2015年11月11日水曜日

朱子織と日本の手織りと組織と

もう一度手織りをしてみようと思ったのは、アメリカの手織りの独習書にであったから。

日本の書籍では、手織りの組織について納得のいく説明が見つからず、投げ出したのは30年ほど前。毎回、日本式での話になると・・・組織のことも、織機のことも、停滞してしまうので注意はしていたのですが。

「朱子とサテン」を書いたのが、きっかけ。欧と米の手織りの書籍では、説明も図も同じ。一方、日本の本には1冊に3種類もの朱子点のとり方がのっていたりします。読んでいたスウエーデンの本にあった説明は簡潔でわかりやい。

日本の場合「途中をはしょっている(省略している)」では、どうしても説明がつかないと思うケースもあり、『飛び数』は「組織を書くときに使うことば」という人もいれば、名称につけて「何飛何枚朱子」という人もいます。
「たて飛び」と書いてあるか、「よこ飛び」と書いてあるかかで表朱子か裏朱子かの判断ができるらしい・・・・と思ったら、たて朱子とたて飛びの「たて」は、話が違うのが超基本というから、できるらしいと感じたのはまちがいのようで、わかったように思ったけれど・・・やっぱり混乱したまま。説明を聞き過ぎたということかもしれません。

結局、多種多様に感じるのは、勉強不足で、日本には日本の手織りの「正統」があるようです。

日本には「正則朱子」と「変則朱子」があるというから、欧米には、「変則朱子」がないのかと思ったら、「イレギュラーサテン/irregular effect」があるではありませんか。


さて、織るのに、最低でも5枚の綜絖が必要な朱子組織。組織が本当に好きな人は、自分の織機で実際に織れるか?織っていて楽しいか?は気にならないようで・・・。

朱子組織を学ぶのに、ご紹介いただいた日本の書籍は 『織物構造』太田 勤治著、『織物常識』(『織物知識』は誤記?) 津田 次作著 1925・1.1も 繊維工業大学の教科書。
予想していたとおり、近年の日本の手織りの組織の知識は、繊維工業から学んでいることにまちがいなさそうです。動力機用の知識を手織り用として、スライドして使っているので、海外の手織とは基本として学ぶ組織や説明などが違うのだろうと思いたいのですが。

朱子組織もダマスクに代表される柄織よりも、量産される服地用の「トロミ」とか「オチ」に関係する地紋組織の開発のしかたが教育のメインになるのかもしれませんね。

アメリカからスウェーデンへと海外の手織りの初歩を学びながら・・・日本の朱子組織も同時に学ぼうとして・・・・・フリーズです。しばらくお休みします。

2015年11月3日火曜日

コード通しが届きました

システムコードを通す時、何を使っていますか?

編物に使う『かぎ針(写真左)』は、中央の指に馴染むように平らになっている部分がつっかえて長さが足りないことがあります。

金綜絖に使う『綜絖通し(写真中央)』は、先がとがっているので、コードを傷つけてしまうこともしばしば。それに、長いので踏み木にコードを通す時は床につっかえてしまう・・・・で、歪んでます。


『コード通し』が欲しいと織物の道具を扱っている数軒のショップで聞いてみたのですが、「専用の道具が必要なのですか?」とけげんな様子。

どうやら、タイアップを頻繁に変更する人は少ないらしい。ろくろ式で開口が安定しないから4枚綜絖の天秤式のを使う・・・という場合、「平織と綾織のタイアップ」で、一般的な組織のほとんどが織れてしまう。

ですから、購入した時から、一度も吊り直したことがないという人もめづらしくないらしい。それなら、専用の道具など必要ありませんね。


で、海外から取り寄せることになりました。『コード通し/Cord needle』

届いたのは、写真右。洋裁に使う『糸通し』の大型サイズという感じ。簡単な構造ですが、やはり道具は道具。使い心地も、『糸通し』の大きい感じ・・・・・。

頻繁に吊り替えをする方は、お試しを。