft Patterns P.22 #66 Carol Strickler 著
仕上りサイズ;36×136cm(フサ12cm×2)
使用糸;アンゴラ混 2/20
使用筬;80本/10cm
縞整経;42+132+128本
ミミ本数;4本×2

2012年11月23日金曜日

綾織#3 8枚綜絖のミミ付き試織

 
織りにくい糸とミミの問題が重なりました。
まずは、ミミ・耳・セルベージorセルヴィッチ・selvedge! を解決したい。織りやすいウール2/5で、ミミ付きで試織です。
 
ミミの仕上りが命ともいえるストールやマフラー、タオルにとっては死活問題。(←ちょっと大げさ?)
二重織は普通は平織ですし、地組織(Tabby)があるオーバーショットやサマー&ウインターは、たぶんさほど気にせずとも納まるのでしょうが、綾織はクセモノ。
 
8枚綜絖のワッフル織をしている方も多いようですが、ミミはどうしているのでしょうか?



織機も書籍も多綜絖といえば、8枚綜絖(8-Shafts)がほとんど。
ミミ好きで、平織や綾織のミミを付けたい場合は+2~4枚の綜絖が必要ということになりますか?

細番手を織らなければ、端糸をからげて織る方法が使えますから、8枚あれば事足りる。

何だか、調べてみる価値がありそうな話。


写真の左端は、綜絖を2枚追加した平ミミ。(サンプルですが幅は広すぎ)
右は、端糸は綜絖を通さずに絡げて織るフローティングサルベージ。



多綜絖の試織用に小型の織機が欲しいと思っていました。
本番機がカウンターマーチの場合、試織でミミ組織とテイクアップの確認がしたいとなると、タイアップの確認がもちろん必要で・・、長さもある程度必要で・・・・・綜絖1枚にレバー1本式の卓上機では難しいということになるようです。 
 

最後に、もう一度、なぜ試織が必要か?(困ったことに、私が時々試織をしない理由は不明。)

1.密度や風合いを確かめ、仕上げも試す。
2.組織や色の出方のバランスを見る。
3.糸の状態や織りやすさを確かめる。
4.ミミ組織と本体とのテイクアップ差やバランスを確認する。

え~と、ほかに追加事項はありますでしょうか?

組織;The weaver's Book of 8-Shaft Patterns P.22 #66 Carol Strickler 著


 

2012年11月20日火曜日

綾織#3 多綜絖は試織すべし

3枚目の綾織は、8枚綜絖のストールを計画しました。

織幅は、58cm。 使用糸は、アルパカ混 2/14
組織は、ストレートツイル(順通し=12345678 12345678 1・・・・8枚綜絖なので)の変形綾織

ストレートツイルは基本だから簡単と思っていたのは大間違い。最初の問題はミミでした。

1.8枚綜絖で順通し、踏順も順番なので7本も飛ぶ?いいえ、4本でした。が、何もしないとミミはグズグズ。

2.フローティングサルベージ(浮きミミ)は糸が細すぎて使えませんでした。

3.あわてて、左右に平織のミミを付けることにしました。(+綜絖2枚)

4.織始めると、ペダル順に1357 2468と踏む場所があり、平織のミミは役立たず・・・織れない。

5.タイアップ(=柄)を変更し、ミミ部分は何とか許せる状態になったのですが、織り地の左右の黒の経糸部分が伸びる。織り方が下手なのかもしれませんが、黒糸とグレー糸の伸度と強度は明らかに違う。

 

この失敗から学ぶこと  多綜絖は、試織すべし  

以前に読んだHPが見つからないのですが、確か・・多綜絖を愛用する人は約80%が毎回試織する。ミミも付けて試織する。いわば試織マニアだという。

なぜそんなに試織するのか?FAQにもミミについての質問が多い・・・?不思議でしたが、このことでしたか・・


まあ、やっとミミを考えるレベルに入ったと喜んで・・・・記念撮影をして、経糸を切ります。
 

織の組織
写真上;The big book of weaving P.148 Laila Lundell著
    写真中と下;The weaver's Book of 8-Shaft Patterns P.22 #66 Carol Strickler 著


2012年11月16日金曜日

古い北欧機に8枚綜絖を吊りました

織機ではなく部品(カウンターマーチ/天秤)を6月に購入して、はや5カ月。

購入したマニュアルや解説本もすっかり読み終え、サポートも有なので、困ることも躊躇することも何もなかったのに・・・・何をしていた?

(カウンターマーチのタイアップのマニュアル本については、2012/10/2のブログを参照してください。)



公開するほどのこと?とも思ったのですが、記録しておくことにしました。

1.旧型の織機のため、カウンターマーチ取り付けのための加工が必要で依頼先を探すのに手間取りました。自社以外の織機の修理や加工をしたがらないのは、当然といえば当然。

2.平織をしていたので、綜絖やペダルの微妙な位置の調整がしたくなる。4枚綜絖ならカウンターバランスのほうが簡単。開口の大きさの調整も簡単。で、カウンターバランスに戻してみたりして。
もしかして・・・織ることができる多綜絖の組織に制約ありですが、ドレルプーリーは優れもの?
そして・・・左右のバランスを気にする「ホース/ニックピン」よりも「ろくろ」の方が優れもの?

3.ペダルのタイアップ。昔からの麻のイタリアンコードは、上から結べてほどくのが簡単。(←ただし、ループと結ぶワザが必要。) システムコードとアンカーピンは、付け外しが少々手間ですが張り加減がわかりやすい。伸びたりゆるんだりもないらしい。こんなところで悩んで結局、混在中。

4.ついでに、購入時期や使用頻度などで微妙に長さの違う綿の糸綜絖を分別してシャフト毎に振り分け直し。全てポリエステルへドルに買いかえれば伸縮もなくて確実なのに。

5.綜絖バーが厚いので、筬位置での開口の大きさを揃えるために調整し直すこと数回。

 
そのつもりはないのですが・・・・他のものなら、新機種に買い替えるのが賢明なのでしょう。

システムキッチンは、家族みんなの役に立つ。
ミシンは、「毎年、夏服とスカート〇着+エプロンを〇枚」とか、換算しようとすればできる。
織機は、マフラーやひざかけ、ラグ・・・・・何を何枚織ると言えば、家族は納得してくれるのでしょうか?



2012年11月10日土曜日

洋書;手織りの準備と機の基本についての入門書

Learning to Warp your Loom  直訳すると「経糸のかけかたを学びましょう」 

今回、手織りを一からやり直してみようと思った時に選んだ4冊のうちの1冊です。

織機の部品を取寄せたときに一緒に購入しました。
北欧の機の準備も、新しいやり方があるかもしれないという軽い気持ちでのオーダーでした。


著者は、Joannne Hall。米国人で、ミネソタ大学のテキスタイルデザインの修士課程を修了。大学で教鞭をとった後、教室を主宰して数多くの人に教えているという方です。
現在は、スウェーデンの織機メーカー(グリモクラUSA)に関係しているので、この本は、このメーカーの織機のマニュアル本と思いたいところです。が、卓上機から高機まで共通して必要とされる知識が詰まっていました。50ページのリング綴じ仕様。


最初のページは、
卓上織機、ジャックルーム、カウンターマーチ、カウンターバランスのイラスト入りで4種類の一般的な手織り機が紹介されています。
手織り機に関する用語説明に始まり、縦密度の決め方、一般的な太さと密度の表(Sett Chart)、手持ちの筬で欲しい密度にする通し方(Reed Substitution Chart)など。

そして、一般的な手織りの説明本にも載っていることと、機がけのやり方は、
綜絖通し、踏み木、タイアップの読み方、計算方法や記録の付け方.。
整経、仮筬と粗筬、巻取り、綜絖通し、筬通しは、Back to Front式の 「トラディショナル式」の機仕掛けのやり方にそって説明されています。
システムコード(Texsolv Tie-up Cord)のタイアップや綜絖の扱い方、イタリアンコードの結び方は、他の本では見られない実践的な内容です。

それぞれの著者が、長年培ってきた「やり方」を知ることができる・・・マニュアル本を読む一番の醍醐味かもしれません。

次に、織始めてから知りたいこととして、
経糸切れ、綜絖通し間違いの対処法。シャトルとテンプル(伸子)など不可欠な道具の使い方と選び方。長さ(インチ/センチ)や重さ(ポンド/グラム)の換算表。手織りの専門用語集付き。

最後に、織機の種類と特性について、
テーブルルーム、ジャックルーム、カウンターバランス、カウンターマーチそれぞれの織機についての基本知識。織機のもっとも重要な部分=綜絖の機能(開口)をメインにわかりやすく解説してあります。
本のタイトルからは、まったく期待していませんでしたが、確かに疑問に思うし、知りたいこと。

なかでも、日本では情報の少ないジャックルームについての記述は一読の価値あり。(←たった1ページですが・・・やはり、本場アメリカ。)
「ジャックルームはペダルを踏んで下がる綜絖がない。ジャックルームの綜絖は上がるのみ。」という見分け方の説明。わかっているけれど見落としがちな点です。これがジャックルームの特性であり、メリットとデメリットを理解するスタートなのだと納得させられます。
一見しても判別できない中古や国内販売していない機などの確認に役立ちそうです。


初回用として手順説明を兼ねたハンドタオル以外、織の組織や作品は一切載っていません。織物教室で、たぶん、一番最初に知っておくべき基礎が書かれた本です。

お教室の初日にこの本をわたされて、「これから一緒に手織りを勉強しましょう」と告げらえたら、それだけでワクワクすると思います。きっと帰りの電車のなかで、夢中になって読みふける・・・そんな自分の姿が想像できます。

Glimara-USAへ直接注文になります。
 
先日、グリモクラ社と取引があるという会社からコメントを頂きました。(株)新井清太郎商店tel 045-681-6726
この本も取扱っていただけるとよいのですが。できれば、和訳付きで。 織機や機仕掛けについての説明書が本当に少ないと感じてます。
結局、必要とする人がいないということなのでしょうか・・・・・?



2012年11月2日金曜日

綾織#2 千鳥格子のひざかけ

千鳥格子は、本当に不思議な柄です。
綾織で縦糸と緯糸に同じ2色を使うだけで柄が浮き上がる。平織のログキャビン(網代格子)も同じ手法。
綾織なので、変化のある糸を使っても効果がありそう・・・・要するに、奥が深そうです。


千鳥格子は、柄を大きくしても、色を鮮やかにしても、「私は服地」と、主張し続けるようで何とも落ち着かない気分。ウール地のスカートやスラックスを愛用した世代の先入観でしょうか?

容易にインテリア布地の顔にはならないようです。
クッションカバーならアクセントとしてかわいらしく使えると思いますが、ひざかけとなると、かなりモダンなインテリア向き・・・・?

物足りないと感じていた風合いは、白糸の番手を細くしてモヘアと引き揃えて使用。
グリーンはアクセントとして両端のボーダーにしました。

織上りサイズ:86cm×140cm(フサ10cm×2)
使用糸:ピンク ウール2/5、 白 ウール2/7 // タムタムモヘア
縦緯の密度:40本/10cm
重さ:430g





織っていると次作のアイディアが浮かんできました。
・ウールと光沢糸を使って、素材のコントラストで見せる。
・地色に5~6色の柄色を入れて、経糸と緯糸が同色になる所が目立つように配色する。

でも、どのアイディアを試しても、「私は服地」と、主張するような気がします。
英名の「猟犬の牙:hound's tooth / ハウンズ・ツゥース」という名前がふさわしいように思えてきました。


2012年10月26日金曜日

綾織#2 千鳥格子の試織

秋のブーゲンビリアは、季節はずれ。
淡いピンク色の株を選んだつもりが、華やかなピンク。 

この色味を拝借して、千鳥格子のひざかけを織ってみることにしました。
残っていた染料と素地糸のウールで何とかなりそうです。

化学染料のウール染めはしたことがあるけれど・・・・さんざん手こずって、やっとサンプル織り。

が、気に入らない。

糸の太さがよく市販されている並太ぐらいだから?・・・・なんだかアクリル毛糸のようなツヤを感じます。

何とも高級感がない。
(左の写真は、赤みに写りました)


日本では、プラスティックカラーとか、蛍光色とか呼ばれたりしている色味が原因?
スウェーデンのウールの色見本(かなり古い)には鮮やかな色が豊富。安っぽい感じもしません。よく似た色もあり、「大きな違いはないのに・・・」と思っていました。
 
でも、この写真(下)をみてビックリ。明るい部分や影の色味が違う。 確か「色」は目に映る反射・・・ 

2012年10月19日金曜日

綾織#1 ほどき糸のスモールブランケット

編み物が好きだった母のために、昔々、父がニュージーランドのお土産に買ってきた糸です。
ずっとセーターでした。ほどいてマットにでもするつもりでしたが、暖かいひざかけになりそうなので、織り始めました。所々に糸が弱くなっている部分がにあり、ツギハギです。



素材に味があるので、できるだけシンプルに。
軽く仕上げたいので、規格は粗め。
番手は2/4前後。35本/10cm。織り幅105cm。
空気を入れてふんわりと織るのは、綿や麻とは大違い。
苦戦です。







両端は、「floating selvedge/フローティング サルベージ」 (←直訳すると「浮き耳」。和名をご存知の方は、教えてください。)
両端の各1本は、綜絖を通さず、その都度シャトルをくぐらせる方法です。綾織の場合、普通にそのまま織ると、経糸がはずれる段ができてしまいます。今までは気にしませんでしたが、今回は糸が太いので試してみました。
多少手間はかかりましたが、きれいに整いました。

長さ60cmの板杼も作ってみました。木肌が気に入ってヒノキにしましたが・・・厚みもありすぎ、で重い。

 
織上り 幅96cm 長さ126cm(フサ10㎝×両端込み) 
 
起毛仕上げにしたいのですが、海外では専門店に依頼するようです。
「毛立ての実(先のとがった松ぼっくりのような実)」も入手できないので、金ブラシでガリガリ?


2012年10月16日火曜日

平織 終了


平織、ひとまず終了です。

「仕上げは、お湯でマシンウォッシュ(洗濯機洗い?)せよ」と本には書いてあるのですが、手洗いにしました。

仕上げてみると、織り上がった時の印象と違います。たぶん、使うとまた印象は違ってくるのでしょう。

次は、綾織です。

2012年10月12日金曜日

平織#4 ログキャビンのランナー

先日のサンプルから素材と色の気に入ったクオリティーで、ランナーを織り上げました。
織上げ幅;50cm 織上げ長;270cm
ログキャビンと無地で格子柄にするは、海外の雑誌などでよく見かけます。
 

 
ライトブルーは、シルキーとかシルケット加工と呼ばれる光沢の加工をした綿糸です。
ホワイトは、未晒の綿糸を湯通しし、生成り色を残して使用しました。
 
 
 ログキャビン(log cabin :丸木小屋)は、濃色と淡色の組合わせで見せる柄なので、男っぽくごつい印象になりがち。

濃淡のバランスが大切なようです。コントラストがきつくなりすぎるとチラチラします。

単純な平織なので、使う糸にニュアンスが欲しい気がします。


今回は、「ナチュラルな生成り地に、光沢のあるライトブルーの糸が輝く」を狙ってみました。

この写真で、効果のほどは・・・わかりにくいですね。

2012年10月9日火曜日

平織#5 リング糸のひざかけ 

親戚の方へのプレゼントのひざかけを織りました。



使用した糸は、多色染めのループ糸。

所々にリングのような大きなループがある糸なので、仮筬ではなくラドル(粗筬)を試してみました。

金綜絖の場合は、綜絖子の目と相談が必要な大きさです。



ラドルは、自分で釘を打って手作り。経糸を入れた後、平ゴムをかけて止めます。

さて、ラドルをどこに取り付けるか?
整経長が短いので、バックビームの上に置きたいのですが、丸みと塗装のため滑って不安定。周辺を見まわして、上の横木にしました。(右の写真)

身長が165cmぐらいあれば普通にできるのでしょうが、 高下駄がほしい感じでした。


経緯糸;AHSループ 1/2.5 株式会社シラカワ
密度 ; 30本/10cm
織上サイズ;80cm×92cm
仕上りサイズ;70cm×110cm(フサ込み12cm×両端)
仕上りの重さ;185g
使用した糸の重さ;250g



※綜絖に引っかかりそうな糸の大きなツブを気にしすぎて、リング糸のひざかけと名付けてしまいました。
織りあがりも、この部分が効いていて普通のループ糸と一味違ったので、うっかり・・・・すみません。(10月10日追記)

2012年10月5日金曜日

ジャックルームの機仕掛けがあるはず


「仮筬がうまくいかなかった」と落葉松さんがおっしゃるので、仮筬通しをしている写真を掲載してみました。

仮筬のコツは、軽くテンションをかける(=糸を引っ張る)です。絡みそうな部分がなくなり、きちんと整列し、綾の順番も整います。

さて、私は、米国の「Learning to Warp your Loom 」で説明されているトラディショナルの方法の中から、 織機上で仮筬をするやり方を参考にしています。

手を動かしながら、このタイプの織機は、産業革命以前は道具というよりも立派な機械だったのでしょう・・とつくづく思いを馳せます。


その点、家庭用として発達したと言われるジャックルームなら、もう少し手軽にできる方法があるはずでは?と思いついたのが、まさにブラックホールの入口でした。

1.仮筬をすると、先にビーム(男巻)に巻いてから、綜絖通し→筬通し(後ろから前へ)となりますね。綜絖を左右に寄せて間を通して巻くと、全幅ができない。つまり、寄せた綜絖の分だけ巻ける幅は狭くなる。これは、おかしい。では、綜絖枠をはずす?

2.前から後ろのビーミング(筬通し→綜絖通し→結んでビームに巻く)なら、幅の問題は解決します。綜絖枠があるジャックには、適したやり方だと思います。
でも、このやり方は、モヘア、スラブ糸の場合は、糸に負担がかかりすぎるようですし、ネットには、巻取り時に経糸切れが多いと書いている人もいます。

3.ジャックでは、粗筬が標準装備されている場合もよくあり、粗筬を置くための部品も織機についてたりするらしい・・・綾返しの手間もなく、一番ジャックに適しているようですが、やり方はいろいろありそうで・・・はて? 日本式を参考にすれば、できるような気もします。 

4.でも、本場アメリカでのはどのようにしているのでしょうか?


実は、今まで和洋折衷のビーミングしていましたが、現地方式に変更して、至極快適、確実です。
織機を設計した人は、やり方を考えて設計しているはずから、お勧めもあるはず・・・もう少し、調べてみると


出版社INTERWEAVEのWEAVING TODAY SHOPでDVDを販売していました。

「Warping Your Loom」(←検索してください)
編集長のMadelyn Van der Hoogt さんが、デモテープでジャックルームを前にして「手織りは大好き。ただし、ビーミングを除いて・・・・でも 」と言っています。3タイプの機仕掛けのやり方が見られそうです。

DVDをご覧になったことがある方は、コメントを頂きたいです。

今の気分は、DVDとジャックが欲しいです。実際に試してみたくなる・・・・悪い癖です。

2012年10月4日木曜日

越前和紙で織られた洗顔クロス

美顔ケア、洗顔用品、ほとんど意識していません。でも、買ってしまいました。この洗顔クロス。


角質の除去、皮脂汚れの吸着、血行促進、敏感肌の方に、赤ちゃんに、いろいろ効用や使い方はあるようです。

和紙の糸と絹で織られた100%天然繊維。越前和紙で織られています。
細かくてしっかりして、硬いように見えるのですが、とてもやわやか。もったいなくて、使えない・・・

シャツや靴下など、いろいろあるようです。
詳しくは、「風雅すたいる」 http://www.fugastyle.jp  和紙繊維とは



さて、和紙と言えば、日本?中国?
手織りの世界では、スウェーデンの作品集でなぜか良く見かけます。ペーパーヤーンの間仕切り、テーブルランナー、マット・・・ 欧米のテキスタイルデザイナーで、紙糸を探しに来日する方もいるようです。

個人で手織りするのなら、和紙を切ってこよりにすれば織れます。と、アドバイスを頂きました。

お正月用に、和紙を使ったテーブルランナーやランチョンマットを織るのも素敵ですね。


2012年10月2日火曜日

カウンターマーチ(天秤式)織機のタイアップのマニュアル本


先日のログキャビンの試織は、経糸の配列の都合で6枚綜絖にしました。いいかげんに2枚追加したら、全部の綜絖の位置が8cmもさがり、あわてました。原因は、綜絖とペダルの重さの関係でした。

使ったことはないのですが、タイアップの簡単さという点では、1900年代にアメリカで卓上の趣味用の織機から発達したと言われるジャックルームの方が気軽に楽しめるような気がします。細番手、高密度など苦手な織もあるようです。

さて、カウンターマーチを購入した時の説明書よりも、もう少し詳しい書籍はないかと探してみました。納得できたのは洋書。あげく海外から取り寄せるしか手に入らない本!


「THE BIG BOOK OF WEAVIHG」  LAILA LUNDELL著 

8月29日のブログでも紹介しました。北欧の織機と手織りの入門書としては、比較的入手しやすい本です。カウンターマーチの詳しい説明を期待したいのですが・・・

織機や織り方などの基本は入門者向けにカウンターバランス式を用いて説明しています。カウンターマーチについては、構造とタイアップとそのポイントについて4ページ半の説明があります。自分でタイアップをかえたり調整しようとすると、もう少し実践的な手順や説明が欲しいような気がします。


「ウィービング・ノート」 岸田幸吉著  新技法シリーズ 美術出版社

水平式の構造とタイアップのやり方について、わかりやすいイラスト入りで2ページの説明があります。綜絖の重さととペダルの重さが関係することやタイアップの確認の仕方が書いてあります。
タイアップは、従来のルームコードを使ってのやり方です。現在は、改訂版になっているかもしれません。



基本的な織機の準備や仕組みはわかっている人向けに、カウンターマーチのタイアップに絞って実際に即した具体的な説明書を、と思うとこの本です。


「Tying Up The Countermarch Loom」 Joanne Hall著

海外では、説明書のない中古の織機を購入した場合などに役立っているようです。
スウェーデンの床置き型手織り機の水平天秤式と垂直天秤式の基本的な構造の説明から始まり、使用する用具類、綜絖の準備、適した位置にセットする方法が具体的にかかれています。システムコードについても、それぞれの長さや通し方とつるし方、ピンの使い方もイラスト入りでわかりやすく、丁寧に書かれています。

さて、説明書通りにコードもつなぎ終わり、一番気になることは、これで良いのかという事。ロックピンを外してバランスをみて、ペダルを踏んでみて・・・チェックすべき点は?直し方は?という疑問に答えてくれます。
全部の綜絖が沈んだ時、1枚だけが沈んでしまった時、許容範囲、アンバランスなタイアップのケースの対処方法などが載っています。

Warp Sett Chart(経糸の番手と標準密度の表) と Sleying Reeds(筬密度の表)もついています。

34ページの小冊子ですが、自分で織機を確実に調整して、頭を織物に集中させたい方にはお勧めです。図も豊富に入っていますが、やはり読まないと詳細は伝わってこないようです。

和訳でほしい1冊と思いますが、先生に直接教えてもらうのが一番確実、近道です・・・よね。


 Glimara-USAへ直接注文になります。

2012年9月26日水曜日

平織#4 ログキャビン試織

書籍「Leaning to weave」の「Lesson 6」は、平織。平織の密度変化や太さの違う糸を織るなどの課題が6つあります。

この中から、log cabin(ログキャビン)の色の組合わせのサンプルを作ってみることにしました。
「3インチ程度の織り幅で、3タイプの組合わせを織りなさい」という課題です。

①ハイコントラスト (例;黒と白)⇒紺と白で試します。
②中程度のコントラスト(例;黒とライトグレイ)⇒紺とライトブルー
③微妙なコントラスト(例;黒とダークグレイ )⇒紺とグリーン



同系色を選んだので、失敗はありませんが、面白みもありません。

①は、チラチラして目が痛くなりそう。





平織で試しておきたい糸がありましたので、使用しました。

10/2 綿 シルケット加工糸
絹のような光沢があり、高級感があります。
手織り糸の店では、販売しているケースが多いようです。染めた糸もあり人気商品のようです。
撚りがZ撚りです。織糸は、S撚りという話を聞いたことがありますが、真偽は不明です。


結局、次の5行になりました。 密度は、100本/10cm です。
⑤左下 ④左上(打込みが増えている部分)

写真;経糸は右、緯糸は上から順番に

③10/2 綿 シルケット加工 紺 + 22/2 コットリン グリーン
②10/2 綿 シルケット加工 紺 + 10/2 綿 シルケット加工 ライトブルー 
①10/2 綿 シルケット加工 紺 + 10/2 綿 シルケット加工 白
④10/2 綿 シルケット加工 ライトブルー + 10/2 綿 シルケット加工 白
⑤10/2 綿 シルケット加工 ライトブルー + 10/2 綿 未晒  


滑りが良いので、機がけは、やりやすいのかもしれませんが、結び目がゆるみやすい。
経糸を強く張ると、滑りの良さも関係して、打込んでもヨコ糸がペダルを踏みかえるときに戻ってきて織ムラになりやすいようです。
滑りが良いので、本来織り込まれていくはずの微妙なテンションムラが出てきて、織際が直線にならない場合があります。

風合い、織り易さ、共に⑤が良かったようです。

絹を織る織機なら、問題なく織れるのかもしれません。

2012年9月21日金曜日

経糸があまったので

平織のローズパス入りのランチョンマットの経糸があまりました。

ローズパスのボーダーを思いつくままに入れて・・・・・

ぬいしろ になる両端の約1cmの経糸は、切って・・・・

緯糸は中央で引き返して、少し幅が狭くなるようにして、左右2枚に分けて織り進み・・・

こんな形に織りあがりました。

機ロス分の経糸を撚って、ヒモも2本できました。

底とワキを縫い合わせ・・・
クチの部分を折り返して、縫い・・・
ヒモを通して・・・・・



 
できあがり!