2016年10月26日水曜日

8枚綜絖で裂織の小さなマット

今年の夏の色は、オレンジでした。

隣家が建て替えで取り壊したために、この夏は、思い切り太陽の陽ざしを浴びた キンモクセイ。
あふれるほどに、金色の・・・・冷静に見れば「オレンジ」なのですが・・・花をつけました。

オレンジ系の布もたくさん裂きましたっけ・・・・。


裂織でマットを織るのは、ほぼ初めてなので、小さなマットにしました。

マットなので、丈夫な「平織」がいい。緯糸を見えたいから、部分的に「綾織」がほしい。と。

結局、8枚綜絖になりました。
平織を元にした「クレープ」の組織。

さて、平織部分の色を変えずに織るとこんな感じ。青色に濃淡があるのは、単なる染めムラ。


新しい家が建てば、今度は、もっと日陰になるキンモクセイ。
より大きく、より早く、より便利に、より簡単に・・・誰もが自分のこと夢中?まして、隣家の植木のことなんぞ・・・・。

組織参考 書籍;「Warp and Weft」  Crepe P.108
枚綜絖 8本踏み木 
筬;45/10cm 1羽空け 
経糸;綿100%レンシル20/2×2 3本引き揃え ブラウン
緯糸;綿裂き布 約15~20mm 5色使用
サイズ;42×68cm

2016年10月18日火曜日

裂織のサンプル織;ウール

チェックや千鳥格子などの中厚のウール100%のスカートやパンツ(当時は、「ズボン」とか「スラックス」とか言う名称でしたが)を着ている人を見かけなくなりました。

この数十年で、化学繊維が急速に進歩したためか? 地球温暖化の影響か?

服地の色柄にも流行り廃りがありますから、ベーシックなスタイルといえども、いまだに着ているという印象を与えずに、この素材を着こなすのは、中高年には、ちょっと無理。

着込んで、少しフェルト化したようなズボンをながめていたら、裂織にしたら・・・と思いつきました。手織りの材料として、太いフェルトヤーンもあるのですから。

木綿や絹のように、裂くことはできないので、バイアスで1.5cm幅に切り、端は斜めにカットしてミシンでつなぎ合わせました。ウール100%は高級品だから少し手間をかけてでも・・と思うのも、年寄りの思い込みか?


さて、前回の「Double weft weave/ヨコ二重組織」で織ってみると、それなり。(写真;左上)

ウールのベルベット(?)のような表情もあり、綿の裂織とは、違う味わい。高級感?
でも、かなり地厚。この厚さは、日本向きとは思えない。







で、単純に平織にしてみると。(写真;右)

バイアスカットの布のテクスチャ―は、いい感じ。
グレンチェックは、霜降りのミックスに。
上下に、織り込んだラグ糸との対比も悪くありませんね。


最後に、ノッティング(パイル結び)も試してみました。

上から抑えつけても、踏んでも、つぶれたままにならず、すぐに起き上がる「反発力」と「回復力」。
ヒツジという動物が生み出すウール・・・で作られた生地は、やっぱり偉大。

2016年10月7日金曜日

裂織のサンプル織;綿

スウェーデンの手織りの本を参考に、昨年の夏前から織り始めたはずが、一向に進みません。
それまで参考にしてきた北米の手織りの本の説明と若干異なるのが原因?普及している手織り機が違うから?・・・というより、国民性?歴史の違い?

さて、スウェーデンの織といえば、私がイメージするのは、フレミッシュ/絵織物(これは、大型機では織らない)、ローズパス、リヤラグ、ラグラグ・・・。

前から織りたいと思っていたラグラグ(Rag Rug)/裂織のマット。
裂き糸もたまってきたので、以前から織りたいと思っていた緯糸2色の組織でサンプル織り。


 最初の写真

市松の切り替え部分をブラウンにすると、理屈的には良さそうなのですが、ホワイトの四角はブラウン地に囲まれたようになりました。(写真;中央から下)

ホワイトの四角の上部の緯糸が越す縦糸の本数に2本と3本があることにこだわらなければ、ブラウンとホワイトが同じ面積の 市松柄 になりました。(写真;中央から上)

組織にこだわると、イメージしたものと違っても気が付かない。よくありそうなこと。


2番目の写真;左

裂織りらしく とプリントや格子の布を使ってみました。
両方とも柄があると、ちょっとボロっぽい印象がするようなので、片方をライトブルーにしてみました。これなら、すっきり。



3番の写真;右

シーツを染めたブルーとグリーン。
色相も近く、同じ明度なので、ブルーは半分の太さにして、紺色と引きそろえてみました。

こうすれば、より裂織りらしい表情になって良さそうですね。


でも、カラフルな色彩を入れようとすると、子供向けのキャラクターのプリント生地などが、よさそう・・・・なるほど。


さて、裂き糸の作り方は、いくつかあるようです。
布を裂き、端はつなげておく。バイヤスのテープ状に切りミシンで縫ってつなぐ。など

バイヤステープ状に切るなんて大変!と思ったのですが、脇から出てくる糸をとる手間がかからず、織るとふっくらと凹凸がある良い表情になりました。ただし、薄くて弱い布の場合は、切れやすい。布の厚さや張りで、使い分けるのがよさそうです。

裂織。身近にある布を使う「手軽なリサイクル」のイメージ。
ですが、布を裂いたり、切ったりは、まるで糸をつむぐかのよう・・・・。
配色は、手元にある布を組み合わせるという制約があり・・・・・。

これも奥が深そうな織物です。
参考書籍;Manual of Swedish Handweaving
Backed structures P.91  
Warp and Weft  LESSONS IN DRAFTING FOR HANDWEAVING 
Weft-Backed or Double Weft Weaves P.160