2016年1月26日火曜日

目飛び、緯飛び、経飛び、飛び数

ミシンで布を縫い合わせている時に、上糸が下糸に絡まらず、縫い目が大きくなってしまうのを『目飛び』と言います。「縫い目が飛ぶ」という意味。

さて、手織り。
朱子織りの組織点の求め方で、ヨコ方向に数えるのを『緯飛び』、タテ方向に数えるのを『経飛び』と書いてある本があります。

でも、「経飛び/たてとび」には、もう一つの意味があるようで・・・・。

「経糸が飛ぶ」の略で、経糸が緯糸と交差しないで、緯糸の下に沈む状態のこと。(写真;右上) この解釈で本当にあっている?のでしょうか??
『緯飛び』とか『緯浮き』とは、言わない・・・らしい。

経糸が緯糸と交差しないで、表面に出る状態は、『経浮き/たてうき』。「経糸が浮く」の略。(写真;右下)

英語では、どちらも「浮き/float/ フロート」。緯糸がfloat/フロート。経糸がfloat/フロート。

日本語も 『緯浮き/緯糸が浮く』 『経浮き/経糸が浮く』 という表現を使えばわかりやすいと思うのは、素人のわたしだけ?

どうやら、日本人は、『飛ぶ』という言葉が好きらしい。島国だから・・・?

「2飛びの経飛びの5枚の経朱子の場合、経飛びは・・・・」などと、詳しく伝えようとすると、『飛び』と『経』が入り混じって、まるで、呪文のよう・・・・・・。


さて、先日織り上がった5枚朱子のマフラー。あちらこちらに経糸が浮いてしまった織りミスがあり、補修。で、5枚朱子は、「どの経糸も緯糸4本分浮いて、5本目に緯糸の下に入る。」という当たり前のことを いまさらながら、実感。
つまり、11枚朱子なら、経糸は、緯糸10本分浮く・・・朱子の綜絖の枚数が増えれば増えるほど朱子の経糸の浮きは長くなり、布地の光沢が増すということ。朱子織りの基本中の基本。

基本は5枚朱子だからと5枚朱子の組織の書き順と飛び数ばかり気にしていると、2飛びは「経糸が2本分浮く/飛ぶ」 3飛びは「経糸が3本分浮く/飛ぶ」とか・・・思い違いをしそうになります。

飛び数は、英語では、「Satin Counter」というのが、最近(?)では、一般的なようです。直訳すると「朱子のかぞえ数」でしょうか?

5枚朱子を織ってみると、かぞえるのは、組織を描くときだけではなかったことに気がつきます。1段目の緯糸を織り入れ、2段目を織るとき、1段目の表に出た緯糸からかぞえて、(慣れてくると目測なのですが、)何本隣の経糸が沈んでいるかを確認する・・・・ちょうど、組織図を描くときに、左右へ飛び数を数えたのと同じように!

踏み木順が、どんなに間違いにくくても、たぶん、普通は経糸の上り下がりを目で確認して織っています。でも、朱子の『表』を見て織ろうとすると、経糸の密度があるので、かぞえにく、よくわからない。で、手織りなのですが、タイアップを直して、裏返して、つまり、緯朱子にして、織ることにしました。それが上の5枚朱子の組織図。
1段目の緯糸を織り入れ、2段目を織るとき、1段目の表に出た経糸からかぞえて何本隣の経糸が上がっているかを確認して、緯糸を入れることになりますね。

では、なぜ、織るのにこんなに時間がかかったか?
踏み木順は、右から左へ1、2、3、4としたのに、経糸の上り下がりは左から右へとかぞえて確認していたから・・・・。どちらも、右から左にすれば、身体をねじるような嫌な感じがなかったように思えます。

朱子織の種類を確認したり、組織点を求める時にも使う 『飛び数』。上へかぞえても、右へでも、左へでも、どの方向でも朱子織りの組織が描けてしまうのですから、どの方向に数えるのが正しくて、どれが間違いとは、いえませんね。

でも、組織図を、実際に手織りをするために描くなら、
緯糸を1本1本織り入れますから、かぞえるなら縦方向ではなくヨコ方向が実際的。
飛び数は、朱子線の方向や角度の違いだそうですから、『踏み木順の方向』や『かぞえやすい方向』を考えて、各人が選べばよいことになります。

今日の最後に、
綾は右上がり、朱子は左上がりと覚えたような記憶があります。糸の撚りとの関係だという話です。綾は右上がりにすると綾目がはっきりと浮かび上がり、朱子は、左上がりにすると朱子線が目立たず、表面が滑らかに見えるというような説明だったような・・・・・で、通常使用している糸は、S撚り?Z撚り?どちらなのか?質問するのは忘れたようです。

※文中誤解や間違いでお気づきの箇所があり、ご指摘やご教授等をくださる場合には、手織りを学んだのは、米国式、北欧式、日本式のいづれなのかと経歴などのプロフィールをお書き添えください。この文への訂正、添削はご遠慮ください。投稿は簡潔にお願いいたします。

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