預かってほしいと届いたLIISAと一緒に届いた説明書は、3種類。

写真右は、織機に限らず、「組み立て式」の何かを買えば、必ずついてくる「いつものよくある書面」。
織機の組み立て方や各部の名称(英語と日本語)、ヒモの結び方やタイアップ(ヒモのつけ方)のイラストなのコピー4枚。
写真中央は、Introduction of Finland Weaving -1-は、糸綜絖で天秤式という北欧の織機を使うための一般的な内容。
天秤と各部とのタイアップのしかた、ドラフト(意匠図)との関係、経糸の巻きかた(機掛け)などA4版8枚程度。左の小冊子の和訳版ではありませんでした。
写真左は、この織機についての英文書。よく見ると、取扱い説明書・・・・
トリセツ!
TOIKA社作成の小冊子 『THE FINNISH COUNTERMARCH LOOM』
著作デザイン;CATHRINE KVARACEUS
まず、
トイカの手織機の所有者のために、特別にフィンランド式のタイアップと経糸の巻きかたやカウンターマーチの特徴、知っておくと役立つことを説明したと書いてあります。
共通一般的な天秤式織機の使い方ではなくて、トイカ社のLIISAの使い方。ですから、今風に言えば、『織機LIISAのトリセツ』。台所家電とかには買えば必ず付いてくる・・・・・このように使うと、このように使いやすいです。ここが新しくなっています。この順番で使ってください・・・・とか書いてあるあのタイプのもう少し詳しい説明書。
本文は、織機の基本的なメカニズムの説明から始まり、カウンターバランスとジャックルームの織機の特徴から、カウンターマーチ式の織機の優れた点の解説。
次に、写真入りで組み立て方の説明。天秤からのYコードを下げるのは、綜絖の前か後ろか?経糸をつけるワープビームのバーは、どの程度の緩みが必要か?など戸惑いがちなことも書いてあります。
タイアップでは、『TRADITIONALTIE-UP』と『MAXIMUM POSSIBILITY TIE-UP(なんでも織れるタイアップ)』という名前の8本踏み木で4枚綜絖で綜絖を2枚ずつのセットで使うというやりかたが載っていました。さすが、天秤式とつぶやきたくなる・・・今まで見たことも聞いたこともないやりかた。毎回の吊替えが大変と感じる人には、お薦めのタイアップとあります。
経糸を織機に巻き取る方法は、「まず、ブレストビーム(胸木)をはずし・・・・・」と細かく順序立てて続きます。ラドルとキャッスルを上手に利用して、綜絖通しから筬通しまでしています。
知っていると思っていることでも、説明書を読むと、設計した人/会社は「こう使えば、このように使いやすい」と、考えたのかと合点がいくことが多々あり、楽しめます。
国内でTOIKAを使っているお教室を見学したことがありますが、この「トリセツ」のやりかたは採用されておらず・・・・日本人にはなじまなかったのでしょうか?
とにもかくにも、こんなにきれいな状態で、30年余り大切に保管していた持ち主に、敬服するばかり。