2013年1月28日月曜日

洋書;Color-and-Weave Ⅱ

今、織っているバック地は、この本の39ページに掲載されています。4~8と17ポイントツイルのPCで作成されたマス見本から選びました。

千鳥格子に代表されるこの技法。色糸を配列することにより単純な織組織で複雑に見える柄が織れる方法としか思っていませんでした。平織のログキャビン(あじろ格子)と千鳥格子、ポイントツイル(山道斜紋)を織れば、「この技法はほぼ完了」。この程度の認識でした。

でも、この本では、単純な組織から始まり、複雑な組織や多綜絖の場合、そしてラグやタペストリーの平織や2重織りまで広範囲です。色糸を配列することにより複雑な織組織はどう見えるか・・・

かなり専門的で、たぶん入手しにくい本。どうしようかと迷いました。このような本もあるという程度であれ、今書かないと機会を逃してしまうような気もして、パソコンにむかうことにしました。



「Color-and-Weave Ⅱ」 Margaret B. Windeknecht 著

カーラーアンドウィーブ・・・濃淡の2色(3色の場合もある)を経糸と緯糸に使い、色糸の配列で柄が現れる技法。英語では、「カラード・エフェクト/Colored Effect」「カラー・エフェクト/Color Effect」とも呼ばれる技法です。1色では柄がでない。

白黒で124ページ。どちらかと言えば、研究の成果をまとめたレポートとか論文のような印象です。

濃色と淡色の糸の配列により浮かび上がる柄のサンプルが数多く載っています。PCソフトのMacWeaveⅡを使用した組織図と実際に織られたマス見本の写真です。服地をデザインする場合には役立ちそうです。

前半に登場する組織は、平織、綾織と綾織の変化組織、クラックルやハックなどの柄織りなど。
それぞれの組織グループごとに説明をはさみながら、濃色と淡色の糸の配列を変えることで現われる柄が淡々と順番に掲載されていきます。そして、4枚綜絖から8枚、10枚・・と複雑化していきます。

後半では、Weft-Faced;緯糸による柄表現(タペストリーウィーブ)での柄の現われ方です。ラグなどに用いられる2-TieUnit についても書かれています。

マフラーからラグ、タペストリーまで。この技法を用いて発展させた作品も数点ですがのっています。説明文を読んでどこまで織り方を理解できるか・・・・残念ながらもう少し時間がかかりそうです。


著者以前にもこのテーマに取り組んでいた人はいたようで、著者は、織を学び始めた1974年から、この手法に魅かれたと書いています。当時は、組織図に手書きで色付する方法しかなく、かなりの時間がかかったことは容易に想像できます。その後のコンピューターソフトの発達でと研究は一段と進んだとも記しています。

 
1つのテーマに取り組み続けるということ。尊敬とあこがれです。
日本でも、仕事をしながら、手織りの先生をしながら・・・ホームワークとしてのテーマをお持ちの方はきっといらっしゃるのでしょう。
織物をする方々の層の厚さと熱意をつくづくと感じさせられる1冊です。

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