日本では、ステックを使って二重織の柄を織り出す方が多いようですが、このシリーズの他の本と同様に「織機を使って柄を織り出す方」を対象にしています。
The best of Weaver'sシリーズ 『THE MAGIC OF DOUBLE WEAVE』 編;Madelyn van der Hoogt。
四角のブロックが並んだデザインで、上下の布が四角形のところで入れ替わっています。単純な構成と織り方ですが、著名なテキスタイルデザイナーの方々が手がけた作品をよく見かけます。
ある有名美術大学の出版の書籍では、この織り方を「風通織」と説明しています。その他の袋織物、倍幅織、両面織などが「二重織」です。
この 『THE MAGIC OF DOUBLE WEAVE』では、「上下で同時に2枚の布を織る」のがDOUBLE WEAVE/二重織。そして、二重織を分類すると、風通織、倍幅織や両面織などのいろいろな構造の織りがあるという考え方です。欧米では一般的な考え方と思います。
日本と欧米の考え方が異なるのなら、二重織ではなく『ダブルウィーブ』と、そのままの言葉がわかりやすいかもしれません。
さて、この本では、『ダブルウィーブ/二重織』を構造の特徴から5つのテーマに分けています。モダンな印象の表紙のイメージとは異なり・・・アメリカの代表的な柄を用いた作品も数多く登場します。
まずは、オーバーショットで、上と下の布の片端をつなげて織る倍幅織り。ベットカバー用に広い幅を織りたい方が多いのでしょう。論理的には、織れることになるわけですが、多綜絖はパズルが好きな方にお勧めという話がわかるような気がする内容です。
次に、リバーシブルの技法とウインドウズの柄によるコート地や上着の作品と織り方。この布の構造のもう一つの魅力である 色糸をさまざまに組合わせられること の解説もあります。
そして、「コロニアルの二重織」、「4ブロック4枚綜絖の二重織」、「4ブロック8枚綜絖の二重織」、「オーバーショット柄の二重織」などと呼ばれるオーバーショット柄の二重織の作品と織り方の説明。オーバーショットの織物の特徴でもある緯糸の浮きが、テーブルマットやランナー、椅子張地などではひっかかって使いにくいので、この二重織が考え出されたようです。アメリカで誰からも愛され続けている伝統的なパターンを一般的な4枚や8枚で織りたい・・・技法は数種類あり、かなり古くから知られていたものもあるようです。
最後に、おしゃれな袋物、素材の変化を生かした作品などが載っています。
8枚綜絖が通常仕様の天秤式やカウンターマーチは、北欧の織機だから・・・・多綜絖の織の本場は北欧と、もし思っている方がいらしたら・・・・この本を見てくださいと言いたくなるような内容です。
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