2012年11月23日金曜日

綾織#3 8枚綜絖のミミ付き試織

 
織りにくい糸とミミの問題が重なりました。
まずは、ミミ・耳・セルベージorセルヴィッチ・selvedge! を解決したい。織りやすいウール2/5で、ミミ付きで試織です。
 
ミミの仕上りが命ともいえるストールやマフラー、タオルにとっては死活問題。(←ちょっと大げさ?)
二重織は普通は平織ですし、地組織(Tabby)があるオーバーショットやサマー&ウインターは、たぶんさほど気にせずとも納まるのでしょうが、綾織はクセモノ。
 
8枚綜絖のワッフル織をしている方も多いようですが、ミミはどうしているのでしょうか?



織機も書籍も多綜絖といえば、8枚綜絖(8-Shafts)がほとんど。
ミミ好きで、平織や綾織のミミを付けたい場合は+2~4枚の綜絖が必要ということになりますか?

細番手を織らなければ、端糸をからげて織る方法が使えますから、8枚あれば事足りる。

何だか、調べてみる価値がありそうな話。


写真の左端は、綜絖を2枚追加した平ミミ。(サンプルですが幅は広すぎ)
右は、端糸は綜絖を通さずに絡げて織るフローティングサルベージ。



多綜絖の試織用に小型の織機が欲しいと思っていました。
本番機がカウンターマーチの場合、試織でミミ組織とテイクアップの確認がしたいとなると、タイアップの確認がもちろん必要で・・、長さもある程度必要で・・・・・綜絖1枚にレバー1本式の卓上機では難しいということになるようです。 
 

最後に、もう一度、なぜ試織が必要か?(困ったことに、私が時々試織をしない理由は不明。)

1.密度や風合いを確かめ、仕上げも試す。
2.組織や色の出方のバランスを見る。
3.糸の状態や織りやすさを確かめる。
4.ミミ組織と本体とのテイクアップ差やバランスを確認する。

え~と、ほかに追加事項はありますでしょうか?

組織;The weaver's Book of 8-Shaft Patterns P.22 #66 Carol Strickler 著


 

2012年11月20日火曜日

綾織#3 多綜絖は試織すべし

3枚目の綾織は、8枚綜絖のストールを計画しました。

織幅は、58cm。 使用糸は、アルパカ混 2/14
組織は、ストレートツイル(順通し=12345678 12345678 1・・・・8枚綜絖なので)の変形綾織

ストレートツイルは基本だから簡単と思っていたのは大間違い。最初の問題はミミでした。

1.8枚綜絖で順通し、踏順も順番なので7本も飛ぶ?いいえ、4本でした。が、何もしないとミミはグズグズ。

2.フローティングサルベージ(浮きミミ)は糸が細すぎて使えませんでした。

3.あわてて、左右に平織のミミを付けることにしました。(+綜絖2枚)

4.織始めると、ペダル順に1357 2468と踏む場所があり、平織のミミは役立たず・・・織れない。

5.タイアップ(=柄)を変更し、ミミ部分は何とか許せる状態になったのですが、織り地の左右の黒の経糸部分が伸びる。織り方が下手なのかもしれませんが、黒糸とグレー糸の伸度と強度は明らかに違う。

 

この失敗から学ぶこと  多綜絖は、試織すべし  

以前に読んだHPが見つからないのですが、確か・・多綜絖を愛用する人は約80%が毎回試織する。ミミも付けて試織する。いわば試織マニアだという。

なぜそんなに試織するのか?FAQにもミミについての質問が多い・・・?不思議でしたが、このことでしたか・・


まあ、やっとミミを考えるレベルに入ったと喜んで・・・・記念撮影をして、経糸を切ります。
 

織の組織
写真上;The big book of weaving P.148 Laila Lundell著
    写真中と下;The weaver's Book of 8-Shaft Patterns P.22 #66 Carol Strickler 著


2012年11月16日金曜日

古い北欧機に8枚綜絖を吊りました

織機ではなく部品(カウンターマーチ/天秤)を6月に購入して、はや5カ月。

購入したマニュアルや解説本もすっかり読み終え、サポートも有なので、困ることも躊躇することも何もなかったのに・・・・何をしていた?

(カウンターマーチのタイアップのマニュアル本については、2012/10/2のブログを参照してください。)



公開するほどのこと?とも思ったのですが、記録しておくことにしました。

1.旧型の織機のため、カウンターマーチ取り付けのための加工が必要で依頼先を探すのに手間取りました。自社以外の織機の修理や加工をしたがらないのは、当然といえば当然。

2.平織をしていたので、綜絖やペダルの微妙な位置の調整がしたくなる。4枚綜絖ならカウンターバランスのほうが簡単。開口の大きさの調整も簡単。で、カウンターバランスに戻してみたりして。
もしかして・・・織ることができる多綜絖の組織に制約ありですが、ドレルプーリーは優れもの?
そして・・・左右のバランスを気にする「ホース/ニックピン」よりも「ろくろ」の方が優れもの?

3.ペダルのタイアップ。昔からの麻のイタリアンコードは、上から結べてほどくのが簡単。(←ただし、ループと結ぶワザが必要。) システムコードとアンカーピンは、付け外しが少々手間ですが張り加減がわかりやすい。伸びたりゆるんだりもないらしい。こんなところで悩んで結局、混在中。

4.ついでに、購入時期や使用頻度などで微妙に長さの違う綿の糸綜絖を分別してシャフト毎に振り分け直し。全てポリエステルへドルに買いかえれば伸縮もなくて確実なのに。

5.綜絖バーが厚いので、筬位置での開口の大きさを揃えるために調整し直すこと数回。

 
そのつもりはないのですが・・・・他のものなら、新機種に買い替えるのが賢明なのでしょう。

システムキッチンは、家族みんなの役に立つ。
ミシンは、「毎年、夏服とスカート〇着+エプロンを〇枚」とか、換算しようとすればできる。
織機は、マフラーやひざかけ、ラグ・・・・・何を何枚織ると言えば、家族は納得してくれるのでしょうか?



2012年11月10日土曜日

洋書;手織りの準備と機の基本についての入門書

Learning to Warp your Loom  直訳すると「経糸のかけかたを学びましょう」 

今回、手織りを一からやり直してみようと思った時に選んだ4冊のうちの1冊です。

織機の部品を取寄せたときに一緒に購入しました。
北欧の機の準備も、新しいやり方があるかもしれないという軽い気持ちでのオーダーでした。


著者は、Joannne Hall。米国人で、ミネソタ大学のテキスタイルデザインの修士課程を修了。大学で教鞭をとった後、教室を主宰して数多くの人に教えているという方です。
現在は、スウェーデンの織機メーカー(グリモクラUSA)に関係しているので、この本は、このメーカーの織機のマニュアル本と思いたいところです。が、卓上機から高機まで共通して必要とされる知識が詰まっていました。50ページのリング綴じ仕様。


最初のページは、
卓上織機、ジャックルーム、カウンターマーチ、カウンターバランスのイラスト入りで4種類の一般的な手織り機が紹介されています。
手織り機に関する用語説明に始まり、縦密度の決め方、一般的な太さと密度の表(Sett Chart)、手持ちの筬で欲しい密度にする通し方(Reed Substitution Chart)など。

そして、一般的な手織りの説明本にも載っていることと、機がけのやり方は、
綜絖通し、踏み木、タイアップの読み方、計算方法や記録の付け方.。
整経、仮筬と粗筬、巻取り、綜絖通し、筬通しは、Back to Front式の 「トラディショナル式」の機仕掛けのやり方にそって説明されています。
システムコード(Texsolv Tie-up Cord)のタイアップや綜絖の扱い方、イタリアンコードの結び方は、他の本では見られない実践的な内容です。

それぞれの著者が、長年培ってきた「やり方」を知ることができる・・・マニュアル本を読む一番の醍醐味かもしれません。

次に、織始めてから知りたいこととして、
経糸切れ、綜絖通し間違いの対処法。シャトルとテンプル(伸子)など不可欠な道具の使い方と選び方。長さ(インチ/センチ)や重さ(ポンド/グラム)の換算表。手織りの専門用語集付き。

最後に、織機の種類と特性について、
テーブルルーム、ジャックルーム、カウンターバランス、カウンターマーチそれぞれの織機についての基本知識。織機のもっとも重要な部分=綜絖の機能(開口)をメインにわかりやすく解説してあります。
本のタイトルからは、まったく期待していませんでしたが、確かに疑問に思うし、知りたいこと。

なかでも、日本では情報の少ないジャックルームについての記述は一読の価値あり。(←たった1ページですが・・・やはり、本場アメリカ。)
「ジャックルームはペダルを踏んで下がる綜絖がない。ジャックルームの綜絖は上がるのみ。」という見分け方の説明。わかっているけれど見落としがちな点です。これがジャックルームの特性であり、メリットとデメリットを理解するスタートなのだと納得させられます。
一見しても判別できない中古や国内販売していない機などの確認に役立ちそうです。


初回用として手順説明を兼ねたハンドタオル以外、織の組織や作品は一切載っていません。織物教室で、たぶん、一番最初に知っておくべき基礎が書かれた本です。

お教室の初日にこの本をわたされて、「これから一緒に手織りを勉強しましょう」と告げらえたら、それだけでワクワクすると思います。きっと帰りの電車のなかで、夢中になって読みふける・・・そんな自分の姿が想像できます。

Glimara-USAへ直接注文になります。
 
先日、グリモクラ社と取引があるという会社からコメントを頂きました。(株)新井清太郎商店tel 045-681-6726
この本も取扱っていただけるとよいのですが。できれば、和訳付きで。 織機や機仕掛けについての説明書が本当に少ないと感じてます。
結局、必要とする人がいないということなのでしょうか・・・・・?



2012年11月2日金曜日

綾織#2 千鳥格子のひざかけ

千鳥格子は、本当に不思議な柄です。
綾織で縦糸と緯糸に同じ2色を使うだけで柄が浮き上がる。平織のログキャビン(網代格子)も同じ手法。
綾織なので、変化のある糸を使っても効果がありそう・・・・要するに、奥が深そうです。


千鳥格子は、柄を大きくしても、色を鮮やかにしても、「私は服地」と、主張し続けるようで何とも落ち着かない気分。ウール地のスカートやスラックスを愛用した世代の先入観でしょうか?

容易にインテリア布地の顔にはならないようです。
クッションカバーならアクセントとしてかわいらしく使えると思いますが、ひざかけとなると、かなりモダンなインテリア向き・・・・?

物足りないと感じていた風合いは、白糸の番手を細くしてモヘアと引き揃えて使用。
グリーンはアクセントとして両端のボーダーにしました。

織上りサイズ:86cm×140cm(フサ10cm×2)
使用糸:ピンク ウール2/5、 白 ウール2/7 // タムタムモヘア
縦緯の密度:40本/10cm
重さ:430g





織っていると次作のアイディアが浮かんできました。
・ウールと光沢糸を使って、素材のコントラストで見せる。
・地色に5~6色の柄色を入れて、経糸と緯糸が同色になる所が目立つように配色する。

でも、どのアイディアを試しても、「私は服地」と、主張するような気がします。
英名の「猟犬の牙:hound's tooth / ハウンズ・ツゥース」という名前がふさわしいように思えてきました。