2014年9月26日金曜日

二重織#3;8枚綜絖 上下をずらしてマフラーのサンプル織

無地とストライプの組み合わせの経糸が残ったので、ストライプと細かなチェックの組み合わせ。

白地のチャックの色が映えるように上布と下布をずらしてみました。写真の細い黄色のタテストライプの左側が一重。透け感がちがいます。

残念ながら長さが足りないので、試織り。


織りこんだチェックの緯糸の端はそのまま残してみました。


表はイエロー




裏はホワイト




マフラーは、たたんだり、丸めて細くして首にまくのですから、せっかく一重のところを作っても、あまり効果はなさそう。
幅広のショールならよさそうです。

縫い合わせたように見えなくて・・・二重の部分は効果的に・・・・。少しハリがあって軽やかで・・・色彩は・・・・・。

織物で織れる織りたいもの。呪文(!)のようです。でも、そろそろ自由に考えられるようになりたい。

使用組織;二重織 8枚綜絖 8本踏み木
使用糸;ウール梳毛糸生成2/20 三葉トレーディング
使用筬;50本/10cm 2本入れ

2014年9月19日金曜日

二重織#2;8枚綜絖 かぼちゃ色のマフラー

二重織の#1は、チューブ織の『ヘビ』ということにして、これは、#2。

最初は太めの糸で、と書いてありましたが、残り糸をあわせて、織ることにしました。
この季節にこのオレンジ色は・・・かぼちゃ色。


経糸は上の布用と下の布用を別々に整経し、ビームに巻き取りました。

上布は、白地に色糸4色(オレンジ、モーブ、ピーコックとプルシャンブルー)を入れました。
下布は、オレンジの糸がたりなかったので、白の組み合わせ。
市松のオレンジ色に微妙な変化がつくのもよさそうです。

経糸の動きを確認しながら織るには、少々細すぎたようです。



上下の布の入れ替えが水平方向だけなら、4枚綜絖で織れますが、垂直も入れ替えれば、8枚綜絖・・・・・と今までは、漠然と思っていました。

でも、ブロックパターンで考えればわかりやすく、応用も簡単。
ブロンソンレースやサマー&ウインターのパターンの考え方と同じです。

二重織は、1ブロックあたり綜絖4枚なので、このパターンは、8枚綜絖となるわけでした。



この齢で、このマフラーを巻いたら・・・・・まちがいなく、あのハローウインに登場する・・・・魔女!


使用組織;二重織 8枚綜絖 8本踏み木
使用糸;ウール梳毛糸生成2/20 三葉トレーディング
使用筬;45本/10cm 2本入れ
ミミ本数;8本×2
仕上りサイズ;24×140cm(フサ8cm×2)

2014年9月16日火曜日

洋書;DOUBLE WEAVE on Four to Eight Shafts

『二重織』を組織図で理解するのは、難しすぎるように感じていました。
方眼が白と黒に塗りわけられて、あげく、赤と黄色も入っていたりする あの組織図。表と裏、つまり上の布と下の布を見わけるだけで一苦労。慣れればすぐにわかるのかもしれませんが、何回挑戦しても???で、織リ始めるに至らず。


この本の著者、Ursina Arn-Grischottは、スイス在住。主に欧州で活躍するテキスタイルデザイナーで教師。若いときにアメリカで手織と出会い、二重や多重織に魅了されたと書いています。

二重織については、生産の現場ではすぐれた本が多くあるのに組織図や専門の言葉など手織りをする人には理解しにくい。このことから、この本では、著者が生徒に教えた20年の経験も加え、『組織図』の部分をイラストにするなど、「手織りをする人にとって、わかりやすく」という考えで執筆されています。このことだけでも、充分満足してしまいます。

さらに、手織りの説明が書かれた本であることを忘れそうになるほど、美しい写真とレイアウトです。

書籍でも見る機会が少ない美術館所蔵の布や著名な作家の作品、学校が保管している布などの写真が120余点。伝説ともいえる「デイビッド・アンダーソンがジョージⅣ王に献上したシャツ」の写真もあります。手織り本のコレクターにもお勧めです。


さて、Double Weave/二重織は「同時に2枚の布を織る」ことと定義しています。つまり、オーバーショットや昼夜織などの二重組織は含まれません。上下の布を入れ替える場合や端をつなげて織る2倍幅、チューブ織、ステッチ入り、多重織が、この本では説明されています。
スティックを使用する織り方やアメリカのように数多くの綜絖でパターンを織り出すなどのパズルのような二重織はありません。また、写真作品の具体的な作り方もありません。

歴史や各国や地域の二重織の紹介から始まり、「上下で別々の布を同時に織る」という基本構造の説明、織るまでの準備のしかた、デザインの発想法、多様な上下の縦緯の糸の組み合わせ、柄の考え方なども段階を踏んでていねいに説明してあります。二重織の構造と可能性を学ぶことができます。

布の構造を従来の組織図にこだわらないスタイルで説明するなど、著者の作品は基本と論理の確実な裏付けの上に展開されていることがわかります。


著者は、手織や工芸の教育活動の発展を支える協会にも熱心に参加していると紹介されています。この本でかいま見る事しかできませんが、歴史に始まり、明確な定義、さまざまな事例、技法、論理、展開・・・・・・デザイナーや手織りのプロをめざす人たちが、しっかりとした織の基礎をベースとした思考や発想、組み立て方を学べる環境に恵まれているのは、何ともうらやましい限りです。

2014年9月12日金曜日

やっと最後の二重織を始めます

海外の手織りの基礎はどのような内容かと Learning to Weave 著;Deborah Chandler を見ながら、織機に向かって2年半。ほとんどの課題は読むだけで、寄り道と飛び越しが得意だったようです。

この本では、平織、綾織。そして 次のレッスン10が Double Weave/二重織。ちょうど2012年の年末でした。
二重織を応用して、年賀状用にチューブ織で干支のヘビを作ろうと思ったのですが、この本では、「綜絖1枚に踏み木1本」のタイアップ図で踏み木を3本踏む箇所(!)もあります。


タイアップ部分が空欄で、踏み木の番号が並んでいるなら、卓上機用のはず・・・何かおかしい。
あちらこちら読み直し、他の本も目を通し、なるほどジャックルーム(ジャッキ式織機)とはダイレクトタイアップ(綜絖1枚に踏み木1本を結ぶ)も、マルチフルタイアップ(綜絖数枚を踏み木1本を結ぶ)もできる。偶数奇数の関係なく綜絖を上げ戻しできる。織っている途中で、結び直さずに綜絖の組み合わせを変えられる・・・・・ろくろなど古くからある他の織機のような制約が全くないと気付きました。

ジャックルームに「興味がある」と書いたら、この綜絖の自由自在な動きから生まれる織り方・・・ではなく、織機の構造についての説明をいただきました。

その後、日本の手織教室では、平織や綾織などの基本の組織を学ぶ「初めての人のための入門用の織機」という位置づけで使われていることが多いと聞きました。綜絖がある卓上機に踏み木を付けたのが始まりという説もありますから、ジャックルームは卓上機から始めた方には使いやすい織機だろうと思います。そして、たぶん基本の構造や綜絖の動き、機掛け、組織図についてもこの織機で学ぶのだろうと・・・・納得しました。

この織機についての解説書がない(?)と聞いたこともあります。もしかすると、ご自分が初めて使った手織機の基本は北米式だと知らない方もいらっしゃるのかもしれません。

個人的には、日本で、「踏み木のついた織機」で本格的に手織を学び始めるのなら・・・・やはり、ろくろ機。着物や帯を織りましょうということではありません。同じ原理で動く織機、滑車やカウンターバランスなどは世界各地に古くからありますから、日本の「踏み木付の標準機」と考えたいです。

ジャックルームは初心者用ではない。北米ではPredominento。このことに気付いた 「レッスン10 Double Weave/二重織」。

この織機について、詳しく書かれた英文のHPや書籍はよく見かけます。実際に織機で確認しながら和訳するのも楽しそうですが、残念ながら、今のところ、ジャックルームを購入するほどの余裕はありません。


さて、二重織。私の織機では、この本のやり方はできないと後回しにしましたが、著者が欧州在住の方の本を見つけました。一度に2枚の布を織るという魔法のような技法。これも世界各地で見られる織り方なのだそうです。

織らずに先に進むわけには・・・いきません。


現在使用している織機の開口装置;カウンターバランス(ホース、ドレルプーリー)、カウンターマーチ
 
※意見のある方は、自分の考えとその理由を必ず書いてください。掲載分の訂正をされると私の言っていること違う内容になってしまう場合がありえますのでやめてください。また、手織りを学んだのは、米国式、北欧式、日本式のいづれなのかと参考としている書籍、経歴などのプロフィール、を書き添えてください。投稿は簡潔にお願いします。

2014年9月9日火曜日

サマー&ウインターの追加;柄の組織

昨日、フィンランドで手織を習い、この夏にサマー&ウインターを織った時のことや説明がかかれたブログ『タピオの国でのあれこれ手仕事』を見つけまして、とても興味深く、ワクワクと、拝見しました。

なにしろ、スウエーデンの手織の本「Manual of Swedish Handweaving」にある組織図 Kuvikas を織ってみたいと思っていたので、感激。綜絖通し順も、タイアップもサマー&ウインターと同じなのです。

実際に織られた布地の写真をみると、組織はアメリカの本に書いてあることと大きな違いはありませんでした。入手しやすい素材や太さが違うためか、アメリカの場合、ユニットは4本単位となり、柄の部分の組織を変化させることがあります。実は、これもアメリカに限らないような・・・・気もするのですが。


4月22日の Virginia Beautyの配色 』で、サマー&ウインターの柄部分の組織の写真も3種類アップしました。実はもう1種類できるので、もう一度、写真と特徴を書いてみました。


1-2-1-2 たぶん基本の踏み順

きれいな四角になります。
織り始めてから長さの調整ができるのも利点。

柄;Snow-ball with Pine-Tree Border









写真左 2-1-1-2 (X’)

バーズアイのような組織になります。 X になりますので、斜めにつながる柄にはよろしいようです。
柄;Lover's Knot

写真右 1-2-2-1 (O’)

同じようにバーズアイのような組織になりますが、角がなく丸くなります。少しクラシックな感じもします。
柄;Virginia Beauty 


1-1-1-1

緯糸が交互ではないので、緯糸の浮きがそろいタテのストライプ状になります。

サマー&ウインターではなく、Half Dukagang?と呼ぶようなのですが・・・よくわからず、申し訳ありません。これからの課題ですね。


サマー&ウインター・・・まだまだ興味は尽きないのですが、ブロックパターンとユニットの考え方がわかってきたので、次は、Double Weave/二重織。

柄 参考書籍;The Shuttle Craft Book of American Hand-Weaving

2014年9月5日金曜日

サマー&ウインターの初歩ですが、ひとまず終了

それにしても、この織り方を「よく思いついた」と感心します。
昼夜織のことではありません。 アメリカの”サマー&ウインター”

「にわとりとたまご」のように、まさに、「カウンターマーチ式の織機が先か、サマー&ウインターの織り方が先か・・・」という印象です。カウンターマーチ式織機の能力を充分に発揮する織り方でした。

いただいたコメントやTHE SHUTTLE-CRAFT BOOKによれば、どちらも起源は欧州のドイツあたりらしいのです。ほぼ同じ組織がフィンランドの古い本に残っているということ。そして、私の織機はスウエーデン仕様で多少無理してカウンターマーチ(天秤)をのせたフィンランド製。



サマー&ウインター・・・アンバランスなタイアップで、奇数綜絖、綜絖枚数5枚以上のパターンが北米には数多く残されています。このパターンを織れる織機は、カウンターマーチとジャックルームのみ。

「手織好き」からすれば、どちらの織機もこのタイプの組織や二重織の込み入ったパターンが織れる織機ですから、異母兄弟とか、移民の祖父と孫のような感じ。ただし、細い糸で縦緯の密度を上げてかっちりと織ろうとすると古くからあるカウンターマーチになるのでしょう。

「織機好き」で、どんな組織が織れるかよりも、実は、織機の構造を理解することに価値を感じる人にとっては、この2つの織機は、「全く全く!違います。」ということになります。

日本の手織りの本では、まず、基礎として 織機の種類と構造 が写真やイラスト入りで説明されていますから・・・・多数決なら、2つの織機は、「全く違う」が、正しい答えとなりますね。そもそも、多数決や声の大きさで決めるような事ではないのですが。(笑) 

また、サマー&ウインター織を昼夜織の英語名と書いてある本もありますから、昼夜織だと思っていると、この織りとこの織機の性能との関係に気づくのは無理かもしれません。


海外のカウンターマーチ(天秤式)織機を使って専門的に手織りを教えている学校や大学ならば、この織機での伝統的な機がけのやり方から基本組織の1つであるサマー&ウインター(昼夜織ではない)まで学ぶことができるでのしょう。


アメリカの織りかた サマー&ウインターは、タイユニットウィーブというジャンルになり進化、発展中。ですから、今回は本当に初歩の一歩を踏み出したところ・・・・で、ひとまず終了。

2014年9月2日火曜日

サマー&ウインター#4;Lover's Knotのランチョンマット

経糸が残ったので、試し織りをかねてランチョンマットを織ることにしました。
大物が織りあがってから、今頃試し織り・・・。


本の説明にあるように、XYの踏み木を左端に、タビ―の踏み木を右端に、中央を柄の踏み木にして織っていました。
毎回、柄の踏み木をさがしていたので、今回の試し織りでは、タビ―も左端に寄せてみました。

踏んだ時の安定感はなくなるようですが、織る人それぞれの好みだと思います。

XYで、経糸の抑えを確かめながら織るのは楽しのですが、4ブロックまでならマルチフルタイアップが早いのは間違いありません。




ついでに、この際ですからミミもフローティング(浮ミミ)にして試してみました。
予想していたよりもずっと織りやすい。

ミミ糸を4本にして、柄糸は麻2本引き揃えなので、ゴツイ。でも、これが手織り感が満載ということにして。

サマー&ウインターの組織は、オーバーショットとくらべて、柄糸の浮がないのでランチョンマットにも最適だそうです。
残りの経糸でしたので、長さが足りずに小さめですが、まずは使ってみないと。

それにしても、いきなり、この大胆な構図は・・・・・「浮世絵」の影響? 


参考組織;The Shuttle-Craft Book of American Hand-Weaving
6枚綜絖 8本ぺダル 筬;100本/10cm
使用糸;経糸 綿16/2 緯糸 地糸 綿16/2 柄糸 リネン2本引き揃え
サイズ;42×32cm もう少し左右を長くしたいです。