2016年4月5日火曜日

これも幅出し、あれも幅出し

「手織りを始めようとすると、学ぶことがあまりに多く当惑する。なじみのない言葉に直面する・・・」と、最近、手にした米国の書籍の前書きにありました。確かに。

ですので、いつものことながら、気になった言葉は書きとめておくことにします。おもしろい話題とは思えないのですが。

さて、「幅出し」と聞いたら、思いつくのは、どれですか?

1.仕上げ加工の「幅出し」
両ミミをピンで針して、織や加工の行程中に縮んだ織物の幅を広げて、所定の寸法にすること。
生地の表裏を見わける方法の1つだと習いましたが、布地のミミの部分にある針でさした跡・・・・・幅出しの加工をした跡。ピンで針して行うのがピン・テンタ機。クリップではさんで行うクリップ・テンタ機もありました。
これは、手織りとはちょっと違うようですね。

2.織っているときに、織幅を一定に保つために使う・・・・「幅出し」
「左右にトゲが付いている道具の名まえ。
日本では、竹製で、「伸子」と呼ぶのが一般的?
海外では、木製と金属製があり、スウェーデンが木製、フィンランドは金属製を使う・・・・どちらかといえば、そのようです。
以前、日本では、「ストレッチャー」と言っていたように思うのですが、アメリカの本では、「テンプル/temple」とあります。
この道具は、世界中にあるということですが、主にウールを織る文化圏でも使うのでしょうか?(写真上)

3.整経して束状になった経糸を計画した織幅に拡げることを「幅出し」
仮筬する(写真下)、仮筬通しする、粗筬する、粗通しする、ラドルを使うとか・・・・目的は同じで、違いは、筬を使うか、ラドルを使うかだけなのに。
あまりにいろいろな表現があり、相手により、それぞれ言い直すのが大変なので、「「幅出し」という言葉を使い始めた先生もいるのだそうです。

4.絣の経糸を巻くときに使う「「幅出し」
経糸をビームに巻くときに、絣の柄が歪まないように、経糸の束を小分けして広げ、平行に保つ道具があるのだそうです。産地によって使う/使わないがあるのでは?


どれも、幅を出すから、「幅出し」。話の流れがわかれば、自然とわかる「用語」。
いやいや、織の用語と思うのは、考え過ぎなのかもしれませんね。

織物にとって、いかに「幅」が大切か・・・・ということで、このお話は、ひとまず終えることに。

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