2016年11月29日火曜日

縦糸の密度表


「糸と縦密度 セットチャート」という題で、2012年8月にアップした続き。

「縦糸の密度を決めるときは、糸を定規に巻き付けて、・・・」という説明はよく見かけるのですが、どの程度の間隔で巻き付けるのか?見当がつきません。先生から実際に習わない人の最大の弱点・・・かも。

「セットチャート/縦糸の太さと密度の一覧表」 に気が付かなかったら、巻き付ける加減に試行錯誤して、手織りをあきらめていた
だろうと思います。

セットチャートとは、この太さ(番手)の糸で、織ろうとしたときに、縦糸の密度はどのくらいにしたらよいか・・・が書いてある一覧表。

私の持っている本では、次の2冊にのっています。

「Leaning To Weave」 Deborah Chandler著 Sett Chart(インチのみ)
②「Learning to Warp Your Loom」 Joanne Hall著 Warp Sett Chart(インチ/センチ併記)

 
著者により、チャートにある糸種も、縦糸密度も異なります。というより、使う織機により「違う」と言えそうです。

①は、ジャックルームの使い方や組織など手織についての基本的なこと全般が書いてある本
②は、北欧のカウンターバランス、カウンターマーチ式織機と縦糸の準備のしかたなどをメインに手織の基本的な手順が紹介されている本。

どちらのセットチャートも、糸の番手とポンド/グラムあたりの長さ、平織の場合と綾織りの場合の縦糸密度が書いてあります。

①の北米でメインのジャックルームについての本では、綿と麻糸は、それぞれ3~4種、毛糸が10種。②の北欧の織機の本では、綿糸が8種、麻糸が9種もあります。北欧には、麻糸を手織りするという伝統が受け継がれているということなのでしょう。もちろん、どちらの本にも絹糸はありません。

さて、書いてある密度を比較してみると、糸が細くなると、②は①の約10%アップ。コットリンは、25%もアップ!北欧では、縦糸の密度がつまったしっかりとした織物が好まれるということ?

開口する時に綜絖が縦糸を上下に引き分けるタイプの織機、つまり、カウンターバランスやカウンターマーチ式織機なら、少々密度が混んでも問題なく織れます。伸度の少ない麻糸も織りやすい。しっかりと縦糸を張って、きっちりと緯糸を入れて織りたい人に選ばれる織機ということですね。

いろいろな組織を気軽に変化させて、ウールのショールなどをやわらかに織り上げたいのならジャックルーム・・・ということも納得がいきます。

織機の特性や違いがわかると、織る布や使いやすい糸、国による好みも見えてくるようです。

日本のろくろ機に慣れた先生方が、ジャックルームではなく北欧の織機を好まれるのは、形や気分だけではないように思えてきます。

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