織物などという細かいことは、そろそろ引退か・・・と思っていると、2冊の本を見つけました。
1冊は、「もようを織る」小林桂子著
何の気なく開いてみると、P.394に、M.B.Davison著『A Handweaver's Pattern Book』からの転載がありました。
「米国に受け継がれ、描き写された組織をまとめた名著」と紹介されています。
「代表的な組織デザインを紹介」と前置きがあり、全部で6柄。版権が切れているのでしょうが、字体も、織り方図も、写真も、そっくりそのまま転載されていますので、出版した時代の米国のリアルな感じがします。
そして、代表的な柄や説明にある7柄のうち3柄は私がブログで公開した柄やよく似た柄。このセレクションは偶然でしょうか?
写真右は、綾織で柄を作ることは綜絖通しで計画できることを試してみました。
http://thistleweave.blogspot.com/2013/03/blog-post.html
(追記;購入してよく見たら、掲載されているのは、よく似たGoose Eye Blocks. 綾のコンビネーション柄が代表柄ということですか・・・。)
写真下は、
オーバーショットらしくない少し変わった柄を・・・と思って選びました。
http://thistleweave.blogspot.com/2013/11/wandering-vine.html
斜め構成の柄は、安定感がないので、嫌う人がいますから、「一般的」とか、「代表的」には、ならないというのが、テキスタイルデザイン界では「常識」なんですが。
代表的な柄だったとは・・・。
「絡まる蔦」と紹介されています。
伝統的なブロックデザインであることを理解するとあります。
下絵が欧州のレップ氏のデザイン帳にあるのと(オーバーショットの特徴であるシャドウが描いてないようですが。)同じ柄がA Handweaver's Pattern Bookにあり、織職人ローズ氏の番号のメモ書きがあること。
つまり、著者の言う伝統的とは、「出何所が由緒正しい」こと・・・らしい。
写真左に似た下絵もレップ家のデザイン帳から紹介されています。
http://thistleweave.blogspot.com/2013/12/johann-specks-design-no33.html
円形がどこまできれいに織れるか・・・試してみただけなのですが。
ブロックデザインなら、ドレルや二重織だと思うのですが。
厚さが25mmもある本です。題名からすると織柄についての著作のようですが、欧米についての記述もあるようです。不思議に思うことも何か所かあり、じっくり拝読することにします。
もう1冊は、1年4か月前に取り上げた本『ちいさな織機でちいさなおしゃれこもの』
近くの大型書店で平置きに積まれていました。
前述の 小林桂子氏 は、「綜絖のないのは織機ではない」と記述していますから、この本の題名には「異議あり」だと思います。
でも、糸と糸が交差して、何かが出来上がる・・・・楽しんでほしいですね。
プロもいれば、芸術家もいる。家庭でも作る。工場で生産する。
世界各地にあり、歴史をたどれば、きりがない。手織りは、手料理みたいなもの・・・と思うのです。
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