2012年8月17日金曜日

糸と経密度 SETT CHART

この糸は、どのくらいの経密度で織ったらいいのか?といつも迷います。

ほとんどの本の説明には、「ものさしに糸を巻いてみて、本数を数えると密度がわかります」と書いてあります。どの程度の詰め加減で巻いたらいいのか?糸が細くなると1~2本の差が見極められません。織の組織点との関係も理解できていないと無理のようです。
スウェーデンのマニュアル本には、お教室で先生や先輩から教えてもらうか、作品集を参考にして試作して決めるとあります。

それにしても、「織始めて、経糸を切って、筬を変えて、筬通して、縛って、調整して織始める。」筬を変更する手間は、かなりのもの。経本数の少ない試作でも2度3度となると、ちょっとうんざり。 


SETT CHART( セット・チャート)とは、「この番手の糸はどの程度の密度で織ると良いか」を表にしたものです。また、同じ糸でも組織によって適した密度が違うので、平織と綾織の場合が載っています。厳密には、同素材で同番手の糸でもメーカーによって収縮率も異なりますから、「あくまでも目安」ですね。

昭和51年に発売された土肥悦子著「基礎から応用まで 手織り(絶版)」にも経験から割り出された表が載っていました。鯨尺なので、換算には苦労しました。

日本は尺でも確か2種類あり、アメリカはインチで、スウェーデンはセンチです。達人は、スウェーデンの作品集にしたがってアメリカの織機(筬)で織ると換算の誤差を感じる(!?)という話です。1インチ=2.54cmが、1インチあたり何本=10㎝あたり何本と素直に置き換わらないことに関係するようです。
 

織機(筬)の原産国のセットチャートがあると便利ということになりますが、インチの国、米国のみのようです。日本で一般的に使われている番手とは食い違う点があります。

密度は、織る人により微妙な好みがあります。数多く作品を作るうちに自分のチャートが出来上がるのでしょう。ここまでできると、「免許皆伝」なのでしょう。


掲載されている本は、下記の3冊。著者により、チャートの内容は異なります。
「Leaning To Weave」 Deborah Chandler著 Sett Chart(インチのみ ジャックルーム主体)
「Learning to Warp Your Loom」 Joanne Hall著 Warp Sett Chart(インチ/センチ併記)
「Tying Up The Countermarch Loom」 Joanne Hall著 Warp Sett Chart(インチ/センチ併記)

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