2014年6月24日火曜日

仮筬・粗筬通し・粗筬・ラドル どれがなに?

ブログなどを書いていると、言葉の問題で止まってしまうことが多いのです。全くの想定外。
気になったことを書いておけば・・・・いつか方向性を見つけてくれる人がいるかもしれませんから。


今回は、織リ始めるまでの機の準備で、一番最初にする・・・・仮筬、粗筬通しと呼ぶことに関連する事がら。

本などの説明では、「ワープビーム(男まき)に巻き取るのに、整経して束状になった経糸を織幅に拡げるためにする。」とあります。巻き取ったら、経糸をはずしてしまいますので、「pre] とか「仮」、「粗」とか名称につくのでしょう。


織るときに使う筬を使用して、縦糸を何本かまとめて入れ、次は空けて・・・と本番の手間を少し省いて通すのが、仮筬/かりおさ

始めた頃にならった先生は、「粗く筬に通すから・・粗筬通し」と言っていました。その後、私は参考にした本の影響で、「仮筬」と言う言葉を使っています。

アメリカの本にはPre-Sleyと書かれています。Sleyの意味は、筬。Preが付きますので、事前-筬 という語感です。
海外の織をする方は、「仮筬」という言葉を使うことが多いように思います。「仮筬通し」とは、言わないような気がするのですが、どうでしょうか?


1cmとか1インチ間隔などに棒が埋め込んであり、上部が開いていて、経糸を何本かづつまとめて、上から入れる道具が、Raddle/ラドル/粗筬。

Raddleには、柵というような意味があるようです。輸入や洋式の織機と道具を販売しているメーカーのカタログには、ラドルは、粗筬、もしくは、荒筬と表示されています。うっかりしているとラドルに経糸の入った状態を「粗筬通し」と呼びそうになります。

この道具、日本でも地域によっては昔から使われていたような・・・気もするのですが・・・ご存知の方はいらっしゃいませんか?

Learning to Weave に使い方と作り方が書いてあったので、角材に釘を打って自作しました。(写真;右)

さて、この道具を使用するとき、英語では、どのように言うのでしょうか?
古くからあるスウェーデン織の英訳本「Manual of Swadish Weaving」では、Pre-sleying with a raddle。Sleyには織機の筬に経糸を通す/準備する という意味もあります;WEBSTER'S DICTIONARY 。つまり、ラドルを使って事前の筬通しする/粗筬を使って仮筬通しをすると訳すこともできます。

実際は、間を通すのではなく上から入れるので、その後の英語の初心者向けの本では、「ラドルに経糸を拡げる」という表現が使われています。「Learning to Warp your Loom」では、using a Raddle/ラドルを使う となっています。


「粗筬通し」を略して「粗筬」。ラドルに縦糸を入れた状態を直訳して「仮筬」という場合もあるようです。

この2タイプのやり方は、経糸の素材や形状、密度で使い分けるのが良さそうです。

さて、手織の経歴、出身グループや学校で使う言葉が異なるようです。まだまだ他の名前があるのかもしれません。あなたは、どのように呼んでいますか?

参考文献:Manual of Swedish weaving ;Ulla Cyrus-Zetterstom
Learning to Weave ;  Deborah Chandler
Learning to Warp your Loom ; Joanne Hal


※意見のある方は、理由や参考文献などを必ず書いてください。また、手織りを学んだのは、米国式、北欧式、日本式のいづれなのか等の経歴やプロフィールを書き添えてください。投稿は簡潔にお願いします。

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