2012年6月1日金曜日

麻の経糸がけは、後ろから前へと

麻のハンドタオルの整経が終わり、機にかける段階です。
硬くて毛羽があり、単糸 約500本・・・・・・まるで手織技能テスト(?)をされているような素材です。

こすれたら毛羽立つ!そして、絡んだら切れる。 


さて、経糸がけは、粗筬を使う方法も加えると3タイプと言われていますが、

[前から後ろ] は、整経した糸を 筬通し→綜絖通し→ビーム(ちきり)に巻く  糸の端は前から後ろへと通していく。

[後ろから前] は、整経した糸を 仮筬・粗筬→ビームに巻く→綜絖通し→筬通し 糸の端は後ろのビームから前へと通していく。


この、[前から後ろ]、[後ろから前] という言い方は、Leaning to weave の本でも使われている言葉です。この本は、ジャッキアップ式の機で説明してあります。太さや本数、長さなどにより使いわけると、どちらも便利かと思います。仮筬は手間がかかると前から後ろを選ぶ方が多いようですね。



でも、仮筬して後ろから前へ。本数と素材からこの方法しかありえない。


理由は
1.綜絖枠がなく、バーで糸綜絖を吊下げているタイプなので、巻き取り中にバランスがとれないと、糸が綜絖にこすれる。カウンターマーチならできるかもしれない。


2.仮筬は筬立を使い、食卓の上など光の状態の良い所でする。本数や縞を確認しやすい。


3.整経時の綾のある端は切らず、輪のまま。この輪をひっかけて仮筬通しすると2本ずつ通せて手間は半分(筬目は1目おきになる)。そして、ビームからのロッド(棒)に輪を通すので、結びロスなし。均等の長さになるように注意して結ばなくていい。結びもれもでない。

整経時に揃えた糸の長さどおりで狂いはでないことを忘れずあわてず進めればいい。


4.ビーミング(巻き取り)をして、間隔とテンションがそろい綾棒に整列した経糸をひろって綜絖へと運んでいくのは簡単。絡みにくい、抜けにくい。間違いにくい。 



ということで、幅や糸に関係なく、[仮筬→後ろから前]のやり方が仕事も確実で、結局 早いという結論。あと、北欧織機メーカーの方が書いた最新版のマニュアル本を読んで、そろそろ織機の使い方の基本は卒業です。
バックビームから綜絖を見たところ
ベンチの上に筬立て


気が付けば、北欧のスタンダード型は、バックビームと綜絖バーの間に、人間とベンチが入り、座って綜絖通しができる。つまり、織機の設計がそのようになっているようです。

この柱に囲まれた空間はなぜか心が落ち着きます。

「広々とした空間に白木の織機が1台。」なんて想像しがちですが、占有面積 約150×160×165m。

周囲は通るのがやっと。

素人所有の大型機の現実はきびしい。








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