2015年6月12日金曜日

紐を織る綜絖

どこかにあったはず・・・と探したら、ありました。3枚も。

スウェーデンの織物道具。これで平織の紐を織るのだそうです。

やっと購入した『図解 染織技術事典』の「1章 手織」の竪機の説明P.4-2では、「日本の むしろ機 も筬綜絖の竪機の原理で制作される。」という説明と写真があり、むしろ織の写真の隣に、この道具と杼の写真が載っています。(私の手元の本は、1995年発行の第4版ですから、改訂されているかもしれません。)

竪機に使われる筬綜絖の紹介として載せたと思うのですが、卓上のリジット機がよく知られるようになった今では、この 筬綜絖というもの がむしろ機など竪機にだけ使われる部品だと思う人はいないでしょう。

本の写真と同じこのものは、この一枚で、れっきとした「紐を織る道具」。大きさは、ハガキより少々小さめ。穴は、裁縫に使う「針の糸通し」を使わないと通らない程、小さい。タペストリーの経糸に使う太い麻糸や漁網糸は この筬綜絖 には通りません。

経糸を柱などに結び、織前は、腰にまわした紐などに結び付けて織っていくので、あえて分類すれば、この1枚だけで、「腰機」。せっかくですから、残り糸で少し織ってみました。


本文に「古代スウェーデンで、錘をつけた経糸を横木から吊り下げ・・・・」ともあるので、ためしに、竪機風に、吊り下げてもみました。開口や打込みの時の経糸の引き加減の調整は、うまくできません。

卓上のリジットルームが開発されて一般的になり、織幅を保ち打ち込みをする筬 と 経糸を上下する綜絖 の両方の役目を、一枚でするのが「筬綜絖」で、英語名は「リジットへドル/Rigid heddle」だと思い込んでいたのですが・・・。

「リジット/Rigid」・・・・「硬くて曲がらない。剛体の。」という意味。
なるほど、このところ大流行の卓上の「リジットへドル・ルーム」は「硬くて曲がらない頑丈な綜絖がある織機」という訳になり、納得です。

「筬綜絖」は、まずは、「筬のように硬い綜絖」と思ったほうがよさそうです。で、筬として使えることもある。

竪機や紐を織るのに使うのは、見た目は同じでも、筬としての役目はしませんから、「板綜絖」とか「穴あき板綜絖」と呼ぶとわかりやすいように思えてきます。

糸綜絖、金綜絖・・・・筬綜絖?板綜絖?いろいろある綜絖の1種と考えたいですね。まぎらわしいことに、金綜絖には metal/金属の細い板状 もあるのですが・・・・。

同じ形だとか、使い方がちがうとか・・・・言葉や理屈、呼び名などにこだわったりするのは、取るに足らぬことのようですが、初心者にはわかりにくいことばかり。専門用語だからといわれても意味もわからず覚えるのは、やっぱり苦手。

「作品制作も道具の使い方も、アイディアややってみることが大切。理屈は後。」と若い頃に諭された記憶は残ってはいるのですが。

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