2016年2月2日火曜日

5枚朱子と10枚綜絖

30年前からあるこの織機は、10枚綜絖。多綜絖の北欧の織機といえば、普通は8枚のはずなのに・・・・。

日本の手織りの本では、朱子組織の説明を読むと、5枚朱子は最も少ない綜絖枚数の朱子だからと説明によく使われています。ろくろ式織機でもろくろの本数をふやせば織れるという話ですが・・・何を織るのでしょう?


欧米のブロックダマスクは、朱子の表と裏で柄を織りだすので、綜絖は5枚と5枚で10枚。それでドレルプーリーは、綜絖を10枚吊ることができ、綜絖の片方が上げれば、片方が下がるという組織図のタイアップになる・・確かに昼夜が織れます。これをブロックダマスクと呼ぶらしい。

こんなに簡単な仕掛けで、朱子の柄織ができるなんて・・・・先人の知恵はすばらしい。

では、一般的なカウンターマーチの8枚綜絖の場合、ブロックダマスクの組織はどうなるのかと思えば・・・・・4枚綜絖のクロスツイルなどいろいろな組織が使えるようです。確かに、朱子織と判別はしにくい組織もありますね。朱子はもともと綾織の変化組織ということも実感。

どの組織を使うか・・・・それで、プロファイルドラフトが考え出されたようにも思えます。表と裏の組織が入れ替わる境界をいかにすっきりとさせるかがポイントのようです。(写真上;SIMPLE WEAVES 写真下;THE BIG BOOK OF WEAVINGより)


大きな三角形のドレルプーリーの中には、9個の滑車。上から4段は、滑車が2列に並んでいます。タイアップをよく見れば、サテン(朱子)の昼夜を織りだす以外にも、いろいろ使えるのだそうです。

コードを5本使用して、綜絖を10枚吊ってみました。コードの予備がないので、イタリアンとシステムコードの両方を使用・・・。
ホースを使わないので、プーリーはいつもより外側に吊るすことにしました。


アメリカの本によると、同じ朱子組織でも、一般的には、麻で織る/織られたのが「ドレル」で、テーブルリネン類に使われます。他の素材は、「サテン」というのだそうです。そして、「ドレル」と「ダマスク」は違うのだそうで・・・。
漢字で「繻子」とあると、絹の肉厚でとろみのある布を思い浮かべるのと似た感覚なのでしょう。

組織のだけでは、楽しくない原因はこのあたりにありそうな気がします。もちろん、人それぞれだと思いますが・・・。

織るのは久しぶりなので、コットリンを使うことにします。

※文中誤解や間違いでお気づきの箇所があり、ご指摘やご教授等をくださる場合には、手織りを学んだのは、米国式、北欧式、日本式のいづれなのかと経歴などのプロフィールをお書き添えください。

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