2013年12月10日火曜日

洋書;OVERSHOT IS HOT ! / The best of Weaver's

Madelyn van der Hoogt 編 The best of Weaver’s のシリーズ6冊目の本です。

編者は、手織りをする人とオーバーショットとの出会いは、A HAND WEAVERS PATTERN BOOK;Marguerite P. Davison 著 だろうと書いています。
早くから輸入された本ですので、日本で手織りする人も同じ出会いをしていると思います。海外の織り方は、自己流や日本式の解釈になっている事が間々あるようですから、私も意味を取り違えないように注意しなければなりません。

さて、伝統的なオーバーショットは、20世紀前半まで生成か白の地に濃い柄糸で織られた織物がほとんどだったと前書きにあります。主にベットなどのカバー類に使われていたという前提を理解すると、ここに掲載された作品の新しい試みがよりわかりやすくなるように思われます。


この本では、オーバーショットの織り方や柄の説明やたくさんの組織図は書かれていません。掲載されている作品は、多色にしたり、細い絹糸などさまざまな素材を使ったり、他の組織と組み合わせて多綜絖にしたり・・・・・伝統なパターンや構成を大切にしながら、新しい表情を追及しています。仕上がったアイテムも幅広く、スカーフ、タオル、服地など40点余です。

最初の章で、オーバーショットの柄がどのように織り出されるのか・・・綜絖通し順、経糸と緯糸の基本の動き。そして、この織り方の特徴である柄、影、地の関係が詳しく説明されています。

しかし、オールドのパターンを楽しむには、「オーバーショットの唯一の問題は、すべての組織図が簡単に理解し使えるとは限らない。」を理解する必要があるようです。
例として6種類あり、組織の書き方の特徴が作者別に説明されています。中には、簡単な覚え書きのようなものもあります。オーバーショットの綜絖の通し方が身についていれば、柄部分ごとの本数とレピートさえわかれば織り上げることができたのでしょう。
たぶん、書籍や綜絖とタイアップと踏み順の揃った組織図が一般的になる前から親しまれた織り方。織り手から織手へ伝えられてきた「歴史ある織り方」ととらえることもできそうです。

大切に受け継がれたことで髙い完成度となったパターンは数多く残っているようで、新しいパターンを作るのは容易ではないと想像できます。巻末に著者とオーバーショットに関する書籍名が約30冊リストアップされています。

著名な方々の組織図の一端でも見たいと思うのですが、個人での入手は無理。日本でもジャックルームを使って授業をしている織の専門学校や大学があるようですから、蔵書があるかもしれません。が、閲覧は許可されないでしょう。

正しく理解できたか・・・もう一度、織りながら検証してみることにします。

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