2014年12月5日金曜日

手織の初級でであった洋書

「むつかしいことや理屈はいらないから、やり方だけ教えて・・・・」という方がいます。合理的なのかもしれませんが、そんな方にはお勧めできない本ばかり。

最もおもしろかったのは、既に理解していて読む必要がないと思っていた欧米の「手織の初級」や「組織の基本」についての本。料理に例えれば、和食料理の基礎を習って終了しても、満足なフランス料理は作れない・・・・手織も同じでした。

ほとんどが、内容に納得した本に紹介が書かれていたり、巻末の参考文献から興味をもった本。ですから、織物の常識や基本に忠実な本ばかりになりました。

当初は、海外の手織り・・・ということで4冊ほど選び、平織から順番に気に入った作品を織りましょうと思っていましたが、綾織を過ぎたあたりから、北欧と北米の違い、つまり、考え方というよりも文化の違いなのだろうと思いますが・・・はっきりとしてきました。そして、載っている作品を 順番に織れば習得完了 というような単純な事ではないと気付きました。ですので、まずは、アメリカ関連に絞って20余冊。

技法やパターン、作品の作り方など内容はさまざまですが、必ず著者の前書きがありました。どのような人に向けて・・・なぜこの本を出版したのか・・・など。
本文でも「これらの組織/作品を、このような理由で、こう呼ぶ/選んだ」という定義と理由がはっきりと書かれています。ですので、自分の作品と制作のしかたと一般知識と技法と・・・あれもこれもと参考にした本の一部を写して組み入れたような内容や説明は見あたりません。

大学で教えデザイナーとしても活躍している方々や編集関係の方の著作が多く、織り方だけでなく言葉や論理面も整理され、丁寧に順を追って説明されています。

伝統として手織りが続いている国では、熟練者や親から直接に子供や孫へ伝えていきますから、定義や分類をして教えたり、学んだりするのは馴染まないのかもしれません。「風通織」といえば「風通織」、「昼夜織」と言われれば「昼夜織」がムラなくきれいに織れる技術を習うことが大切なことになります。もしかすると、織物の名前さえ必要ない・・・・。

とはいえ、昔からのやり方では・・・人それぞれだから・・・という説明に満足できず、もう少し論理的に順序立てて織機を操って織ってみたいと思うかたには、アメリカの手織の書籍は面白いと思います。それと、テキスタイルデザイナーをめざす人。

アメリカで手織りを復活させたといわれる人の著書には、布を織ることができても、組織とタイアップを理解していない人は、『Weaver/手織りをする人』とは呼ばない・・・とあります。やはり、文化が違うということなのでしょう。

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