2013年1月29日火曜日

綾織#6 紺と麻のバック地

織っても、織っても、終わらない。
打込みは約115本/10cmなので、頑張っても1時間で20cm。いつもは慣れてきてスピードアップするのに、今回は一向に進まず・・・。
麻糸は細いので、引き揃えて使用。1本づつ並べて平らに織り込みたいので、シャトルを2本にして合計3本。これも進まない原因。つまり、麻を2本と数えると、約173本/10cm。


そして・・整経長を間違えていたようです。これをお正月ボケと言うのでしょう。

当然のことながら、緯糸が足りなくなり、染料を買いに行き、染め足し・・・・・。
タテヨコの色で柄が現われる織り方は、途中で緯糸の色を変えると、わけがわからない布ができあがりそうだったので、耐える。

やっと、織りあがりました。

計画は1.5m。織りあがってみれば2.5m!

タックを入れた丸味のあるスタイルのバックにしたいと思います。
縫製するのは、もう少し暖かくなってから。
できあがったら、写真は差し替えます。














使用組織;「Color-and-Weave」 Margaret B. Windeknecht 著 P.39 
 
ダイヤ柄;17ポイントツイル(16枚ストレートで17枚目で折り返す・この繰り返し⇒123412341234123414321432143214321234123・・・・)
4枚綜絖 4本ペダル
仕上りサイズ32×250cm
使用糸 紺色 綿シルケット加工 10/2
      麻糸番手不明 2本引き揃えて 綿番10/2と同程度
使用筬 60㎝/10cm 2本入れ

2013年1月28日月曜日

洋書;Color-and-Weave Ⅱ

今、織っているバック地は、この本の39ページに掲載されています。4~8と17ポイントツイルのPCで作成されたマス見本から選びました。

千鳥格子に代表されるこの技法。色糸を配列することにより単純な織組織で複雑に見える柄が織れる方法としか思っていませんでした。平織のログキャビン(あじろ格子)と千鳥格子、ポイントツイル(山道斜紋)を織れば、「この技法はほぼ完了」。この程度の認識でした。

でも、この本では、単純な組織から始まり、複雑な組織や多綜絖の場合、そしてラグやタペストリーの平織や2重織りまで広範囲です。色糸を配列することにより複雑な織組織はどう見えるか・・・

かなり専門的で、たぶん入手しにくい本。どうしようかと迷いました。このような本もあるという程度であれ、今書かないと機会を逃してしまうような気もして、パソコンにむかうことにしました。



「Color-and-Weave Ⅱ」 Margaret B. Windeknecht 著

カーラーアンドウィーブ・・・濃淡の2色(3色の場合もある)を経糸と緯糸に使い、色糸の配列で柄が現れる技法。英語では、「カラード・エフェクト/Colored Effect」「カラー・エフェクト/Color Effect」とも呼ばれる技法です。1色では柄がでない。

白黒で124ページ。どちらかと言えば、研究の成果をまとめたレポートとか論文のような印象です。

濃色と淡色の糸の配列により浮かび上がる柄のサンプルが数多く載っています。PCソフトのMacWeaveⅡを使用した組織図と実際に織られたマス見本の写真です。服地をデザインする場合には役立ちそうです。

前半に登場する組織は、平織、綾織と綾織の変化組織、クラックルやハックなどの柄織りなど。
それぞれの組織グループごとに説明をはさみながら、濃色と淡色の糸の配列を変えることで現われる柄が淡々と順番に掲載されていきます。そして、4枚綜絖から8枚、10枚・・と複雑化していきます。

後半では、Weft-Faced;緯糸による柄表現(タペストリーウィーブ)での柄の現われ方です。ラグなどに用いられる2-TieUnit についても書かれています。

マフラーからラグ、タペストリーまで。この技法を用いて発展させた作品も数点ですがのっています。説明文を読んでどこまで織り方を理解できるか・・・・残念ながらもう少し時間がかかりそうです。


著者以前にもこのテーマに取り組んでいた人はいたようで、著者は、織を学び始めた1974年から、この手法に魅かれたと書いています。当時は、組織図に手書きで色付する方法しかなく、かなりの時間がかかったことは容易に想像できます。その後のコンピューターソフトの発達でと研究は一段と進んだとも記しています。

 
1つのテーマに取り組み続けるということ。尊敬とあこがれです。
日本でも、仕事をしながら、手織りの先生をしながら・・・ホームワークとしてのテーマをお持ちの方はきっといらっしゃるのでしょう。
織物をする方々の層の厚さと熱意をつくづくと感じさせられる1冊です。

2013年1月18日金曜日

綾織#6 ポイントツイルのカラード・エフェクト


ポイントツイルで2色使いのバック地を織ることにしました。

技法は、ログキャビンや千鳥格子と同じなのですが、決まった呼び名は「ない」と思います。

濃淡の2色(3色の場合もある)を経糸と緯糸に使い、色糸の配列で柄が現れる・・・英語では、「カラード・エフェクト/Colored Effect」「カラー・エフェクト/Color Effect」または、「カラーアンドウィーブ/Color-and-Weave」と呼ぶようです。1色では、柄がでてこない技法。

「色糸効果」という訳したいのですが、日本の色糸効果は、チェックや色糸を数多く用いた場合にも使う?言葉のようです。つまり、2色以上の色糸を使っているという意味で用いる?ようなのです。

 



さて、ダイヤの織り柄で、色による柄もダイヤです。
少し大きさが欲しいので17ポイントツイル。
⇒16枚ストレートで17枚目で折り返す・この繰り返し123412341234123414321432143214321234123・・・・)
4枚綜絖、4本ペダル。
分類では、③Expanded twillです。


使用糸は、箱の底に残っていた単糸の麻(番手不明)の未晒糸と綿シルケット加工(10/2)の紺。

この麻糸、触ると軽い咳が出る・・・・? ホコリ?アレルギー? 
まぁ、長さも短いので、織ることにします。


所々に節のある麻糸と光沢のある紺の糸使いなので、日本の伝統の織り物風です。



綾織りのボリューム感を出すには、もう少し太番手が良いのでしょうが、バック地は重たくなると使いにくい。
なので、細番手で密度をあげ、しっかりと薄地に。

イメージは、少々和風の「籠ような夏のバック地」なのですが・・・・。







2013年1月8日火曜日

ツイルの分類

ツイル・・・・・日本語では「綾織」または、「斜紋織」

ポイントツイルは、「山形斜紋織」と訳せばよいのでしょうか? この綜絖の通し方で織れるのは、「バーズアイ」、「ローズパス」、「グースアイ」・・・・一度は聞いたことがある名前ばかり。

「この通し方で織れる・・・・」と、言うのは英語的な表現のようです。「この織り方に分類されるのは・・・・」と、言った方が日本的でわかりやすいかもしれません。

言葉の表現はさておき、名前がついた織り柄は、ほんの一握り、いいえ、ホンの数粒のようです。


透けるような布地から大柄のラグまで、さまざまに変化するツイル。種類は?代表的なタイプは?という疑問から、最近本棚に加わったこの本を参考にすることにしました。


The best of weaver'sシリーズ   「TWILL THRILLS」  Madelyn van der Hoogt 編  

基本のツイルは4タイプに分類されています。
①ストレート;straight → 綜絖通しが12341234・・・のタイプ
②ポイント;point → 綜絖通しが123432123・・・のタイプ
③エクステンデット;extended → 組合わせなどで発展したタイプ
④ブロウクン;broken → 通し順を飛ばしたり、くずしたりしたタイプ

これ以外のタイプとしては、
⑤ファンシーツイル;fancy twills → 変則のタイプ 
⑥アドバンシング アンド ネットワークドツイル;advancing and networked twills → さらに高度で複雑になったタイプ
⑦ツイルブロック;twill blocks → 四角いブロック柄タイプ

※タイアップやペダル順も関係します。詳細は原書を参考にしてください。


この本のシリーズでは、基本タイプ以外の多綜絖(8枚以上)の作品が多く、4枚に置き換えた場合が掲載されている場合もあります。
「多綜絖を使いこなせる。」と、言えるようになるには、タイアップとブロックのセオリー。そして、本命の「柄作成や展開」には専門のPCソフトがあると便利そうです。


さて、①のストレートツイルは、日本語ではなんと呼ぶのでしょう?・・・「斜紋織」と訳す? ツイルは「綾織」? えーと、斜紋織と綾織は同じと思っていましたが・・・・?日本の染織を専門に学んだことがない私には、この疑問の枠から出るのは到底不可能なこと。無理に訳すことはしないで、名称はそのままにします。


昔、よく服地を買った店の御主人を思い出しました。
「絹で織られたのがオーガンジー。ポリエステル製はポリエステルオーガーンジー。きちん区別して言える人はプロだからごまかせないね。ちゃんと対応しないとね。」 事程左様に・・・・


布の名前はデリケート。地域と時代をはらんでいる。