2016年9月13日火曜日

インド藍、インディゴ、藍

粉末のインド藍を使った染め方を習ったりしていました。
絞り染をしたら「お手軽な廉価な染」のような違和感があります。

藍染は、日本のお家芸のような思い込みがあるのだろうと思います。化学薬品を使わずに甕で染めるのが、本式・・・のような。

一方、「ディープブルーといえば、デニムの染料でおなじみのインディゴが一番身近だった。」と、民藝の教科書②「染と織」の著者は書いています。日本人でも「藍」より「インディゴ」?でも、「藍」と「インディゴ」の違いは?


同じ色素を持つインディゴと藍。「Dyer's garden」Rita Buchaman著 を見ると、青を染める植物が3種類のっています。

インディゴは、マメ科コマツナ属で、メキシコ、カリブに自生する茂みになる低木。数百種あり。ジーンズがアメリカの労働着だったのが、うなずけます。

藍は、Japanese indigo もしくは、Dyer's knotweed。蓼/タデ科タデ属の草本で、色素があるタデのこと。日本や東南アジアに自生し、こちらも数百種類。海外品はすべて「インディゴ」などと言いたくなるのですが、「インディゴ」と「藍」は、植物の種類が異なることを無視するわけにはいきません。インディゴも藍も、厚い地域の植物。

英国や北ヨーロッパなど寒い地域では、Woad。タイセイ属アブラナ科の植物を使って染めるのだそうです。本の写真では、タンポポ?に似ていて、藍色よりもグリーンがかった色。藍のように、淡色から濃色まで染まるのでしょうか?染めた糸の束を見てみたい・・・。


インド藍と東北藍の生葉染。染めてみると、次々といくらでも染められるので、ほかに染めるものはないかと身の回りを探すほど。庶民の色となったのがわかる気がします。そんな藍も、インド更紗や東南アジアのバティックでは、豊かな色彩一色。

日本では、藍染の着物を着て、藍染の座布団に座り、藍染の手ぬぐいで身体を拭き、藍染の夜具にくるまって眠り、藍染ののれんをくぐって出かける・・・・。なるほど、民芸の本を見ると、日本中のいたるところに藍染の布。

東京オリンピックのエンブレムも藍色。藍へのこだわりがさらに増して、気軽には使えない「崇高な色」にならないことを願うばかり。





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