2015年2月13日金曜日

タータンチェックの本と思い出と

繁華街として有名な東京の六本木の溜池方面へのバス停の前に、タータンチェックの店がありました。1970年始めごろだったと思います。
店内には、上品に半折にして巻かれたタータンの反物が中央と壁一面にずらりと並んでいて、その上の棚には、バグパイプとかスコットランドらしい調度品があったようなのですが、小学生のわたしには背伸びをしても見えませんでした。

その棚においてあった本。 「ROBERT BAIN'S  CLANS &TARTAN OF SCOTLAND 日本語版」 下写真;右
昭和50年出版 定価弐千六百圓 発売元 チェック商会
オリジナルの英語版は、中古品で販売されていますが、表紙だけでは見分けがむつかしいので要注意。

カラー印刷が少ない時代に、掲載されているタータン133柄の全ての図柄に色彩がついています。当時の言葉で・・・オールカラー。懐かしい言葉!これだけで価値があった時代ですから、ページをめくると次々と現れる鮮やかなチェック柄は驚きでした。
柄の名前は日本語と英語で表示され、紋章やモットーなど一族の紹介とタータンの柄がカラーであります。歴史や正式にタータンを着た姿のイラストも載っています。

この本は、「タータンチェックの文化史」奥田実紀著によると、1975年に日本語で出た初めてのタータンの専門書。チェック商会の会長がタータンの専門書が日本で出ていないことを残念に思い、自ら自費出版したという話です。この本のおかげで、より多くの人々にタータンが理解されるようになったとあります。

そう言えば、一時期大流行した「キルトスタイルのスカート」をはく女性は見かけなくなりました。
「大事にするなら」という約束で買ってもらった?ようですが、表紙は申し訳ないような状態。
いくら歴史的な価値がある本でも、デザインを考えならばと比較的最近入手したのが、大判の本。
「James Grant SCOTTISH TARTANS in Full Color」 上写真;左 

73柄が25.5×17.5cmのサイズでのっています。テキスタイルデザイナーなども使うパターン集のようですので、柄のレピートや配色の明度彩度の特徴も捉えやすく、アレンジもしやすいと思われます。細い線が数多く使われているタータンもあります。縞の太さを確実にみることができます。


パターン集を見ているとタータンは魅力たっぷりなのですが、街で見かけるタータンは、極端にヤングファッションだったり、チープな服のアクセントに使われている場合も少なくないようです。
真正面から取り組むと、私の場合は、メンズの印象が強くなるようで・・・・・優しい年配の印象にアレンジにするには、どうしたら良いのやら。今までどおり、見て楽しむのがいいのかも。

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