2014年7月26日土曜日

書籍;色彩・配色・混色 美しい配色と混色のテクニックをマスターする

アメリカで300万部以上を売上げたデッサンの指導書「脳の右側で描け」の著者による色彩の入門書の初訳です。

「色彩・配色・混色」 美しい配色と混色のテクニックをマスターする
著者;ベティー・エドワーズ  訳者;高橋早苗

「一般の人にもわかりやすいように書かれた指導書」と紹介にあると、小中学校で習ったような基本的な話と色の名前、お勧めの組合わせ例の説明が書かれているだけでは?と疑いたくなるのですが、アメリカならでは・・・といいたくなるような実践的な解説と指導の本です。

まず、新旧の色彩論と専門用語について学びます。この本では、色彩用語はあくまで色彩を表現する基本の言語として学びます。

絵具を使った基礎的な実習をすることで言語の意味することを 目で 理解します。そして、難易度の高いj実習へと順に進めることで、色彩の基本構造、色彩の見方と組み合わせ方が身につく構成になっています。最後に、絵画での色の使い方と描き方を具体例として説明しています。

プロを対象にした色彩の本のように、さまざまな色彩論や法則、調和論などのむつかしい体系的な解説はありません。

配色の時のヒントとなる「色彩のもつ意味」、「自然界の色彩の美しさ」についても紹介されてます。絵を描くときだけでなく、洋服やインテリアなど身近な色彩を選ぶ時や組合わせる時、美しさを感じる時の支えとして「色彩の基本知識」として役立ててほしいと述べています。

著者によると、なにかとすぐさま『色彩のセンスがない』と考えがちですが、『色の見方、上手な色の組みあわせ方をまだ知らない』と考えたほうが正しい。生まれつきすぐれた色彩センスをもっている人もいますが、色彩を自在に操る能力は、学習することで身につく1つのテクニックなのだと。


織物の糸色を選ぶのは、これとは別のコツがあるように感じる場合もあるのですが、りんごは赤、レモンは黄色・・・と実際の色彩をそのままに見ないで、頭の中で決めていることが、確かに、あります。これでは、美しい色彩や配色にであえるはずがありません。

色彩の基本構造―明度、色相、彩度などの実習を通じて、音楽家が単音や協和音を聞き分けられるように、色を多少でも確実に見分けることができるようになれば、色彩の数も増え、美しい配色を記憶し再現できるようになるのでは・・・と、少し自分に期待できそうな気になります。

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