例えば、赤い経糸に黄色の緯糸で、同じ密度の平織を織った時、よく見れば、赤と黄色の点々ですが、目の中で混ざってオレンジ色に見える・・・・チェックや緯糸に2色を引き揃えて織ったりしたことがあれば、このことではないか?とすぐに思いあたります。
『カラーコーディネーター入門 色彩』 監修;財団法人 日本色彩研究所 の本には、「並置加法混色」とあります。
「絵画の点描画法やモザイク壁画を遠くから眺めると、混色して別の色に見える。織物の色違いの縦糸と横糸で織った織物の色などは代表的なものである。」と説明があります。混色では、この「加法」の部分が大切なようで、「混色した結果は、ほぼ中間の明度となる。補色関係では、灰色になる。」
身近な絵具は、同量の補色を混ぜると黒っぽく、土や泥のような濁った色になるので減法混色。舞台の照明など色光は、光の三原色や補色を重ねると白になるので加法混色と習いました。
同じ加法混色なのに、織物は光と同じように補色―シアン×赤、マゼンダ×緑、イエロー×青 を縦糸と緯糸にして織っても白色にはなりませんよね・・・・経験からしてもあたりまえのことなのですが。
でも、シャンブレーのオーガンジーとか、タイシルクや和装の玉虫のコート地とか・・・一見した色が地味でも、時々まぶしいように感じるのは、気のせい?ばかりではないように思えてきます。
先染の魅力の秘密のひとつは、確かに「並置加法混色」。忘れないように。
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