2014年10月31日金曜日

洋書;A HANDWEAVER'S SOURCE BOOK

手織をする方によく知られている「A HANDWEAVER'S PATTERN BOOK」の著者 Marguerte Poerter Davisonの本なので購入したのだそうです。
参考にしたパンフレットには、「・・・二人の作家の織り組織図を集めた。」とあったそうで、「続編」をイメージされたようです。
古くからある茶色の表紙のハードカバーと違って、このペーパーバックは表紙の写真も美しいですから購入してみたくなる気持ちもわかります。

この本の存在は、オーバーショットの本などで読んだことがありますから・・・頼まれれば、嫌とは言いがたく、引き取ることになりました。


さて、中身は
「A HANDWEAVER'S PATTERN BOOK」のような「綜絖通し順」「タイアップ図」「踏み木順」と「織った布の写真」の4点セットの組織図はなく、黒の四角の大小で描かれた146点の柄がのっています。上部に5本の線の間に2とか3とか数字を書き込んだ「見なれない綜絖通し順」が書かれているだけです。

この「綜絖通し順」の見方は、巻頭の「Explanation of the Draft/組織図の説明」にかかれています。が、現在一般的に使われている綜絖通し順の書き方に書き直して、柄の中央などの細かい点を確認したほうがよさそうです。


今回は編者であるMarguerte Poerter Davisonは、Laura M.Allenのコレクションと出会い、柄をセレクトするにあたり、誰もが楽しめて複雑すぎない「4枚綜絖の織機で織れること」を基本にしたと書かれています。ですから、タイアップ図も踏み木順も省略されている訳です。

柄名の下には、Laura M.Allenのコレクションに寄贈した人の名前が十数名ほど見られます。
作家が所有する本人自身のコレクションとは異なり、無名な人々が作り出した多くの柄は、覚書きのような状態で紙に書かれ、交換や販売がされていたようです。1900年頃には家庭で手織りをすることがなくなり散逸していくか処分されるものがほとんどだったと思われます。そのような時代に柄を受け継ぎ大切に保管し、託していった方々の名前が記されていることになります。

一見は、「オーバーショットの四角い柄ばかりの本」ですが、当時、書く人によってさまざまに異なる綜絖の通し順で残されたパターンは、覚書きや走り書きのようにも見えます。現代のように組織図を瞬時に描くソフトもない時代に、綜絖通し順の書き方を統一して書き直し、確認しながらパターンを描きおこすのは、根気のいる膨大な作業だったろうとその労をねぎらわずにはいられません。

Marguerte Poerter Davisonは、パターンのセレクションやアレンジ、巻頭の挨拶文の下書きなどを終えて、仕事に取りかかった約1年後の1953年2月に急死したとあります。


全て4枚綜絖のオーバーショットのパターンですから、16枚綜絖の織機があれば二重織で織ることもできますね。もちろん、二重織用の綜絖通し順を書きおこさなければなりませんが。

今の私の織機に綜絖を4枚追加しても満足な二重織が織れるとはとても思えません。わざわざ新しい織機を購入しなくても・・・・人生に残された時間で織ってみたいものは、まだまだ数多くあります。

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