2015年3月24日火曜日

Repのマットの縦糸の残りから思うこと

60cm幅のマットを織った経糸の残り・・・・・65g。これに織初めの結び分を加えた長さを「織り捨て分」とか、「機ロス」とか呼びます。

ワープビームからのコードを綜絖のところまでくるように長くしても、筬と綜絖の厚さ分と綜絖が上下に動くための長さが必要。今回は約40cm。計ってみると65g。
10gあたり100円の糸だとすると、これだけで約650円+織初めの結び分=約800円ぐらい?マットに使ったのが約110cmですから、ロス率36%・・・決して少ないとは言えません。

織機が、長く、早く、安定して織れるようにと改良され続けてきた結果だという方もいますが・・・。


この「織り捨て分」を使って、フサのラグを織ったり、ウールの場合は、ほぐしてワタに戻してフェルトにしたりする方もいるそうです。これを使って何かを作れそう・・・・・・と捨てずにため込んで、思案するのは、残糸病というのだそうです。

「織り捨て分」がもったいないから、手織はやめて編物にしたとか、大型機はやめて卓上機にしたとか・・・聞きます。

織機は、長く、早く、安定して織れるようにと改良され続けてきた機械なのですから、この道具を使って、マットを1枚しか織らなかったり、マフラーを1本だけ織ったりするのが、おかしい のかもしれません。綜絖通しや筬通し、大型機の場合は、経糸を掛る時の筬や框の上げ下ろしなどの力仕事など、長さ1mと10mを準備する手間はあまりかわりませんから。

日本では、大型の手織機で平織や綾織で、「大判のストールやマフラーを軽くて肌触りのよい綿やカシミアで心を込めて1本1本織っています。」という方が多いようです。
高級な素材+時間と手間+安くはない道具(織機)をつかって・・・・手作りの憧れがすべて詰まっている。絵画やアクセサリーのように「手をかけた装飾品」と思えばわかりやすい。

ロスとかもったいないとか、織機は手早く布を織るための道具だとか言いながら手織をするのはたぶん、「野暮」とか「変わり者」。身近な実用品を織りたいと思うのも少数派かもしれません。
北欧の織機も、「ズウタイばかりがデカいヤツ!」と嫌われもの。でも、よく働くし、能力もあるのに、ちょっとかわいそうな言い方ですよね。よく食べる絶滅危惧種を飼っているような・・・・・気がするときがあります。

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