2016年4月26日火曜日

日本語に訳してみようと思えども

「あの説明書を訳したの?」と聞かれて、一瞬、返答ができず・・・。読んだのですが、訳してはいない・・・・・。
では、訳すとどのような文書になるのかと、試してみました。

選んだのは、カウンターマーチの部品と共に購入した Learning to Warp your Loom(織り始めるまでの経糸の準備 のしかた) Joanne Hall著
この本と出会わなかったら、使いにくくて処分もできなかった「北欧の織機」でこんなに楽しく織ることはできなかった・・・・と思うので。

イラストも豊富で、50ページほどの本ですから、2週間ほどで、訳は終わったのですが、当分パソコンの前には、すわりたくない気分でした。
仮に英語力に不足はなかったとしても、和訳は完成せず。どうやら日本語の側にも問題があるようなのです。

たとえば、織機の各部の名称。
織機の基本的な構造は、国内外ほとんど同じですから、イラストを見て、あてはめるだけのはずが、すんなりと 英語1語=日本語1語 になるのは、Reed=筬 ぐらい?

織りあがった布を巻く部分と経糸を巻く部分の名称は、英語は、「Cloth(布) beam(がっちりとした棒)」 と 「Warp(経糸) beam」。 巻くモノがそのまま名まえに。
日本語は、「ちきり」の他に「布巻き」という言葉もあるようですが、「経巻」とは言わず、「おまき」。大切な経糸を巻くという意味で「御巻」かと思えば、男巻、緒巻、尾巻・・・・どの字を使えばよいのやら。

次に、ヨコ方向にわたしてある棒(beam)の類。
ワープビームからの経糸を支える一番後方のヨコ棒は、「Back beam」。日本語では、間長(ケンチョウ)ではなく、「間丁(ケンチョウ)」と書き、「間先(ケンサキ?)」ともいうらしい。何をイメージすればこの名称になるのでしょうか?
織機の前方にあるのが、「Breast(胸) beam」で、日本語も「胸木」。「Knee(ひざ)beam」の訳語は見つからないので、「膝木」という新語を作成することになる・・・・?どうもしっくりしませんね。

最初の数ページで、複数ある日本語からどれを選べばいいか?それとも、複数表記するのか?という疑問と欧米の手織り機の名称や用語を、わざわざ日本語にする必要があるのだろうかという思いが見え隠れしはじめ・・・・・・。

そして、綜絖の類。
手元の本には、「綜絖枠に、綜絖子を収めた全体を綜絖といいます。」(図解 染織技術事典)なるほど、Shaft のことですね。では、糸綜絖は、論理的には、糸綜絖子? いやいや・・・。
綜絖をシャフト。綜絖子をへドルとそのままにすれば、すっきりするのですが、「綜絖通し」という言葉は、どうすればよいのやら・・・・「スレディング」というのは、覚えにくいし、舌がもつれてしまいそう。「シャフト通し」か?「へドル通し」か?
どちらかを確かな根拠もないままに選んで、新語を作成するのは、混乱をまねく気がして感心しません。

これ以外にも、Draft を訳すと、組織図なのか?完全組織図なのか?先生や学校によっても異なるらしいことに気付いてしまったら、しらんふりして訳すこともできかねて・・・・。

さてさて、わたしの頭の中では、英語名と日本語名をかなり適当に使い分けていることがわかりました。

結局、欧米の織機を使うなら、そのまま、カタカナで覚えるのが近道とは思うのですが、日本語もある程度はわからないと、応用やコミニュケーションはできず・・・・。

用語集をつけれるのが、一番の解決策だとアドバイスをいただいたのですが、日本語表現は、同じことばでも意味する図や動作が違う場合も多くあり・・・・、学校や地域、流派で決まっているのようでもなく・・・・・、適当にミックスしているようで・・・・?

えーと、その後、3週間が過ぎてもこんな状態。いつか陽の目を見る日があるとよいのですが。

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