2015年7月7日火曜日

ローズパス織り?ローズパス通し?

経糸と緯糸でダイヤ柄を織り出したマフラーの技法名に「ローズパス」と書いてあると、ローズパスは、織り方だと思いたくなります。模紗織り、風通織り、オーバーショット織り、サマー&ウインター織り・・・・そして、ローズパス織り?

先日の多色を使ったマットもローズパス。でも、ダイヤ柄のマフラーとは違う緯糸の柄。スウェーデン織りでよく見かける「人形を織り出した小さなタペストリー」もローズパスの一種で、バウンド・ローズパス/ブンデン・ローゼンコンと書いてあることもあります。

織りの組織を経糸緯糸の交差の仕方から分類したり、方眼紙を白黒で塗りわけた組織図からの綜絖通しと踏み木順を書き出したり・・・・『織あがった布を基本に考える』いわゆる日本式では、どうしてこんなに違う3種類の織物に共通してローズパスという名前がついているのか?不可解です。ローゼンゴン地方に伝わる織り物?なんて、思ったりして・・・・。この話の先は、スウェーデン語を学ばないとわかりませんね。
綜絖の通し方で分類される海外の本などでは、ローズパスは、綾織の綜絖通しのしかたの一種。
これなら、3種類のそれぞれ違うように見える織物にローズパスという名前がつく理由が説明できます。日本でも、順通し、山道通し、破れ通しなどの通し方と名前がありますが、通しやすいとか、通しにくいとか、作業性の話が主。でも、ここにローズパスを綜絖の通し方として追加しておけば良さそうです。

さて、山道通し/ポイントツイル の「5ポイントツイル」と何が違う?
4枚綜絖で5ポイントツイルがよく見かけるローズパス。でも、本には6枚、7枚・・・・ローズパスは4枚綜絖と決まっていないようです。考えられる唯一の違いは、上のポイントと下のポイントが同じ綜絖にあること。たったこれだけのことで、ポイントツイルでは思いもよらない変化のある織物が生まれるなんて・・・・。先人の知恵に感心するばかり。

綜絖通しの書き方は、ポイントが重なるシャフト/綜絖を内側に置く場合と、手前か奥に置く場合の2種類があります。綜絖のバランスを重視するか、通しやすさを優先するかで、織機や使う人により好みがある訳です。
同じ綜絖通し順なのに、国内では、異なる通し順とする場合があるようです。レピートの基礎を理解していれば気づいているはずです。が、作業のやりかたを教える/習うことが大切だからでしょうか?古いコレクションを集めたパターン集からほぼそのまま写したからでしょうか?

バウンド・ローズパス/ブンデン・ローゼンコンは、「基礎技術から応用まで 手織り」土肥悦子著 昭和51年初版 に、「細かい連続模様」という題で紹介されています。ローズパス通しだけではなく、山道通しを使った織り柄も紹介されています。お人形や動物をヨコに並べていく愛らしい図案なら、山道通しのほうが適しているかもしれません。技法名をつけるなら、「バウンド・ポイントツイル」??

いままで、ローズパスのパス/ pass は「小道」と思っていましたが、「通過する。通す。」つまり、綜絖を通すという意味も含まれているのかもしれません。古くから伝わる名前の意味や由縁は、一つとは限りませんから。
それに、この上下のポイントのあるシャフトを内側に入れた通し図、最近はあまり使わないようですが・・・・バラの花が連なるパターンのようにも見えませんか?


※意見のある方は、自分の考えとその理由を必ず書いてください。掲載文が間違いだとして一方的な書き直しや書き足しをされると本来の主旨と異なってしまう場合がありますのでご遠慮ください。手織りを学んだのは、米国式、北欧式、日本式のいづれなのかと経歴などのプロフィールを書き添えてください。投稿は簡潔にお願いします。

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